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4,710人で作ったアサスタ劇場、三重ダービーで鈴鹿に圧勝!

2022年06月06日 

 

4,710人で埋まったアサスタの客席は笑顔・笑顔・笑顔。ヴィアティン三重のホームスタジアム・アサスタで行われた今季二度目の三重ダービーは4-1で我らがヴィアティン三重が完璧な勝利を飾った。試合を終えた指揮官・樋口靖洋監督は公式会見の冒頭でこう語った。

「まず三重ダービーという素晴らしい舞台、最高の雰囲気を作って頂いたことにまず感謝を申し上げます。これはヴィアティン三重のファン・サポーターだけではなく、鈴鹿ポイントゲッターズ(以下・鈴鹿PG)のファン・サポーターの皆さんにもお越しいただいて、お互いに三重ダービーという闘いを意識し合う中で生まれた結果だと思います、本当にありがとうございました。」※鈴鹿PG戦試合後コメント参照

 

 

ここまで9節を終えて4勝2敗3分・勝点15、開幕3連勝の後は5試合に渡って苦しみながら前に進んできた今シーズンのヴィアティン三重。ここ数試合で少しずつ攻守が噛み合いはじめ、前節ではFC神楽しまねに勝利し2ヶ月ぶりの勝利を飾った。そして迎えた鈴鹿PGとの三重ダービー。セットプレーからの1失点はあったものの、流れの中からは相手に一切チャンスを作らせず、主体的なプレーと躍動感溢れる樋口サッカーで4得点を上げ、満員の観衆を沸かせた。

樋口監督が目指す躍動的で見る人を楽しませるサッカーを体現したこの日、ここまで苦しんだ9試合はこの日のためにあったのではないかと思わせられるぐらい完璧なサッカーを見せて勝利し、2022年6月5日はヴィアティン三重に関わる人達にとって、最高の一日となった。

 

第24回JFL第10節・試合結果

ヴィアティン三重 4-1 鈴鹿ポイントゲッターズ
(前半1-0:後半3-1)

  • 34分:⑳金成純・ヴィアティン三重
  • 60分:⑲三宅海斗・鈴鹿ポイントゲッターズ
  • 77分:⑮田宮碧人・ヴィアティン三重
  • 82分:⑨大竹将吾・ヴィアティン三重
  • 87分:⑨大竹将吾・ヴィアティン三重

 

 

前半・スピード感溢れる展開から⑳金成純の先制弾!

 

東からの風が吹く朝日ガスエナジー東員スタジアム、コイントスで鈴鹿PGが風上を選択して入れ替わり、ヴィアティン三重ボールでキックオフ。スターティングメンバーは前節、久しぶりに勝点3を獲得したFC神楽しまね戦と同じ、サブは⑧澤に代わって㉘寺下が入りほかは同じメンバーで臨む三重ダービー。試合前にある人から「とにかく今週は素晴らしいトレーニングが出来ている」と樋口監督が自信を伺わせるコメントをくれたとの情報が入り、期待が高まる。

立ち上がりから素晴らしく集中できていたヴィアティン三重の選手たち。プレッシャーがかかる舞台にも関わらず、気負うことなく試合に入ることができていた。各選手の出足が速く、鈴鹿PGの選手はボールを受けても息つく暇もなくひとりふたりとヴィアティンの選手が迫ってくる状況に手を焼く。相手が2〜3本パスを繋いだところで必ずボールを奪う状況を作り、セカンドボールへの反応も速い。樋口監督が目指す「ボールを握る」状況がここ数試合で徐々に作れるようになってきており、それがいつもより高いレベルで発揮され序盤から鈴鹿PGを圧倒する。

 

 

立ち上がりの20分、互いに決定機はなく試合が進む。22分、ピッチ中央の左サイドライン際でボールを失ったヴィアティン三重、鈴鹿PGの⑲三宅選手が右サイドから運んで中にクロスを放り込む。㊶栗田選手が頭で合わせるがミートできない。ヴィアティン三重は右サイドから相手陣地に持ち込む場面が多く、㉔池田、㉟寺尾、⑩田村がスピード感を持って連携する。⑤菅野は右に左に自由に動き、タメを作るがチャンスには至らない。27分、CB⑰野垣内が縦パスを入れ⑤菅野が受けて右サイドから前線の⑩田村へアーリークロス。⑩田村が落としたところに⑳キムが走り込んでシュート。良い流れからシュートにつなげたが相手GK正面。ヴィアティン三重のエンジンが掛かり始める。

 

 

31分、ここまで右サイド中心に攻撃を展開していたヴィアティン三重、CB②谷奥から左前方のスペースを走る㉕藤澤へ長いパス。ふたつ切り返しを入れて相手を剥がしクロス。⑤菅野が頭で競るが相手DFがクリア。続く33分、前からプレッシャーをかけて右サイド、相手陣地中盤でボールを奪う。ワンタッチで細かく繋ぎ㉔池田から相手DFの裏に抜け出した⑤菅野へパス。ドリブルで持ち込んだ⑤菅野が強烈なシュートを放ったが相手GKが弾く。セカンドボールを拾った⑦森主が右サイドにはたき㉔池田が高速で走り込み深いところから速く低いボールでクロスを入れる。5人並ぶ相手選手の間を抜けてニアに走り込んだのは⑳キム、ワンタッチであわせて先制ゴールを突き刺した。右サイドから電光石火のスピード攻撃で相手守備陣を翻弄したヴィアティン三重、試合の流れを一気に呼び込んだ。

ゴールを決めた⑳キムはゴール裏サポーター席に駆け寄り熱狂するサポーターに囲まれた。試合後のコメントでは「気づいたらサポーターの方に走っていた」と応えたキム、これもダービーならではの光景。

 

 

 

44分、相手が自陣でボールを回しているところで⑩田村がパスカット、そのまま一気にトップスピードで鈴鹿ゴールに迫る。相手DFに身体を寄せられながらもそのまま持ち込んでシュート。ここは相手GKのナイスセーブに阻まれる。前半のアディショナルタイムは3分、何度かヴィアティン三重ゴール前に持ち込まれる場面を迎えるが鈴鹿PG得意のロングスローにもGK①森が落ち着いて対応し1-0で後半へ。

 

 

後半・1点返されるも怯まず、3点追加で圧勝!

 

後半開始早々の48分、相手ゴール前で⑤菅野、⑩田村、㉕藤澤が細かく繋いで㉕藤澤がシュート、鋭いシュートだったが枠の外、後半最初のチャンスは決められず。57分、左サイドからのスローインを受けた⑯橋本がミドルシュート、相手選手に当たったボールがゴール前にいた⑩田村のところに飛んだがわずかに反応が遅れボールが逸れる、惜しい。

 

 

そして60分、自陣右サイドで鈴鹿PGにFKを与える。キッカーは後半から入った⑦中里選手。低く入れられたクロスに⑲三宅選手があわせてゴール。セットプレーから失点してしまう。2分後に同じ場所でFKを与えるがここは上手く対応しチャンスを作らせない。しかし同点に追いついたこととゲームメイカーの⑦中里選手がボールを握ることで鈴鹿PGが勢いを取り戻す。

 

 

68分、やや停滞していた右サイド㉟寺尾に代えて⑮田宮が入る。俊足を活かしてまずは守備で相手にプレッシャーを掛け続けて相手の勢いを断ち切る。そして飲水タイム、相手に傾きかけた状況を抑えるべく一旦落ち着かせる。再開後、ふたたび前からのプレスを強めて相手にボールを握らせない。

77分、中盤で⑯橋本、⑦森主が激しくプレスをかけボール奪取、パスを受けた⑩田村がドリブルで前に運ぶ。後ろから猛スピードで駆け上がる⑮田宮、相手DF2人の間でボールを受け絡みながら抜け出しそのままシュート!スピード感ある連携と最後のところで相手選手2人を振り切る執念を見せた素晴らしいゴールで再び流れを呼び戻した。

 

 

 

81分、相手のCKからゴール前で危ない場面を迎えるが冷静にクリア、ピンチを凌ぐ。82分、ここまで攻守に奮闘した⑳キムに代わって⑨大竹を投入。その直後、相手DF同士の横パスを⑤菅野がインターセプト、スピードに乗ったまま相手ゴール前まで運びGKと1対1、GKをかわし、相手DFのスライディングをかわしたところで中央に詰めていた⑨大竹へ優しいパス。持ってるルーキー⑨大竹、ピッチに入って数十秒、ファーストタッチでゴールを決めた。

 

 

 

87分、相手陣地で⑨大竹がボールを奪い⑤菅野が受ける、そのままゴール前へ持ち込むが相手DFの人数が多く切り返す。そこで後ろから走り込んできた⑯橋本へパス、そのままシュートを打ったが相手選手に当たってしまう。しかしこぼれたボールは数分前に3点目を決めた持ってるルーキー⑨大竹の足元に飛ぶ。そして⑨大竹は体勢を崩していた相手GKの位置をしっかり確認してシュート。ダメ押しの4点目を突き刺した。

 

 

 

88分、勢いの止まらないヴィアティン三重、そして終盤に入ってもキレキレの⑤菅野、ドリブルで持ち込んで積極的にシュート。畳み掛けるヴィアティン三重。そしてアディショナルタイムは5分、ここからはしっかりと時間を使って試合を進める。得失点差も重要なリーグ戦、不用意な失点は防ぎたいところ。最後まで誰一人集中を切らさないヴィアティン三重、勝利への気持ちはひとつ。AT5分も危ない場面は一切作らず、試合終了。

 

 

4,710人が見守る中、大きな重圧から解き放たれる選手たち。晴れやかな表情で天を仰ぐキャプテン谷奥。それぞれに喜びを爆発させ最高の三重ダービーの喜びを分かち合う。最後はトラックを一周して満員の客席に手を振る。どの場所でも笑顔と拍手に溢れ、大人も子どもも大きく手を振る姿が見られた。

 

 

この街にダービーがある幸せ、フットボールがある幸せ。

 

ここでもまた樋口監督の言葉を借りる。

「ダービーという一戦には色んな人の想いが含まれているものです、私もこれまで監督をしてきて様々なダービーマッチを経験させてもらいました。みちのくダービー、さいたまダービー、神奈川ダービー。その時に感じるのは「想い」なんです。クラブに対する想い、愛着あるチームに対する想い、それをみんなが持っている。その「想い」を感じようと。それを受け止めることができるか?受け止めることができたなら、それに応えようと。自分がダービーを楽しむためには「感じて、受け止めて、応えよう」それをミーティングで最初に伝えました。そしてそのためには自信と勇気と、そしてもうひとつはピッチに立つ「覚悟」をもって今日は闘おうと、それを表現してくれたと思います。」

 

 

日本中にサッカークラブは数多くあるが、ダービーマッチができる街はどこにでもあるわけではない。そのダービーが三重にはある。プロスポーツチームが存在しない三重県において、5,000人近くの観客が一箇所に集まり、ライブスポーツに一喜一憂する。そして老若男女がわが町のチームの勝利に歓喜する。まだ声は出すことが出来ないが、たったひとつのボールがゴールネットを揺らすたびに、日常生活では味わえない興奮、喜び、悔しさを爆発させ、その喜びがまた日常の元気の源となる。

選手たちはそんな「想い」を背負って必死に闘い、その闘う姿を観る人たちが選手たちの背中を押す。他の何ものにも置き換えられないもの、それがスポーツ観戦の歓びだろう。

 

 

そして今季のスローガンとして掲げる「SYMBOL of MIE 〜三重の象徴たれ〜」に相応しいチームとなるべく、この一戦で得たパワーを次に繋げて行く必要がある。また、あの空間の興奮を体感した人が、一人でも多くまたアサスタに足を運んでくれるよう、もっともっとヴィアティン三重の魅力と可能性を伝えていきたい。そして皆でJ3昇格という目標を達成しよう。

この勝利をさらに意味のあるものにするためには、目の前にある次の一戦、MIOびわこ滋賀戦に勝利することが絶対だ。この勢いと手応えをさらに確かなものにしてまたアサスタで闘おう。

 

桑名西高校サッカー部 & ヴィアティン三重ジュニアユース

 

今回のホームゲームのボールパーソン、試合運営のお手伝いは桑名西高校サッカー部のみなさんとヴィアティン三重ジュニアユースの選手たちが務めてくれました!運営準備の前には毎回恒例になった藤牧CCによるメッセージが送られ、最高の三重ダービーにするべく皆んなで元気よく記念撮影!

幸い雨に降られることもなく、三重ダービーを無事に終えられたのは写真には写っていませんが、運営・準備ボランティア「ORANGE+」の皆さんを始めとした多くの人達のおかげです。この場をお借りしてヴィアティン三重に関わる全ての皆さんにお礼を申し上げます!

 

 

フォトギャラリー①

フォトギャラリー②

フォトギャラリー③

 

公式記録

2022 JFL第10節 6/12 日 vs MIOびわこ滋賀

  • 第24回 日本フットボールリーグ 第11節
  • 試合日程:2022年6月12日(日)アウェー
  • 対戦相手:MIOびわこ滋賀
  • 試合会場:甲賀市水口スポーツの森
  • 開始時間:15:00キックオフ