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水曜の夜、ゴールラッシュで大分に大勝

2022年10月20日 

 

JFL第22節、台風の影響により延期となっていた試合が行われた。アウェーでの平日開催、そしてナイトゲーム。前期はホームで敗れている相手、ヴェルスパ大分。8日間で3試合というタフなスケジュールの2試合目となるヴィアティン三重は前節に続く連勝を狙う。

試合は前半の早い時間に動く。前半9分に相手選手が一人退場となり、そのプレーで得たフリーキックを㉒川中健太が直接決める。そこから怒涛のゴールラッシュ。前半だけで5ゴールを上げ、後半も2点追加、一人少なくなっても組織的でパワフルなサッカーを展開する大分を無失点に抑え7-0で勝利。平日の夜に大分まで駆けつけたサポーターたちに価値ある勝利を届けた。

 

 

第24回 JFL第22節・試合結果

ヴェルスパ大分 0-7 ヴィアティン三重
(前半0-5:後半0-2

  • 11分:㉒川中健太・ヴィアティン三重
  • 29分:⑩田村翔太・ヴィアティン三重
  • 30分:㉟寺尾憲祐・ヴィアティン三重
  • 39分:㉒川中健太・ヴィアティン三重
  • 45分:⑲児玉慎太郎・ヴィアティン三重
  • 77分:⑨大竹将吾・ヴィアティン三重
  • 82分:㉘寺下裕貴・ヴィアティン三重(PK)

 

前半・相手に退場者が出たところから怒涛のゴールラッシュ

 

日中は温かい日差しが降り注いだ昭和電工サッカー・ラグビー場だったが、日が落ちて気温がぐっと下がる。今節は⑤菅野、⑦森主を出場停止で欠き、②谷奥も欠場、過密日程を考慮してか㉕藤澤はサブにまわり、㉟寺尾・⑮田宮・⑬高橋・㉘寺下・④寺田がスタメンに入る。ここまでプレータイムが長い選手が4人不在ではあったが、樋口監督は誰が出ても「違う色」を見せてくれると不安はない様子。

大分ボールでキックオフ。同時に前線から⑩田村、㉒川中が厳しいプレッシャーをかける。サイドでは㉘寺下、㉟寺尾が、中盤では⑯橋本がポジションを入れ替えながら相手にプレッシャーをかけ、コースを消して自由にさせない。そして奪ったあとの切り替えスピードがとにかく速い。ワンタッチで出して受けては落として、その連携であっという間に相手ゴールに迫る。強固な守備を誇る相手のDFラインを休ませない。

 

 

そして8分すぎ、自陣の深いところからのフリーキック。蹴るのは⑲児玉。正確なロングフィードを前線に送り、抜け出す田村に合わせる。バウンドしたところで相手DFが処理できず入れ替わった田村が抜け出す。後ろから手を掛けられて倒される田村。DOGSO(決定的な得点機会の阻止)でレッドカード。そしてペナルティエリアのすぐ外でフリーキックを獲得、ボールの位置には㉒川中と㉘寺下、最後にボールの位置を直す川中。そして蹴る。壁の上ギリギリを狙って蹴ったボールは美しい弧を描いてGKの手をかすめることなくゴール右隅に突き刺さった。退場者を出した直後でざわつくスタジアムにヴィアティンの選手たちの雄叫びが響く。大分まで駆けつけたサポーターが湧く。

 

 

 

先制点を奪い、数的優位に立ったが、えてしてこういう状況が試合を難しくすることがある。前節は退場者を出したヴィアティン三重の方が試合を優位に進め、得点を上げて勝利したように。

ここから大分がボールを保持する時間を迎える。丁寧にズラして、大胆なパスでヴィアティンの守備を崩しにかかる。先制点+数的優位で少し気持ちに余裕が生まれたのか、やや圧力が弱まり選手間の距離が離れるヴィアティン三重。「中を閉じろ!!!!!」樋口監督から怒号が飛ぶ。20分、相手にコーナーキックを与える。数的優位にも関わらず、ゴール前で的確に合わさられてヘディングシュート。決定的な場面だったがここはGK①森が抑えて事なきを得る。セットプレーの場面はやや不安を感じる。その後も相手の最終ラインから中盤に鋭い縦パスを入れられ、そのたびに監督からは中を閉じるように声が飛ぶ。④寺田・⑲児玉、そして⑬高橋らが落ち着いて対処し決定的なピンチには至らなかったが相手がボールを保持する時間が続く。

 

 

そして迎えた29分、流れが相手に傾き始めていたが中盤で高橋がボールを刈り取り、寺尾が倒れながら前の田村にボールを出す。受けた田村は素速くターン、一気にトップスピードに乗ってシュート。落ち着いて流し込んで追加点。そしてここから怒涛のゴールラッシュが始まった。

 

 

30分、ピッチ中央でセカンドボールを拾い寺尾がドリブルで相手の守備を切り裂く。相手の人数のほうが多かったが、川中に預けて入れ替わり、さらに追い越した寺尾が密集の中でパスを受けてシュート。流れるような連携から3点目を奪う。

 

 

39分、相手のパスがルーズボールになったところで橋本が拾い高橋にパス、受けた高橋は相手の足が掛かかりながら倒れずに反転、前の田村に出す。田村にパスが出たところで川中が相手DFの間を狙って走りだす。そこへ田村から斜めのパス、受けた川中が落ち着いてシュート。完璧なショートカウンターで相手の戦意を奪う4点目。

 

 

45分、左からのコーナーキック。キッカーは今節のゲームキャプテン・橋本。大量リードでゴール前に人数をかけないヴィアティン三重、ニアへ川中が走り込み、ファーサイドに寺田、中央に児玉。橋本が蹴ったボールは中央の児玉にドンピシャ。相手DFに身体を当てながら頭で決めた。児玉は移籍後初ゴール。5点目。

 

 

 

後半・集中を切らすことなく守り、追加点を奪って完勝

 

ハーフタイム、⑬高橋に代えて怪我明けの⑳金を投入。5点の大量リードでもしっかりと声を掛け合い、球際は厳しく、集中力を切らさない。立ち上がりから相手がボールを保持してゲームは進むが、中央をしっかりと閉じて効果的なパスを入れさせない。ディフェンスラインの背後を狙ったロングボールにも細心の注意を払う。

相手ボールを奪ってからは一気に攻める。大量リードでも攻撃の手を緩めない。自分たちのサッカーの完成度を高め、積み重ねたものを発揮するべく前へ前へボールを運ぶ。サイドからクロスを入れ、中央から突破し、ロングボールで裏を狙い、あの手この手で相手ゴールに迫る。決定的な場面を何度も迎えフィニッシュまで持ち込む場面は多かったが枠を捉えられない。

 

 

64分、前線の2枚を交代、ハードスケジュールを考慮しいつもより早めにベンチが動き⑨大竹、⑪早坂を投入。74分には⑥坂井を投入。アウェーの白ユニ+ナイトゲームとなると2019年の湘南戦を彷彿させ、坂井の活躍に期待が高まる。

 

 

そして77分、交代で入った二人が仕事をする。ハーフウェイライン付近でボールを受けた早坂が前線の動き出しを見てロングボールを入れる。相手DFの背中をとった大竹、アウトサイドでトラップ、ゴールへ流し込んで追加点、6点目。

 

 

82分には寺下がドリブルで持ち込み、エリア左隅で倒されてPK獲得。自ら決めて7点目。

 

 

7点もリードがあれば多少は気が緩んでしまいそうなものだが、ここまできたら何としても無失点で抑えたいもの。その気持ちが守備陣を中心に全員の集中力を高める。最後には相手の執念がこもった強烈なシュートを浴びたが、クリーンシートを達成したいGK森の執念で跳ね返した。そして試合終了。

試合を終えてみれば一人少ない相手に7-0で大勝という結果になったが、出場停止で主力を欠く中、スタートから高い集中力を見せ、躍動感あふれるプレーで相手を圧倒した。相手の退場につながったプレーも、それまでに再三前線から田村、川中、寺尾、寺下が連動して相手守備陣を翻弄していた結果でもある。また、何度か危ない場面はあったが、最後まで集中を切らさずに守りきり、無失点で終えたことも精神的に大きな収穫を得られたことだろう。ただ、試合後に監督が言ったとおり、一人少ない相手にボールを握られた時間もあった。そこは引き続き改善点として対応したいものだ。

 

 

25試合を終え、これで全チームの消化試合数が同じになった。変わらず上位との差は小さくないが、昇格の可能性は潰えていない。望みをつなぐためにも、このまま目の前の試合に勝利し、少しでも長く観ている僕らをワクワクさせてほしい。ここ数試合で見せたヴィアティン三重が目指しているスタイルは着実に積み上がって来ている。それは選手たち、そしてチームとしての自信の積み上げでもある。終盤戦のタフな状況の中、一つでも多くの手応えを貪欲に掴みにいってほしい。

次は3日後、アウェーでのクリアソン新宿戦。樋口監督の言葉を借りるなら、最後に「大きな山」を作るべく、ヴィアティンファミリー全員の力を結集して勝利を掴みに行こう。

 

 

フォトギャラリー①

フォトギャラリー②

公式記録

2022 JFL第26節 10/23 日 vs クリアソン新宿

  • 第24回 日本フットボールリーグ 第26節
  • 試合日程:2022年10月23日(日)アウェイ
  • 対戦相手:クリアソン新宿
  • 試合会場:味スタAGF
  • 開始時間:13:00キックオフ