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澤のJFL初ゴールも届かず、松江に敗れる。

2021年10月30日 

 

穏やかな陽気のアサスタ。前節では強風に悩まされた東員ウェザーとは打って変わって無風で抜群のコンディション。4戦連続ホームゲーム、2戦目に迎える相手は松江シティFC。前回4月の対戦ではヴィアティン三重が2-0で勝利。豊富な運動量と組織的なプレーに定評がある松江シティFCを相手にどう闘うのか。

立ち上がりに勢いを見せたヴィアティン三重だったが、引いて守りスペースを消しに来る相手に手を焼きボールを前に運べない。主導権を握りながらもカウンターからのワンチャンスを二度食らい2点リードを許す。⑧澤のJFL初ゴールで追いすがるも届かず、大事な一戦で勝点3を手にすることはできなかった。

 

● ヴィアティン三重 1-2 松江シティFC ○
前半0-1:後半1-1

  • 40分:⑦川中健太・松江シティFC
  • 62分:⑪菅本岳・松江シティFC
  • 72分:⑧澤朋哉・ヴィアティン三重

 

 

第23回 JFL第28節・スターティングメンバー

 

試合終了後・山本監督コメント

 

山本監督・試合総括:松江さんのしっかりとビルドアップしていくサッカー、それと鋭いスピードがあるカウンター。そのサッカーに対して行くべきところとそうじゃないところとを明確にしてプランを立てました。一方、我々も似たような組み立てのサッカーをします。その中で注意すべき点は細かなパスを途中でひっかけてしまってそこからカウンターを受けること。それだけは気をつけようと徹底して臨みました。しかしながら40分にカウンターから狙われてしまいました。それでも中のマークさえしっかりついてさえいれば、そう簡単には決められないのですが、7番の選手のところがルーズになってしまって先制点を取られてしまいました。7番の川中選手のスピードには注意しようと強く意識はしていたのですが決められてしまった。

前半を終えてウラへの推進力が乏しかったと感じたので、ディフェンスラインでボールを回している時に誰がどこで欲しいのかという意思表示をハッキリさせよう、何もせずに相手のディフェンスラインのところで動いていても点は取れないし相手も怖くはないだろうと。そこを修正するように指示して後半に入りました。しかしながら詰めが甘くて2点目を与えてしまった、ファーサイドの隅に決められてしまった。相手の技術が一歩勝った失点でした。

2点取られましたが、焦らずまずは自分たちがやるべきことをやろう、変化を付けた組み立てをしていこうと考えて1点返すことはできたのですが、終盤はポストにあたってしまったり何度かの決定機に決めきれなかったということで、結果的には完敗ということになりました。

 

インタビュアー:今日の試合を踏まえて現時点での課題・修正点はどこにありますか?

山本監督:先ほども触れましたが、ボールを回している時、いかに相手の嫌なところに飛び出すのか?ボールを持った選手に対して追い越していく選手が1人ではなく2人、3人と動き出すことができている時は「ヴィアティンの良いサッカー」ができているという手応えある試合運びになります。今日のようにディフェンスラインの前で横方向の展開ばかりで縦に展開できないときはストレスが溜まるゲームになります。勝点3を取るためには、そこにリスクがあろうとも、しんどい時でもチャレンジしていかないといけない。松江さんのような実力が拮抗したチームと闘うときにはそこのチャレンジが欠かせないと思っています。そこがまだ足りていないのだと思います。

 

インタビュアー:今日は⑰野垣内選手を早い時間に投入されました。それは何か考えがあったのでしょうか?

山本監督:劣勢になっている時に経験も含めてチームを鼓舞するチカラをもっている選手ですので、そういった期待から送り出しました。ピッチに立ってとても彼らしいプレーを見せてくれたと思っています。

 

VTM:松江の実信監督もおっしゃられていましたが、ヴィアティンの前線の選手がウラへ抜け出すところを徹底して対策され封じ込められた印象でした。攻撃の一番の特徴であるウラへの飛び出しを封じ込められている時、どんな攻撃オプションを選択されようとしたのでしょうか?

山本監督:いつもシンプルに考えています。ボールホルダーがパスを出した後に前へ突破するのか、横に角度をつけてもう一度もらうのか、そこでボールが動いている間に次の選手が動き出している必要があるのですが、ボールホルダーがパスを出した後、定位置にいる時間が長かった。ボールを出したあとどこに動くのか?というところの第一歩の意識を変えないと停滞した流れを変えられない。日頃の練習で取り組んではいるものの、さらにそこのクオリティを高めなければならないと感じています。それができる試合もあればできない試合もある、そこのギャップを減らす必要があると思います。今日はそこが重かったです。

 

 

VTM:非常に大切な試合での黒星となりました。試合後に選手たちにはどんな話をされましたか?

山本監督:ミッションである勝点+3を果たせなかった。それについての責任は監督である私にあると。ただ(選手たち自身がピッチで)やらなきゃいけないところはあっただろう。点を決めきるところ、守り切るところ、これはもう一度やり直すしかない。前に進むしかない。しっかりと気持ちを切り替えて目の前にある次の試合に向けて準備しようと話しました。

 

松江シティFC・実信監督 試合後コメント

 

松江シティFC・実信監督:ヴィアティンさんの前の4人、前線の選手が非常にクオリティが高くバランス良く動いてくるチームですので、そこにボールを簡単に入れさせたくないと考えていました。従って守備をいつもより低くしてロングボールを増やさせる、それをうちが回収するというプランで臨みました。前半の立ち上がりは相手の勢いがあって危ないシーンが多かったのですが、途中から自分たちがイメージする守備ができました。それといい時間帯に点を取ることができたのが大きかったと思います。

後半になるとヴィアティンさんがもっともっと前に圧力をかけてきていましたし、それを受けてしまうシーンが多かったのでもっと自分たちがボールを持ちたかったのですが、ピッチの中では思っていたより相手のプレッシャーが強かったり、強度が高かったのではないかと思います。その中にあって追加点を取れたことで楽になったとは思いますが、先ほども言ったとおり前に良い選手が多いのでそのあとに失点しまった。それに関しては細かい部分ですがクリアすべきところでクリアできなかったり、そうさせないヴィアティンさんの切り替えの速さだったりがありましたので、我々も見習っていかなくてはならないと思うゲームでした。しかしながら選手たちが最後まで身体を張って守ってくれ勝つことができて良かったです。

 

インタビュアー:しっかりと対策・準備された試合展開で、実信監督の思い描いていたとおりのゲームだったのかなという印象でしたがいかがでしょうか?

実信監督:いや、どうでしょうか…、やはり前線に以前うちで一緒にやっていた酒井達磨がいましたので、彼の良さをよく知っているからこそ、それを出させたくなかった。守備のところで一緒にやっていた(酒井選手の特徴をしっていた)選手を並べて彼の良さを消すことができたというところは良かったと思います。とはいえ達磨がボールを持ったときだったり、50/50のボールに対する競り合いだったりは非常に怖かったですが守り切ることができたのはとても良かったです。準備してきたことを選手たちがしっかり表現してくれたことが勝因だと思います。

記者:前回の対戦ではヴィアティンが勝利しました。前回の対戦での反省点を踏まえてヴァティンのどのあたりを警戒しましたか?

実信監督:10番の山藤選手のキック、セットプレーが良いというイメージがありましたので、セットプレーのチャンスを与えたくないと考えてはいたのですが、前半の最初のところでコーナーキックを多く与えてしまいました。あそこで守れたのは大きかったと思います。セットプレート前線の選手の勢いを前回の敗戦で感じた部分でしたので、しっかりと対策しました。

 

前半・立ち上がりはペースを掴むも攻めあぐねて失点

 

立ち上がりは前への意識が高く相手の準備が整う前に両サイドから攻め込む。たびたびコーナーキック、フリーキックのチャンスを得るが得点にはならず、選手たちの集中力は高く試合の主導権を握る。一方、松江シティFCは前からのプレスには来ず、やや引いてスペースを消し、パスコースを消しに来る。ディフェンスラインから中盤でパスを回すヴィアティン三重だったがウラへの飛び出しの駆け引きと噛み合わず出しどころがない。横パスが目立つ。

試合後に松江・実信監督は言った「前線に以前うちで一緒にやっていた酒井達磨がいましたので、彼の良さをよく知っているからこそ、それを出させたくなかった」。それでも何回かはウラをとって⑨酒井達磨・⑦塩谷仁らが抜け出そうとしたが決定機には至らず。

そして40分、相手陣地でボールを失ったところから一気にカウンターに遭う。左サイドの深いところまで走られ④寺田が競ったが速いクロスを上げられる。中では③穂積が松江⑦川中選手に付いていたが完全に相手の間合いで合わされ、為すすべもなく失点。1点ビハインドで後半へ。

 

 

後半・一瞬のスキを突かれて失点、澤のゴールで一矢報いるが及ばず。

 

ハーフタイムに⑩山藤に代えて⑧澤、㉜井上に代えて⑰野垣内を投入。後半に入っても主導権はヴィアティン三重が握ったまま展開。セカンドボールも拾えていてボールの保持率は高い。前半よりも前への意識は高く複数で連携してボールを前に運ぶ。⑰野垣内からの効果的なパスも通り厚みのある攻撃を仕掛けゴールに迫るが相手の守備は堅い。

53分、コーナーキックのチャンス。センターバック④寺田がドンピシャで頭を合わせるが惜しくもポストに嫌われる。跳ね返りを拾って再び中に放り込み⑨酒井達磨が頭で合わせたが枠の外。

 

 

 

徐々に相手を崩しながら積極的にゴールを狙い得点の匂いを感じさせる。右から左から波状攻撃を仕掛けるがゴール前で身体を張る相手の守備を破れない。しかし62分、またもカウンターから一気にヴィアティン陣内へ。中央右よりでフリーになっていた松江⑪菅本選手のところにボールが出て迷わずシュート。ボールに威力はなかったが際どく左隅に転がるボールに㉑加藤大喜の手はわずかに届かず失点。二度目のワンチャンスを確実に決めてきた松江シティFC。ヴィアティンは苦しい状況に。

 

 

諦めないヴィアティン三重。72分、左サイドで⑦塩谷がキープしたボールを⑰野垣内が中に放り込む。中には⑨酒井達磨しかいなかったが、右の外から⑧澤が相手DFの前に走り込み頭で合わせてゴール!澤はこれがJFL初ゴール。後半から入った2人が連携して見事なゴールを生んだ。

 

 

 

俄然勢いに乗るヴィアティン三重。右から㉔池田が持ち上がり、⑤菅野にあずけて個人技でゴール前に迫る。弾かれても何度も繰り返す。左からは⑰野垣内が早めにクロスを上げて中で⑨酒井達磨が競る。怒涛の攻撃を続けるが決定的なところまでは至らず。88分、⑤菅野に代えて⑥坂井将吾を投入。ベンチメンバーも必死の声をかけ全員が闘志むき出しのプレーで追加点を奪いに行く。しかし無情にも試合終了のホイッスル。圧倒的に攻め続けたが追加点が遠かった。ピッチにしゃがみこむ⑰野垣内。天を仰ぐキャプテンの⑦塩谷。この試合での敗戦が何を意味するのかを感じざるを得ない空気がアサスタを包んだ。

 

 

残り5試合、まだ終わったわけでない。自分たちにできることだけにフォーカスして4日後のHonda FC戦に向かうしかない。下を向いている暇はない。ここで次節でJFL最強チームを迎えるのは、そこを超えずに昇格はあり得ないという意味のようにも感じる。面白いのはここからだ。心のなかでそう繰り返して次節での勝利をイメージしよう。

 

 

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