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2022開幕直前インタビュー!副キャプテン・野垣内俊 選手
2018年にヴァンラーレ八戸からヴィアティン三重に移籍、今年で5年目のシーズンを迎える野垣内俊。地元三重県四日市市出身、2009年に四日市大学からFC岐阜に加入、J2で206試合に出場したキャリアを持つ。
J3昇格を視野に入れて故郷に戻ってきた野垣内だが、クラブは昇格に必要な条件(百年構想クラブ認定、J3ライセンス取得)を手にしながらも、2020年、2021年と昇格を果たせないままシーズンを終えることとなった。彼が過ごしたここまでの4シーズンはチームとしても難しい期間だった。昇格のプレッシャー、誰も経験したことがないコロナ禍、最終節まで昇格の可能性を残しながらの敗戦、勝点を重ねられずシーズン途中での監督交代。
自分の力だけではどうにもできないことも多かったとは思うが、思うような結果を残せなかった責任を強く感じている選手のひとりである。チーム最年長のベテラン、今年36歳になるアツい男は、悲願達成を目指して今シーズンも闘う。
野垣内俊 選手・開幕直前インタビュー
VTM:新チームが始動して2ヶ月弱、開幕を1週間後に控え、チームの雰囲気はいかがでしょうか?
雰囲気はとても良いですよ!樋口監督は選手の考えを尊重しながらポイントだけおさえて「ここはこうやってくれ」とシンプルにわかりやすく言ってくれます。そして言われたことができていない時は実際にボールが回らなくなります。はっきりしているのでとてもやりやすいです。やはりフィールドに立っている選手たちでやれないと勝っていけないと思いますし、監督にあれこれ言われてもプレーするのは選手たちなので、選手たちもそういう意識を持って取り組めていると思います。
VTM:監督の要求はレベルが高いものが多いですか?
いえ、基礎的なことがほとんどです。トレーニングでもボールを蹴る、止めるといった基礎的なものが多く、ゲーム形式の練習ではどこでボールを受けるとか、練習の「質」の部分にこだわりを感じます。新体制発表会のときにも言われてましたが、個々の選手が上手くなればチームが強くなるという言葉について「なるほどな」と練習の中で感じながらひとりひとりのレベルアップを意識してトレーニングできています。
VTM:練習時間も昨年より短くコンパクトに凝縮されている感じがしますね。練習が短いことで良い点、悪い点があれば教えて下さい。
そうですね、僕としては良い面ばかりです。基本的に練習は90分間。最初にボールフィーリングをやり、基本的な技術が上手くなるための《止めて・蹴る》をしっかりやった後、監督が準備しているその日のテーマ・課題に沿ったメニューをこなすといった流れです。
VTM:ということは、ここまでのトレーニングはとても充実していると言えそうですね。
はい、とても充実しています。
VTM:樋口監督に関して、ひとことで言うとどんな人物でしょうか?
ひとことで…「気さくな監督」です。話しやすいですし、難しい言葉を並べて伝えるのではなくて、わかりやすく話してくれます。「こうすればどうか」というのをストレートに言ってくれる。あとは選手ひとりひとりが持っているイメージややりたいことを尊重してくれます。
僕が今までに出会った監督の中でも一番と言っていいぐらいサッカーがやりやすく感じています。そして今後自分が指導者になった時のことを考えると勉強になるところが多い監督ですので、そういった部分でもとてもいい勉強をさせてもらっています。
VTM:野垣内選手個人としては、いま求められている役割において手応えを感じていますか?
今のところ去年よりコンディションが良くて、良く動けています。去年は試合が始まってスタートで怪我をして、そこから出場できない時期がありました。トレーニングマッチも無くてコンディションを上げられずに上手くいかないことが多いシーズンでしたが、今年は今のところとても良い感じで上がって来ています。
VTM:次は新キャプテン・谷奥健四郎選手に関する質問です。ヴィアティン史上、新加入ですぐに新キャプテンに就いたのは谷奥選手が初めてだと思います。「健四郎スゲーな!」みたいな印象をもった部分はありますか?
確かに初めてですね(笑)年齢は自分より6歳下なんですが非常に落ち着いてますね。いろんな場面での受け答えがしっかりしていますし、いわゆるキャプテンらしい存在感を見せていると思います。
VTM:今シーズンは8名の新加入選手がいます。新加入選手でプレー面、キャラクターも含めて「この選手は面白いな、気になるな」という選手はいますか?2名挙げてください。
ひとりはアメ(㉗雨宮広夢選手)ですね。若くてアジリティが素晴らしい。ちょこちょこと細かな動きができて技術面がしっかりしている印象です。JFLに来て、大学サッカーとは違って年齢の幅も広く、求められる能力も変わってくるので、そこに慣れることができればどんどん成長できると思います。
もうひとりはタムショー(⑩田村翔太選手)ですね。とてもスピードがあって、僕らパスの出し手としてはすごくパスを出しやすい動き、ポジショニングをしてくれます。少しパスが長くなってしまってもスピードでカバーしてくれるので頼りになります。キャラクターもとても良いですしね。その2人が特に気になりますね。
VTM:J3昇格を掲げてはや数年…まさしく今年こそ昇格を果たしたい、それこそがみんなの願いだと思います。今年36歳を迎える野垣内選手が考えるチームでの自分の役割を聞かせてください。「必ず昇格します!」という言葉だけではなく、その向こうへ一歩踏み込んだ言葉を聞かせてください。
ここ数年は毎年役割が大きく変わっているわけではなく、年齢が上でポジション的にもチームのバランスを取りながら引っ張る役割だと思ってやっていますが、今年36歳という年齢になってもまだ「Jリーグでプレーしたい!」という気持ちはずっと強く持ち続けています。
そして自分の中にはサッカーをやっていて、アツく燃えるものがまだまだあるので、それをピッチ上で出していきたいです。毎年若手が多くなってきますが若手だけに任せるつもりもありませんし、誰よりも試合に多く出て結果を出したい。常に自分が一番目立ちたいと思っているので。
そういう姿勢を日頃のトレーニングでも、日常生活でも出しながらチームを引っ張って行くことができたらと思います。
VTM:お話を伺っているとその表情から、言葉からとても充実しているものが伝わってきますが、今季から特別に新しく始めたことは何かありますか?
特にないですね。今でもいい状態を保つことができているのは、栄養バランスをしっかりと考えてくれている妻の手料理。これはめちゃくちゃ大きいです。若い時は不摂生がひどかったので、今はそこで本当に助けられています。
VTM:この時期に野垣内選手の話を聞くことができて、そしてその充実した表情を見ることができて良かったです!今日はありがとうございました、今シーズンも怪我なく頑張ってください!
はい、ありがとうございます!今年もよろしくお願いします(^^)
野垣内選手といえば、良い時も悪い時も試合に出られていない時でも、声をかけると気さくに明るく答えてくれる存在として頼りにしている。含みのない言葉で自分自身の状況、チームの状況を話してくれる存在だった。しかし昨シーズンの序盤はそんな彼でさえ、曇った表情で言葉を選びながらチームの難しい状況を語っていた。ネガティブな表現にならないよう気を配りながら。
新チームがスタートし、練習中はもちろん、インタビューの場でもとにかくハツラツとしていた。僕らが知っているノガシュンが戻ってきたと感じた。そして樋口監督のトレーニングに手応えを感じ、そこにフィットする自分自身にも手応えを感じていると話してくれた。練習では率先して声を出してチームを活気づける。
若い選手ばかりが増えてくる年齢にはなったが、ヴィアティン三重を昇格させ、再びJリーグの舞台でプレーしたいという情熱を燃やし続けている。誰よりも活躍して誰よりも目立ちたいと語ったその表情は、サッカーが楽しくて仕方ないサッカー少年そのものだった。
樋口監督は言う「選手が楽しそうにサッカーをしていないと、その面白さは絶対に伝わらない」。それを体現し、僕たちを最もワクワクさせてくれるのは、チーム最年長・ノガシュンかもしれない。
2022 JFL開幕戦 3/13 日 vs ホンダロックSC
- 第24回 日本フットボールリーグ 開幕戦
- 試合日程:2022年3月13日(日)
- 対戦相手:ホンダロックSC
- 試合会場:朝日ガスエナジー東員スタジアム
- 開始時間:13:00キックオフ