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歓喜の2,200人、ホームアサスタで高知に勝利!

2022年10月31日 

 

10月の最終週のJFL第27節、土曜日に行われた奈良クラブ vs クリアソン新宿において、奈良が勝利し勝点を52に伸ばした。その結果すでに勝点51だったFC大阪とともに、ヴィアティン三重が残り4試合全勝しても(最大勝点50)勝点で超えられないことが確定、昇格条件であるリーグ4位以内・百年構想クラブ上位2チームをクリアできないこととなり、来季J3昇格の目標は30日に行われる試合前日に潰えた。

大きな目標がなくなったいま、チームは何をモチベーションに闘うのか。試合後の会見で樋口監督は言った、「昇格の目標は潰えたが、ヴィアティン三重の価値を示そう」と強い気持ちでチームを再び奮い立たせた。昇格がなくなったいま、ファン・サポーターは何を目的にチームを応援するのか。詭弁かもしれないが、逆に言うと昇格という目標がなければ応援するに値しないチームなのか。そんなはずはない。

誰もが落胆した気持ちを抱えながらではあったと思うが、クラブもチームも、選手もスタッフも、そして会場に詰めかけた2,200人ものファン・サポーターも、目の前の闘いに集中し熱狂した。JFL27節、これまで一度も勝てていなかった高知ユナイテッドSCに見事勝利。ヴィアティン三重らしいサッカーで、躍動感あるプレーで、サッカーの面白さを会場に来た全ての人たちに伝えた素晴らしい日になった。

 

第24回 JFL第27節・試合結果

ヴィアティン三重 3-1 高知ユナイテッドSC
(前半1-1:後半2-0

  • 15分:⑧西村勇太・高知ユナイテッドSC
  • 44分:⑩田村翔太・ヴィアティン三重
  • 65分:㉟寺尾憲祐・ヴィアティン三重
  • 85分:⑨大竹将吾・ヴィアティン三重(PK)

 

前半・先制されるがエース田村のゴールで追いつく

 

 

気温23.3℃、湿度も低く秋らしい爽やかな気候でアンダーシャツを着る選手もちらほら。西からの弱い風が吹くなか高知ボールでキックオフ。ヴィアティン三重はスタメンを何人か入れ替えた布陣。⑤菅野、⑦森主が外れ⑧澤が今季のJFL初スタメン。(メンバー構成の意図は試合後コメント記事参照)相手がボールを握りながら試合が始まり4分、ピッチ中央で引っ掛けて奪ったボールを裏のスペースに出して寺尾を走らせる。抜け出したが相手DFが戻ってゴール前で潰されるが㉒川中から縦への良いスルーパスでチャンスを作る。高い位置を取る高知の3バックの裏を狙う。

 

 

序盤は高知がある程度距離感をもった陣形からボールを繋ぎ、相手を食い付かせたところから逆サイドを走らせ長いボールを入れる。左右に大きく揺さぶられ走らされるヴィアティン三重。すると中央から間に付ける速いパスを入れてゴールに迫る。前線にはフィジカルとスピードがある⑨赤星選手、気が抜けないヴィアティン三重のDF陣。そして14分、相手の最終ラインから前方へアバウトなボールが入る。⑲児玉と高知⑧西村選手が競り合うがかわされてしまう。最後はゴール前で2対1の状況、④寺田がかわされてシュート、早い時間に失点してしまう。立ち上がり、相手の勢いに押され、また悪い流れか。

 

 

気を取り直して試合再開。前からのプレスをかけ左サイドの㉘寺下、㉕藤澤からチャンスを作る。中央では⑩田村がボールチェイス、㉒川中が少し下がったところで攻撃をコントロール、ボランチの⑯橋本・⑧澤と連携して左右に、前後にボールを動かして相手ゴールに迫る。そして澤から裏のスペースを狙った浮かせたパスが入るがここは寺尾がオフサイド。ここで飲水タイム。

序盤の固さはなくなりヴィアティン三重がボールを握る時間が増える。相手に奪われたあとは球際への意識が高く厳しくボール奪取を狙う。27分、自陣右サイドでのパス交換から㉔池田が左サイド前方へ大きくサイドチェンジ。受けた㉕藤澤からゴール前をねらった斜め前へのパス。川中が落として澤が飛び込む、しかしここはGKがナイスセーブ。28分にも中央から相手ゴールに迫り、こぼれ球を右から池田が中へ放り込む。田村がダイレクトで合わせたがゴール右に逸れる。相手はボックス周辺に8人が引いて守りを固め、簡単には崩せない。

 

 

そのあともヴィアティン三重の攻勢が続くがしっかりとブロックを作って守る高知。ヴィアティン三重はボールを奪われても守備の意識が高く早いタイミングで奪い返す、そこから何度も前へのチャレンジを続ける。

そして迎えた44分、左サイドから㉕藤澤がクロスを入れる。流れたところで寺尾が拾い中へ入れる。クリアされるがまた拾って池田が澤に預け右に出す。また澤に戻して今度は左へ入れる。相手のクリアを橋本が拾って大外の藤澤へ。ひとつ切り替えしたところで中へクロス、川中が相手と競りながら頭で突っ込むが触れず、しかし流れたところへ田村が詰めて同点ゴール!左右の散らしからジリジリと相手ゴールに迫り、前半終了間際に追いついた。

 

 

後半・躍動感あふれるプレーで追加点!

 

後半に入って早々の47分、ピッチ中央でボールを奪い、寺尾がドリブルで持ち上がる、二人を抜き去りゴールに迫りシュート。グラウンダーのボールは枠を捉えていたが相手GKが弾く。早い時間に決定機を作った。ここからヴィアティン三重、怒涛の攻撃が始まる。

50分、相手陣内でボールを繋ぎ相手が守りを固め崩せないと判断、一旦ボールを最終ラインに戻して相手のDFラインを上げさせる。そこから⑲児玉がドリブルで前へ運び、2人目、3人目が動いてワンタッチパスで繋ぎ一気に相手のDFラインの裏まで運ぶ。そして右サイドから田村がクロスを入れる。167cmと小柄だがジャンプ力がある寺尾が跳ぶも届かず、奥に川中が走り込んだがGKと交錯、ゴールは決められなかったが連動性のあるプレーでチャンスメイク。

 

 

59分、左サイド㉘寺下に代えて⑤菅野を投入。63分、右コーナーから澤のコーナーキック、こぼれ球を拾った菅野がシュート、枠を捉えられなかったが連続攻撃で相手を休ませない。そして65分、連動した守備で相手ボールを素速く奪い自陣から攻撃開始。菅野から田村へ斜めのパス、駆け上がる菅野を飛ばしてひとつ外の川中へパス、そして受けた川中がタイミングを見計らってスピードに乗って裏に抜けた菅野へ絶妙なスルーパス!中央ではフリーで寺尾が走る。そして中を見た菅野、ワンタッチで中へ折り返す。そして寺尾とGKの1対1、前に詰める相手GK、しかし寺尾が落ち着いて右隅に流し込み追加点!大歓声のゴール裏サポーター、そしてゴールを決めた寺尾より先に雄叫びを上げる川中。寺尾は両拳を掲げてガッツポーズ、ゴール裏の歓声に、メインスタンドの拍手に応える。

 

 

 

そして後半の飲水タイム、70分に⑩田村⇒⑨大竹、⑧澤⇒⑬高橋、㉕藤澤⇒⑮田宮のに3枚替え。初スタメンの澤は抜群の判断力とボールタッチで中盤でのスピードアップ、展開のバリエーションを生み出し存在感を示した。

 

 

ここから前線の大竹を狙ったロングボールで前掛かりになる高知を走らせる。追加点が欲しい高知、ロングボールを前線に送るがヴィアティン三重のDF陣が落ち着いて対応。寺田の迫力、児玉の上手さでボールを収めさせない。中盤のパス回しには全員がよく走り厳しいプレッシャーをかけ、自由にさせない。ボールを奪うと一気に前へ、77分には川中のシュート。脚がつって枠を外す。その後には寺尾も脚をつり、スタートから走り続ける選手たちに疲労の色が見え始める。

 

 

81分、㉟寺尾に代えて⑪早坂を投入。ラスト10分を切りお互いに最後の力を振り絞ってゴールを目指す。リードするヴィアティン三重、気をつけたい時間帯。高知がヴィアティン三重ゴールに迫るが㉔池田が大きくクリア、前線に残っていた大竹が戻る相手DFを振り切ってゴール前で完全にフリーに。GKと1対1、しかしGKがファールで止めてPKに。持ち味を発揮して相手DFを振り切った大竹、落ち着いてPKを決めて追加点。

 

 

 

3点目を決めたところでスタジアムDJ・川道さんから入場者数のアナウンス「本日の入場者数は2,194人」西日に照らされオレンジ色に光るメインスタンドから拍手が起こる。アディショナルタイムは3分、そして最後まで集中を切らすことなく落ち着いてプレー、2点リードを守りきって試合終了。今季ホームのアサスタでの6勝目を挙げた。

 

 

試合終了のホイッスルが鳴った瞬間、闘いを終えた選手たちがどんな形で気持ちを表現するのかに注目した。素晴らしい勝利を飾ったにもかかわらず、拳を突き上げてガッツポーズをする選手は一人もいなかった。しかし、選手たちの表情から最後まで気持ちを切らさずにやり遂げた充実感が読み取れた。そして選手同士で互いの存在・関係性を称え合うかのように近くにいる選手と次々に硬い握手を交わす。西日に照らされた彼らの姿はなんとも清々しいものだった。

 

 

目標を失った彼らに最後まで闘う意味を示した樋口監督、その意味を理解した上で全力で自分たちの価値を表現した選手たち。そしてそれを引き出したのは紛れもなくスタジアムの雰囲気を作り出したファン・サポーターの後押しがあったから。更には30,000人動員プロジェクトを愚直に続けるスタッフ・ボランティアスタッフの存在も忘れてはいけない。

J3昇格というひとつの目標はなくなったが、30,000人動員するという目標はまだ続いている。そしてチームはひとつでも多く勝利を重ね、過去最高の順位を目指して欲しい。シーズンはまだ終わっていない、最後まで熱狂し続け、僕らの選手が最後まで闘い続ける姿を見届けよう。

 

 

運営サポートは桑名工業高校&津田学園のみなさん

今回のホームゲームは、桑名工業高校サッカー部、そして津田学園高校サッカー部の皆さんでした、ありがとうございました!

 

フォトギャラリー①

フォトギャラリー②

公式記録

2022 JFL第28節 11/5 土 vs 奈良クラブ

  • 第24回 日本フットボールリーグ 第28節
  • 試合日程:2022年11月5日(土)アウェイ
  • 対戦相手:奈良クラブ
  • 試合会場:ロートF
  • 開始時間:13:00キックオフ