NEWSヴィアティン・マニア / トップチーム
94分の同点劇、高知を相手に悔いが残る勝点1
JFL第7節は5/1の試合が日程変更となり5/11(水)に開催された。急遽決まった平日開催にも関わらず、三重(県外からも)からアツいサポーターが駆けつけ、雨が降るなか試合前恒例のダンマク張り。大事な一戦を前にその光景を目にした選手たちの気持ちが高まる。この試合に勝てば勝点13で暫定単独2位に浮上できるとあって期待がかかる。
強行日程で行われた試合にも関わらず、序盤から終始圧倒。しかしながら何度も何度も相手ゴール迫るもののゴールネットを揺らすことができないヴィアティン三重。82分にカウンターからのワンチャンスでスーパーゴールを決められ先制を許す。そこから怒涛の猛攻でたたみかけるヴィアティン三重。そして後半アディショナルタイム90+4分、左サイドの㉕藤澤があげたクロスを強烈なシュートでねじ込んだ⑩田村翔太、ギリギリのところで追いつきドロー。チャンスを多く作っていただけに勝点2を落とす惜しい結果となった。
第24回JFL第7節・試合結果
高知ユナイテッドSC 1-1 ヴィアティン三重
(前半0-0:後半1-1)
- 82分:⑨赤星魁麻・高知ユナイテッドSC
- 90+4分:⑩田村翔太・ヴィアティン三重
前半・鮮やかなワンタッチプレーでチャンスを作るがゴールは奪えず
試合前まで降っていた雨が上がり、やや湿度が高い春野運動公園陸上競技場。大型ビジョンが設置され、素晴らしいピッチコンディションの中、高知ボールでキックオフ。ヴィアティン三重のメンバーは前節退場した⑤菅野を除き、先日の鈴鹿ポイントゲッターズ戦とほぼ同じ。不在の菅野にかわって⑪早坂翔がスタメン出場。
延長まで含めて120分走り続けた先日の鈴鹿PG戦から中2日、陸路での移動で疲労が残るのか、やや動きが重い選手たち。ゆったりとしたペースで試合が始まる。ボールを握りながらもアクションは少なく、パスの出しどころを探す仕草が目につく。「テンポを上げろ!!」樋口監督から大きな声が飛ぶ。そして5分、センターバック④寺田が相手選手との接触で顔面を負傷しピッチの外へ。必死に止血を試みるがやむを得ず交代、急遽③穂積が入る。その後も厳しいタックルが続き、怒号が飛び交うやや荒れた空気に。
序盤の流れから徐々にボルテージが高まる選手たち。少し汗をかいてからみるみる動きが良くなる。22分、右サイドから⑮田宮⇒㉗雨宮⇒⑮田宮とワンタッチで繋いで最後は⑩田村にスルーパス。⑩田村がシュートを放つが相手DFに当たりゴールならず。
2022JFL第7節vs高知ユナイテッドSC ハイライト📹①
立ち上がりから攻勢を仕掛けるヴィアティンは前半22分⏱
寺下からのロングボールを田宮・雨宮がワンタッチで繋ぎ、最後は抜け出した田村へスルーパス‼️しかし田村のシュートは相手DFに当たり惜しくも枠をかすめた💦#田村翔太#ハイライト#JFL pic.twitter.com/dD1LlOtAML— ヴィアティン三重 【公式】⚽5/21(土)vs.FC大阪(5/15代替日) (@Veertien_TSC) May 11, 2022
続く23分、左コーナーキックから⑯橋本がニアに上げ②谷奥が走り込んで頭で合わせる。完全に枠に飛んでいたが相手GKが良い反応を見せ弾かれる。立て続けにチャンスを作りさらにじわじわと相手を圧倒し始める。
2022JFL第7節vs高知ユナイテッドSC ハイライト📹②
田村のシュートからコーナーキックのチャンス前半23分⏱
キッカー橋本の低い弾道対し、ニアに走り込んで来たのはキャプテン谷奥🦁‼️狙いすましたヘディングシュートだったが、キーパーの手をかすめゴールバーに弾かれる😭#谷奥健四郎#ハイライト pic.twitter.com/pzc5PnUSRk— ヴィアティン三重 【公式】⚽5/21(土)vs.FC大阪(5/15代替日) (@Veertien_TSC) May 11, 2022
さらにヴィアティン三重の攻撃は続き30分、右サイドで⑪早坂⇒⑮田宮と繋いで⑩田村へ、そのまま田村がシュート、しかしGK正面。好調の⑮田宮、ワンタッチプレーとラストパスが冴える。38分、相手ボールを奪った⑦森主から⑩田村へ、積極的に田村がシュートを狙うがこれもGK正面。テンポの良いパスワークと相手のプレスがかかるまえに素速く展開するサッカーで相手を翻弄する。樋口監督が目指す、いわゆる「ボールを握るサッカー」を見せる場面が増えてくる。
続く45分、㉘寺下から前方の⑩田村へパス、落として㉗雨宮が拾い再び⑩田村に預けてシュート。相手DFにあたりゴールは決まらず。しかしルーキー㉗雨宮が鈴鹿戦に続いて良いプレーを随所に見せる。素速い判断で相手の守備を崩す。また、シュートで終わることでコーナーキックの回数も増え相手ゴールへの圧力を高めていく。
46分、ピッチ中央でボールを受けた㉘寺下がドリブルで運び⑩田村とのワンツーで展開、右に待つ⑮田宮へ預けるとゴール前へ愛情たっぷりの優しいクロスを放り込む。そのボールは相手DF3人の頭を超えて中央に走り込んだ㉗雨宮広夢にドンピシャ。162cmの雨宮、完璧なタイミングで合わせたが完璧すぎてやや硬さが出てしまったのか、ゴール左に逸してしまう。前半終了間際にこの日最大の決定機を迎えた。
2022JFL第7節vs高知ユナイテッドSC ハイライト📹③
なおも攻撃の手を緩めないヴィアティンは前半46分⏱
寺下が運び、右サイドを駆け上がってきた田宮に展開⚽️💨田宮がふわりと浮かせたボールは中央で待つ雨宮へ✨
狙いすましたヘディングシュートだったが惜しくも枠を捉えることができず😭#雨宮広夢 pic.twitter.com/RyVqmotbmk— ヴィアティン三重 【公式】⚽5/21(土)vs.FC大阪(5/15代替日) (@Veertien_TSC) May 11, 2022
後半・攻勢を続けるが一瞬の隙に失点、そしてギリギリで追いつき勝点1をもぎ取る
ハーフタイムに⑪早坂に代わって⑨大竹を投入。決めきれない攻撃にさらに厚みを持たせる。前から⑨大竹、⑩田村がプレスをかけて相手をビルドアップの段階から崩しにかかる。そのプレスのおかげで中盤でボールを回収、一気に前に運んでゴールに迫る。攻撃は繰り返すものの決定機までは至らず得点は生まれない。ヴィアティンの攻撃する時間が多く、相手選手のほとんどは自陣に下がり攻撃はカウンター狙いに絞られてくる。
やや流れが停滞した時間帯の53分、最終ラインでボールの処理に迷った③穂積からGK①森にバックパス。そこを相手FWに狙われてピンチに。①森から戻したボールを奪われてシュートを打たれる。しかし㉘寺下が全力でゴールのカバーに入り身体を投げ出して弾き返す、さらに②谷奥が掻き出す。ほんの一瞬の迷いから危ない場面を迎えるがチームメイトのサポートで凌ぐ。そのあとも同じような場面があり、少し流れが悪くなったかと思われたタイミングで㉘寺下・㉗雨宮に代えて⑰野垣内・㉟寺尾を投入、流れを呼び戻しにかかる。
ここからまたヴィアティン三重の猛攻が始まる。68分には左CKに⑨大竹が頭で合わせるが惜しくも枠の外、惜しい。そして㉟寺尾が入った右サイド、⑮田宮との縦関係から何度も相手陣地の深いところまで入り込む。そしてコーナーキックのチャンスを度々掴む。しかし相手DF陣の高さとフィジカルが強く、簡単には押し込めない。
そして迎えた80分すぎ、相手ゴール前での連続攻撃のあと相手がボールを保持する時間を迎える。連続攻撃が実らない疲れからか一瞬ふわっとした空気が漂う中、相手へのプレスにも行けずに広くボールを回されてしまう。人数は揃っているヴィアティン三重、中央に運んでくる相手を外に追い込み右サイドにボールを運ばせる。しかし寄せる前にクロスをあげられてしまう。そして高知⑨赤星選手のスーパーゴール。③穂積を背負ったまま上体をひねりながら放たれたボレーシュート。試合後の①森建太はシュートが全く見えなかったと語った。
いよいよ窮地に立たされたヴィアティン三重、⑦森主に代えて⑥坂井を投入、前への圧力をさらに高める。スピードの⑩田村、裏への飛び出しの⑥坂井、テクニックの㉟寺尾、高さとパワーの⑨大竹、どんな手を使ってでもゴールをこじ開けたい。⑯橋本、⑮田宮、⑰野垣内から前へ、中へとボールを供給するが時間だけが過ぎていく。そして90分が過ぎる。
右サイドから繰り返し繰り返し攻めていたが94分、中央の⑩田村から左のスペースへ大きく展開、㉕藤澤が受けて深いところまで運んでクロスを上げる。ゴール前には⑥坂井、②谷奥、③穂積、⑨大竹の4人、大外に⑩田村。丁寧に上げられたクロスはゴール前でもつれる選手たちの間を抜けてファーサイドの⑩田村へ。胸でトラップ、そして右足を強烈に振り抜く。相手GKの右足をわずかにかすめたボールは奥にいた相手DFに跳ね返ってゴールに突き刺さった。当初はオウンゴールの判定だったが、田村の強烈なシュートによるゴールに訂正された。
2022JFL第7節vs高知ユナイテッドSC ハイライト📹④
後半1点を失い、なんとか追いつきたい後半45+3分⏱
野垣内→田村→左サイド藤澤へ⚽️💨藤澤からのクロスに大竹が飛び込むもわずかに届かず💦しかし待ち構えていたのは田村‼️渾身のシュートは相手DFに当たり値千金の同点ゴール🏅#田村翔太#藤澤典隆 pic.twitter.com/quCCWRZLj8— ヴィアティン三重 【公式】⚽5/21(土)vs.FC大阪(5/15代替日) (@Veertien_TSC) May 11, 2022
さらに追加点を狙うヴィアティン三重、あと僅かのところで追いつかれた高知ユナイテッドSC、互いに最後まで攻め続ける。最後の最後で決定的なピンチを迎えるが、最後は①森が執念を見せてゴールを守り切り試合終了。全てを出し尽くした両チームの選手たちは濡れたピッチに次々と倒れ込んだ。
2022JFL第7節vs高知ユナイテッドSC ハイライト📹⑤
同点に追いついた終了間際⏱高知の反撃⚡️
ペナルティエリア内でかわされシュートを打たれるも、森がかろうじて触りポストが弾く‼️さらに、こぼれたところを打ち込まれあわやという場面🦁💦しかし森が好反応をみせスーパーセーブ📣#森建太#JFL pic.twitter.com/ycCTuy57sF— ヴィアティン三重 【公式】⚽5/21(土)vs.FC大阪(5/15代替日) (@Veertien_TSC) May 11, 2022
振り返ると数多くのチャンスがあった。樋口監督が振り返ったように(※試合後コメント記事参照)前半だけでも決められる場面はかなりあった。しかし決められない。また、自分たちがボールを握っている余裕なのか緩みからか、一瞬の隙を突かれて失点。ただただ悔やまれる。チーム全体のプレーは確実にクオリティが高くなってきている。樋口監督が掲げる《主体的で攻撃的なサッカー》とはこういうものかと、選手たちのプレーが教えてくれている。チャレンジングな突破や鮮やかなワンタッチプレーで相手を翻弄する様は見ていて痛快だ。しかしサッカーは点を獲るスポーツである。鮮やかなプレーだけで勝利は掴めない。
試合後に何人かの選手と話す時間があった。それぞれが個人として、チームとしての成長を少しずつ感じ、手応えを感じ始めている実感はあるようだった。同時にまだまだ足りていないと口にした。誰がどれだけ結果にこだわれるか。そして選手の中で最も結果に拘る男、キャプテンの谷奥健四郎は自らの不甲斐なさに怒りをあらわにした。キャリアの全盛期に、闘いの場をJ2から敢えてJFLを移した決意。怒りを隠せない表情にその決意の大きさをあらためて感じさせられた。
ゴールを奪うためには、勝利を掴むためには、もっともっと勝負に拘る気持ちの強さが必要だと感じざるを得ない一戦だった。しかし、最後に執念が実を結んだのは、選手たちの強い気持ちがあったから、そして高知まで駆けつけてくれたサポーターの後押しがあったからに他ならない。
全力で闘う選手たちの「あと一歩」を引き出すには、後押しするみんなのチカラが必要だ。次はアサスタで勝利を掴もう。
フォトギャラリー①
フォトギャラリー②
公式記録
2022 JFL第8節 FC大阪戦 代替日程のお知らせ
- 第24回 日本フットボールリーグ 第8節
- 試合日程:2022年5月21日(土)※代替日程
- 対戦相手:FC大阪
- 試合会場:アサスタ
- 開始時間:15:00