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攻撃的で選手が躍動するサッカーを!樋口靖洋 新監督・就任会見

2021年12月16日 

 

2021年12月16日、ヴィアティン三重クラブハウスにて樋口靖洋新監督の就任記者会見が開催された。

三重県出身、四日市中央工業を卒業し日産自動車サッカー部(横浜F・マリノスの前身)に進み、J1・J2・J3のさまざまなクラブでの指導経験を持つ名将の就任とあって多くのメディアが詰めかけた。(樋口監督の経歴は先日の公式発表ページ参照)

「J3に昇格すること。主体的かつ攻撃的なサッカーで、ヴィアティン三重のスタイルを構築する。」

はっきりとそう言い切る樋口監督。所信表明でも質疑応答でも主体的であることがどういうことか、どのように攻撃的なサッカーを目指すのか、その言葉を繰り返した。自身の著書「現役Jリーグ監督の指導哲学」にも記されているとおり、選手の主体性を大切にすること、ボールを保持して攻撃的であるサッカーを貫くこと。それが選手の躍動感に繋がり、ファンやサポーターを魅了するサッカーに繋がると、ポジティブな言葉と表情で伝えた。

総合型クラブ・ヴィアティン三重の理念やビジョンに共感した点や42年ぶりに戻る地元三重への想い、60歳での新たなチャレンジなど、非常に興味深い話が続き、立て続けに質問が飛ぶ様子からも記者やメディアの期待を感じさせる会見となった。

 

樋口新監督・所信表明

 

この度、ヴィアティン三重トップチームの監督として指揮を執らせていただくことになりました、樋口靖洋です。高校卒業以来、42年ぶりに地元三重に戻ってまいりました、よろしくお願いいたします。

今回、就任させて頂くにあたってクラブからはたいへん熱意と誠意あるオファーを頂きました。この機会を与えて頂いたことに心より感謝を申し上げます。いまもまだコロナの難しい状況は続いております。それでも私たちがこうやってサッカーを続けることができています。これもひとえに医療従事者の皆様を始めとするソーシャルワーカーの皆様のご尽力あってのことだと思います。会見ではありますがこの場をお借りして心から感謝を申し上げたいと思います。

コロナ禍にあるこの2年間、私もJリーグのチームで指揮を執る中で「スポーツとはどういう意義があるのだろう。どういう役割があるのだろう。」また「人々の生活においてスポーツは本当に必要なものなんだろうか。」そういったことを問われている2年間でした。そういう中でヴィアティン三重のお話をいただいた時に、クラブが掲げている理念「子どもたちを笑顔に、地域と共に夢と感動を」、これはまさにスポーツの持つ力があってこそできるものであると感じました。またクラブのビジョンである「三世代が笑顔で集う活気ある街を作ろう」これはスポーツの持つ意義であり役割であると思います。この理念とビジョンに感銘を受け、共感しました。それがヴィアティン三重のオファーを受ける最大の理由です。

 

チームの目標はJ3に昇格すること。

これは間違いありません。この明確な目標を持って闘います。毎試合、一試合一試合、勝利を目指して闘うことは間違いありません。ただ、J3昇格だけがゴールではないと私は思っています。その先をしっかりと見据えて闘って行くためには「チームのスタイル」を作り上げ、積み上げ確立していくことがチーム、クラブの発展に繋がっていくと考えています。また、それがグラブの理念を体現する、実現していくことだと強く思っています。

「サッカーの本質、魅力とはなにか?」そう問われたときに私は「主体性」であると思っています。その主体性を重んじてアグレッシブで攻撃的なサッカー、そんなスタイルを作り上げていきたいと思っています。選手が活き活きとプレーすること、つまりこれが躍動感です。チームが集中し、ひたむきにコレクティブ(集団的・組織的)に闘う、そういうチーム、これが一体感だと思います。この躍動感と一体感を選手たちがピッチで表現するそういうチームになることがJ3昇格という目標を達成することに繋がると思っています。

 

私はこれまでにJ1からJ3までいろんなチームで監督として経験を積ませて頂きました。ただ、JFLの監督としては初心者です。そしてこのJFLというのは非常に厳しく、難しいリーグだと捉えています。ただ、今年で60歳になったのですが、60歳を迎えてこういった新たなチャレンジができることに、自分自身がいま非常にワクワクしています。この難しい課題に対してチャレンジすることで、ぜひ三重県にJリーグを、そして三重県のサッカーを盛り上げるためにはヴィアティン三重が象徴である、そう言って頂けるようなクラブになっていく一歩目を踏み出せればと思っています。

ファン・サポーターのみなさま、そしてスポンサーのみなさま、またホームタウンのみなさま、ヴィアティン三重に関わる全ての方々と力を合わせてこの一年を闘って行くことが大切だと思っています。ぜひ、共に闘い歩んでいただければと思っております。

がんばります!ぜひ、よろしくお願いします。

 

ヴィアティン三重 後藤社長 コメント

 

今シーズンはシーズン途中で前GMの山本が監督になり、山本とは今シーズンだけということでもともと決まっておりましたので、シーズンが終わる前から来季の監督を誰にするのかという調査として動き始めていました。いろいろな候補者、クラブとしてこの人が良いのではないかというだけではなく、実績のある方からの申し出・希望も何人かございました。また、以前より地元三重県出身の樋口監督のことは存じ上げ拝見しておりましたので、遅かれ早かれどこかでご一緒できればと思っておりました。そして実のお兄さんである樋口士郎さんがヴィアティン三重のアカデミーの方でご活躍を頂いておりますので、これもご縁だなと感じました。JFLというアマチュアのチームではありますが一度お願いをしてみたいと思いお声がけさせていただきました。

もちろんみなさんがご存知の通り、過去には横浜F・マリノスで天皇杯優勝など多くの実績を残していらっしゃる名将ですので、我々アマチュアクラブに来て頂ける可能性は非常に低いだろうと、そう思いながらお声がけしたのですが、地元三重県出身の方ですので唯一我々のメリットと言いますか、強みというのは地元のチーム、三重県のチームであるということでした。それでいろいろとお話をさせていただいてクラブの方針や考え方、理念などいろいろなことをお伝えしました。最終的にご決断頂いた時には、その理念や考え方への共感していただいたこともありましたし、地元への恩返し、三重県サッカーの発展のためにお力を発揮していただくことができる、そういったことが決め手になったのだと思っています。

クラブとしては、公式戦で1試合でも多く勝利を重ねたいわけですが、市民クラブとしてはそれだけではいけない。ホームタウン活動などさまざまな活動が関係してきます。コロナ禍においてでも可能な限りファンサービスを行う必要もあります。そういったクラブの方針にも樋口監督がご理解いただき、ご決断いただけることになった、そんな経緯でございます。

 

樋口監督の下には和波コーチ兼スポーツダイレクター、トレーナー、主務など地元出身のメンバーが増えました。ヨーロッパでもスペイン・バスク地方のビルバオのように地元出身者で固めているクラブもあります。100%地元出身者で構成することは難しいと思いますが、地元出身者が増えることで地域のお客様が関心を持っていただくきっかけにもなります。樋口監督の学生時代のご友人の方々からも早速応援の言葉をいただきました。地元出身監督の起用というのはクラブにとってプラスに働くことだと思っております。

新入団選手の発表も始まっておりますが、継続してくれた選手たちと新入団選手らを融合させて、開幕に向けて1月の中旬から練習をスタートする予定をしております。

実績のある方が監督になった、それで簡単に強いサッカーチームが作れる、そんな単純なものではないことは承知しております。地域のみなさんからのご期待は強くなってきていると思いますが、じっくりと時間をかけて「ヴィアティン三重のサッカースタイル」の土台・基盤となるものを樋口監督には作り上げて頂きたいと思っています。それが先々、アカデミーや育成年代の方にも展開して頂けるような、そんな期待を樋口監督にお伝えしました。

3月からJFL開幕となりますので、それまで楽しみにお待ちいただければと思っております。

 

質疑応答

 

 

VTM:樋口監督に質問です。先ほど、選手の主体性を大切にし、チームのスタイルを確立していくと言われました。このJFLを闘っていくためにヴィアティン三重をどんなスタイルのチームにしていきますか?

樋口監督:まず、JFLというリーグで勝点を取らなければならない。その中では勝点を拾っていくような試合も当然必要だと思っています。ただ、そういう試合だけを続けていたらその先がないと思っています。やはりサッカーの一番の魅力は、自分で判断しそれを実現できる。そこに一番の面白さがある。その判断が見ている人たちの思いもつかないようなもので素晴らしい技術をもって表現されることに驚きや感動が生まれる。そういったものを大事にしながら闘っていく。その中でも守備的なサッカーと攻撃的なサッカーのふたつに分けるとすれば、やはり私は攻撃的なサッカーこそが主体的なサッカーだと思っています。ボールを握って、ボールを握るためにはボールを奪う、そのためにはいわゆるリアクションの守備をするのではなく、アクションを起こす守備をする。アクションを起こして攻撃する。そういう主体的なサッカー、それが攻撃的なサッカーに繋がっていくと思っています。

本当に難しいと思いますが、勝点をとっていく上で時には守備的にやることもあるとは思います。ただその中で自分たちのスタイルを見失わない、そこをブラさずに闘って行くことが大切だと思っています。

 

VTM:JFLは非常に難しいリーグだと言われました。どの部分にどのような難しさ、Jリーグとは違う難しさがあると感じられますか?

樋口監督:まずひとつはJ昇格を目指すチームがあり、あるいはアマチュアとしてJFLを頂点としているチームがあり、目的が違うチームが混在していますよね。当然目的が違う中でも優勝を目指して戦っていく上で、その手段が異なってくると思っています。正直なところまだたくさんのJFLをの試合を見たわけではありません。このお話を頂いてから、ヴィアティン三重の試合を中心に6〜7試合見ました。その中で、勝つためにはいろんなことをやるチームがあるなとか、あるいはHonda FCさんのように非常に能力の高い選手が多く居て、すごく主体的なサッカーをしているチームもある。またはノーリスクでサッカーをしているチームもある。JリーグであればJ3の次はJ2昇格、その次はJ1昇格と全てのクラブに明確な目標がある。一方、JFLではそれぞれが自分たちのクラブの目的・目標を持っている。そこが難しさであり、厳しいところだと感じています。

 

記者:J3昇格がゴールではない、そう言われましたがその先の目標とはなんでしょうか?

樋口監督:J3昇格を実現した次はもちろんJ2へ、そしてJ1を目指していくということです。J3に上がったら終わりということでは選手たちの未来もないですし、クラブとしての発展もありません。そこをゴールにして闘うのではなく、大きく目標を言えばACLに出場してアジアでチャンピオンになる。それぐらい壮大なプランをもってやっていく。そうすればいま何ができるのか、いま何をすべきなのかがわかってくると思います。

 

記者:攻撃的なサッカーを目指す上で、川崎フロンターレのようにボールを保持して攻撃していくスタイルもあれば、しっかりと守って堅守速攻といったスタイルもあります。樋口監督はどのような攻撃的なサッカーを目指していくのでしょうか?

樋口監督:サッカーは点を取り合うスポーツです。その中では当然良い守備が必要になってくる。点を与えない。ただ自分たちがボールを持っていなければ攻撃はできないわけですので、自分たちがボールを握るサッカーをまず目指したいと思います。言い方を変えればおっしゃるように川崎のようにしっかりとボールを動かすことによって自分たちが主体的にやる、それがひとつの理想です。もちろんそこを目指してやっていく中で良いボールの奪い方をした時にはカウンターを仕掛ける。それは当たり前のことです。ゴールを目指す、得点するためにポゼッションがある、得点のためにカウンターがある。それを使い分けていくことが大切だと思います。相手よりもたくさんボールを握り、試合を支配する。それが攻撃的なサッカーだと私は思います。

 

 

記者:コロナ禍が続き暗いニュースが多い中、樋口監督が三重に戻りヴィアティン三重で指揮を執ることは地域のみなさんにとって非常に明るいニュースだと思います。地元の皆さんへのメッセージや地元に戻ったことの想いなどお聞かせください。

樋口監督:18歳で四日市中央工業高校を卒業して42年間、関東やいろんな場所で多くの経験を積ませていただきましたが、やはり外から見ていても三重県にJリーグのチームがないというのは本当に寂しい想いでした。四中工だけではなくいろんな高校を卒業した良い選手が輩出されていますが、その県にJリーグチームがないというのは非常に不思議であり残念なことでした。いろんな経験をさせていただく中で、いつかは地元で監督をあるいは指導者という形で貢献できたらという思いをずっと持っていました。そういう意味でも今回声をかけていただいて、理念に共感しこのような場をもらった。そのことに非常に感謝していますし、力になりたいと強く思っています。ただ、簡単なことではないというのも強く感じています。

私が魔法の杖を振るだけで魔法をかけてチームを強くすることはできません。やはり選手と、スタッフと、クラブの職員の方々と共に力をあわせて、そしてファン・サポーター、スポンサーや地域のみなさんの支援を頂いて初めて実現できることだと思っています。その中で自分が持っているこれまでの経験を少しでも伝えながら、そして選手たちが躍動しないとダメです。活き活きとプレーする、そんなサッカーを見せられたらと思っています。

私自身もワクワクしていますが、ぜひ地元のみなさん、県民のみなさんもワクワクするためにスタジアムにお越し頂きたいと思っています。よろしくお願いします。

 

記者:42年ぶりに三重に戻られ、お兄様・士郎さんと同じような想いを持って仕事をされることと思います。その想いやお兄様と何かお話になられたことなどあればお聞かせください。

樋口監督:兄に限らずサッカー界というのは非常に狭いもので、いろんなチームを渡り歩いてきましたが「ここでまた出会うのか」ということがよくあります。ヴィアティン三重にも坂井将吾という選手がおりますが、彼は私がモンテディオ山形で初めて監督をやったときに山形に在籍していました。そしてまた今回こうやって15年ぶりに一緒にやることになりました。本当にサッカー界は狭いなと感じています。たまたま兄とこうやって同じクラブで仕事させていただくことになりましたが、兄が居たからということではまったくないところで声をかけて頂きました。とはいえ私は兄の影響でサッカーを始めましたので、そういう意味では兄がサッカーをやってくれていたおかげで今があるわけですし、こうやって三重県サッカーの発展に兄弟で関わることができることを嬉しく思います。父も母ももう亡くなっていますが、もし生きていたらとても喜んでくれただろうなと思ったりもします。三重県サッカーの発展に少しでも尽力できればと思っています。

具体的な話はあんまり兄とはしてません(笑)「がんばれよ!」「がんばるわ!」それぐらいですね(笑)

 

 

 

記者:総合型クラブとしてのヴィアティン三重の印象、サッカートップチームの印象を教えて下さい。

樋口監督:まず総合型クラブというのはJリーグのチームでも少ないです。そして日本社会の学校体育を中心にやってきたスポーツ界においても新たな試みであり可能性があると感じています。ヨーロッパではあたりまえのことかもしれないですが、それを三重県の地で始められ、その中心になる存在としてサッカーがある。そしてクラブの理念にもある「地域」のみなさんとスポーツが関わりを持っていただくことができる、それが総合型クラブにできる大切なことだと思っています。

チームの印象ですが、監督のお話を頂いてからヴィアティン三重の試合を6〜7試合見ました。まず率直な印象は、言い方は良くないですが「けっこうできるじゃないか!」そんな印象でした。「けっこうできる」というのは、先ほど申しましたボールをしっかりと握ってサッカーをしたい、ボールを握ることで主体的で攻撃的なサッカーをしたい、そういうことを感じるチームでした。やはりその中に中心となっている選手はいますが、チーム全体としてそういう意識を持ってやっているところに好感を持ちました。これまでにいろんな選手と監督がチームの歴史を作ってきたと思います。その選手たちが作ってきたものがこういう形の土台になっているんだな、そう感じました。そこに私のサッカー観やより主体性を持って攻撃的なスタイルを作っていく。それにはこれまでに積み上げてきて頂いたいろんな功労者の存在も感じることができましたし、みなさんの想いも引き継いでやっていきたいと思います。そういう意味でも非常に将来性を感じるチームだなと、目指すスタイルに持っていけるチームだと感じています。

 

記者:重複しますが、オファーを引き受ける決め手、その想いを聞かせてください。

樋口監督:私はいまちょうど丑年の60歳なんですが、ある友人に言われました。「60歳というのは人生の中で生まれ変わることができる歳」だと。そういう意味では60歳を迎えてまた新たなチャレンジをしなければと、そして60歳という歳になってもまたこれからチャレンジできるというのはとても幸せなことだと感じています。そういう幸せなことを与えていただいたクラブに感謝していますし、とてもワクワクしています。これからの人生を生きていく上でもこの新たなチャレンジに踏み出して行きたいと思っています。このクラブでのJFLという新たなチャレンジは、60歳という区切りの年というのも大きなものでした。

 

記者:三重県にはヴィアティン三重の他に鈴鹿ポイントゲッターズ、そしてJFL昇格を目前にするFC. ISE-SHIMAと3つのクラブがあります。県内で3つのクラブが同じリーグを戦い、Jリーグ昇格を目指すことについてはどう思われますか。

樋口監督:Jを目指すチームが県内に3つある、ひとつにまとまって目指した方が良いのではという意見もあるかと思いますが、私はそれぞれのクラブの良さ、持ち味を活かしながら切磋琢磨して成長していくという良さがあると思っています。鈴鹿には鈴鹿の良さがあり、FC. ISE-SHIMAにはまた違った良さがある。そしてヴィアティン三重は総合型クラブとして土台を築きながら成長していく。お互いに切磋琢磨しながら伸びていき、将来的にどうなるかはわかりませんが、先ほども申しましたようにヴィアティン三重が三重県を象徴するクラブになっていく。いまはその過程の時期だと思っています。

 

記者:いままさに選手の更新や新加入情報が発表されているところですが、継続契約、新加入、その他補強に関して新監督の考え・意向はどれぐらい反映されているのでしょうか?

樋口監督:私が正式に契約させていただいた段階で、和波スポーツダイレクター・強化担当と一緒に話をしています。今いる選手で残って欲しい選手、絶対に必要な選手、このポジションは層が薄いんじゃないか?そういった話をしています。とはいえ選手に判断する権利があるわけですので、退団される選手もいれば新たに加入してくれる選手もいる。それをまさにいまチームの編成をやっている状況です。私の考えがどれだけ反映できるのかはハッキリ言ってわかりません。望む選手が残ってくれることもあれば出ていくこともありますし、獲りたい選手が獲れる事もあれば獲れないこともある。その中で私がやらなければならないのは、適切な言い方ではないかもしれませんが、与えられた選手といいますか、ヴィアティンでやろう!という気持ちのある選手をチームとしてしっかりと機能するものにしていく。それが私の仕事であると思っています。

 

記者:将来性を感じられるチームだと言われましたが、それを踏まえた上で課題はどこにあると思いますか?

樋口監督:先ほど歴代の監督や選手たちが積み上げてチームをしっかりと作ってきたという話をしましたが、まだまだ揺れ動いているところがあると思います。チームの将来を見据えてスタイルを作っていく必要があり、言い換えればクラブのスタイルを作る必要がある。クラブがどんなスタイルのチームをよしとしてやっていくのか。それを明確にしていく必要があると思います。そういう意味でも将来を見据えて「ヴィアティン三重はいつもこんなサッカーをするんだよな」「こんな選手がいつも出てくるんだよな」といったような評価をもらえるような、チームをまず作ること。その土台ができればそのサッカーに魅力を感じてくれる選手が増えてくると思います。それによってチーム力は上がってくると思いますし、再三申し上げています「三重県サッカーの象徴」になり「三重のサッカーって面白い!」と言われる存在になることができればもっともっと発展していく。そこが課題というか、土台を作るスタイルの構築、これが第一歩だと思います。

 

 

VTM:後藤社長に質問です。樋口監督を迎えられてこれまで指揮されていたJクラブとは指揮する環境や体制が大きく違うことと思います。樋口監督の就任に際してコーチングスタッフの増員などは予定されていますか?

後藤社長:以前からゴールキーパーコーチが不在でした。獲らなかったわけではなくて、探して、探して、探し続けていたけれども、過去にお話させていただいた方もいたのですがなかなかご縁が合わず…結局不在のままGKの3人には負担をかけてしまっていました。いまいろいろ話しをしているところですので、早くまとまることを願っています。GKコーチは必ず獲得したいと思っています。ヘッドコーチを入れるかどうかに関して、和波コーチの負担を減らす、監督の負担を減らす、それについても樋口監督とはお話をしました。限られた予算の中でクラブを運営していますし、「もともと限られた人員でやることで腹をくくってます」と樋口監督にもおっしゃって頂きました。それでも必要ではないだろうかとお伝えしましたし、お声がけした方がいたのですが、ほんのわずかの差で今年の契約が間に合わなかったので、その方とご縁があれば一年後にコーチとしてお迎えしたいと思っています。今のところ必ず獲得に向けて動いているのはGKコーチ、ヘッドコーチをどうするかは流動的、そんな状況にあります。

 

 

新チームの始動は2022年1月中旬、もうすでにワクワクが止まらない。今は継続選手の発表・新加入選手の発表を楽しみながら2022年の到来に向けて準備しよう。