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大雨のラピスタ決戦、Honda FCに惜敗。
前日からの雨が降り続くLA・PITA東員スタジアム(ラピスタ)。運営スタッフがローラーをかけて除水作業をするが大雨の前に為す術もない。JFL第8節、Honda FCを迎えてのホームゲーム。ボールを握り合うチーム同士の熱戦が期待されたが、あいにくの雨に見舞われた。
7節を終えてここまでわずか1勝と調子の上がらないHonda FC、一方リーグと三重県選手権の直近3試合で18得点・三連勝と絶好調のヴィアティン三重。両チームともにボールを繋ぐダイナミックなサッカーを持ち味とするが、この日ばかりは割り切らざるを得ない。チームの調子やサッカーの技術での勝負にはならない状況、勝敗を分けるのはどこなのか。ある意味一瞬も気を抜けない試合に大雨の中集まった400人を超える観客が注目した。
試合開始から終始転がらないボールに悪戦苦闘しながらも闘志剥き出しでぶつかり合う選手たち。より確実に、より安全にプレーするという意識をハッキリさせながら相手ゴールを目指す。ともにチャンスは多くないがわずかな運がチャンスを生み、わずかなミスがピンチを招く状況が続く。前半36分、混戦の中でHonda FCが先制、そこから追いかけるヴィアティン三重。後半に入って何度も相手ゴールに迫る場面を作ったが相手はHonda FC、簡単には破れない。最後の最後まで猛攻を仕掛けたヴィアティン三重だったがゴールを奪うことはできず、今季3敗目を喫した。
第25回 JFL第8節・試合結果
ヴィアティン三重 0-1 Honda FC
(0-1/0-0)
- 36分:⑬岡﨑優希・Honda FC
前半・混戦から失点、リードを許す
降り続く雨の中、ヴィアティン三重ボールでキックオフ。ピッチの至るところに水たまり、大きく前にボールを運ぶ両チームの選手たち。ヴィアティン三重は比較的状況が良い右サイドからの攻撃でHonda FCゴールを狙う。
細かく繋ぐことはできず、相手DFの裏のスペースにボールを蹴り出しツートップの⑩田村・㉒川中がゴールを狙う。⑩田村の抜け出しを警戒するHonda FCのDF陣。大雨の中でもしっかりと統率しオフサイドを誘い田村・川中の飛び出しを許さない。しかしギリギリを狙う田村、雨をものともせず果敢に走る。
16分、ヴィアティン三重陣内でHonda FCのスローイン。右サイドでクリアしたボールが相手選手に渡りそこからアバウトにゴール前に放り込まれる。高く浮かせたボールは枠を捉えGK①森の頭上に飛ぶ。しかしここは守護神モリケン、右手一本で掻き出し事なきを得る。
📹試合ハイライト📹
第25回JFL第8節
🆚#HondaFC①前半16分🕛
クリアボールを拾われると高く上がったクロスが直接ヴィアティンゴールを襲う😱💦
しかしGK森が右手を伸ばしてナイスセーブ✋✨✨
雨が降る難しいコンディションでも頼れる守護神が冷静なプレーを見せる🦁🌈#森建太#ヴィアティン pic.twitter.com/xCNNGmz6Hx— ヴィアティン三重 【公式】 (@Veertien_TSC) May 14, 2023
スペースに出して田村を走らせるヴィアティン三重、浮かせたボールをゴール前に放り込むHonda FC。どちらも集中を切らさず守り、チャンスを作らせない。思うようにボールが転がらない中、スローインやセットプレーからの得点に期待がかかる。しかし激しいボールの奪い合いを繰り広げるがどちらもチャンスまでは至らない。
36分、ヴィアティン三重ゴール付近にHonda FCがボールを運ぶ。しっかりとゴール前を固め左サイドに追いやる。しかしヒールで中に入れられたところで切り返し強烈なシュート。反応したGK森がボールを弾く、こぼれ球に詰めるHonda FC⑬岡﨑選手、身体を投げ出して脚を出す②谷奥。激しく交錯し、はずんだボールが谷奥の顔面に跳ね返りゴールマウスの方へふわっと飛ぶ。カバーに入っていた㉔池田の頭上をボールがゆっくりと越えてネットを揺らし失点。
その後、右コーナーキックから惜しい場面を迎えるが得点にはつながらず、1点ビハインドのまま後半へ。
後半・遠い1点…、猛攻実らず惜敗
ハーフタイム、⑤菅野に代えて⑨大竹、㉟寺尾に代えて⑳金を投入。前線にターゲットを増やし田村・大竹のふたりでゴールを狙う。変わらず雨は降り続き割り切ったプレーが続く。
53分、相手陣内で大竹が得たフリーキックを⑬安西が蹴る。54分にもフリーキック、55分にはコーナーキック、②谷奥・⑲児玉も上がってパワープレーを仕掛けるがHonda FCの選手全員がゴール前を固めて跳ね返す。
61分、㉒川中に代えて⑮梁が入る。⑩田村・⑨大竹・⑮梁が走り1秒でも早くゴールを奪って追いつきたいという意図が見える。雨の中でもキープ力を発揮する梁、相手の守備を脅かす。しかし梁の突破力を警戒するHonda FC、梁を6人で取り囲み自由にさせない。
71分、左サイドバックの㉕藤澤に代えて⑪上田駿斗を投入。73分には相手左サイドからゴール前に運ばれフリーでシュートを打たれる。危ない場面だったがシュートが枠を逸れて救われる。この時間帯、Honda FCがボールを持つ時間が長くなり我慢の時間。降り続く雨と疲労の影響かファールが増える。
81分、⑯橋本に代えて⑰野垣内が入る。空中戦に強い野垣内、セットプレーからのゴールに期待がかかる。
81分、中央でボールを持った⑬安西が前方へ蹴り出し受けた⑮梁が切り返しを入れて相手をかわしてシュート。足元を滑らせミートできず、枠を捉えられない。84分、相手陣内でファールを受けた梁、自らフリーキックを蹴る。力のある良いボールを入れるがわずかに相手GKが掻き出しコーナーキック獲得。続いてコーナーキックを蹴るのは⑬安西、ファーサイドで手を挙げる⑰野垣内、その野垣内に合わせるが相手に身体をぶつけられボールを叩くことができない。
📹試合ハイライト📹
第25回JFL第8節
🆚#HondaFC②後半37分🕛
安西からの縦のボールに反応した梁がペナルティエリア内でボールを持つと前を向いてシュートを放つ💥💥
このシュートは相手ディフェンスの間を抜けるが惜しくも枠を捉えることができず🦁💧#梁賢柱#安西海斗 pic.twitter.com/1j21HWoQNz— ヴィアティン三重 【公式】 (@Veertien_TSC) May 14, 2023
85分を過ぎて怒涛の攻撃を展開するヴィアティン三重、全員が闘志剥き出しで果敢に前に進む、必死に守るHonda FC。気持ちと気持ちのぶつかり合い、ゴールに近づきはするものの決定的な場面が作れない。追加時間は4分、押し込みたいヴィアティン三重。
時計が4分進んだところでHonda FCのファール、ハーフウェーライン付近、ヴィアティン三重陣内からのフリーキック。蹴るのは安西、大きくゴール前に蹴ったボールを②谷奥が相手選手に身体をぶつけながらすらし、抜けたボールが左サイドを走る⑩田村の足もとへ。身体を寄せる相手DF、かわして左足を振る田村、そこへ身体を投げ出してブロックに入る相手選手。左足を振り抜いた田村だったがボールはわずかに枠を捉えられない。倒れ込む田村…。そして無情にも試合終了のホイッスル。
📹試合ハイライト📹
第25回JFL第8節
🆚#HondaFC③後半50分🕛
安西がロングボールを蹴り込むと前線にいた谷奥が競り合いボールは逆サイドの田村の下へ🌟
そしてトラップして左足で低いシュートを放つがこれはわずかにゴールの外😣💧
直後に無情にも試合終了のホイッスルが鳴り響く💦 #田村翔太 pic.twitter.com/jtiC1E3mGI— ヴィアティン三重 【公式】 (@Veertien_TSC) May 14, 2023
最後までゴールを狙って闘い抜いたが同点に追いつくことはできず、悔しい敗戦となった。1点が遠かった。
試合終了の笛が鳴るその瞬間まで、全員がゴールを目指して勇敢に闘った。それはあの場所に居たすべての人が感じたはずだ。勝利への貪欲さ、球際の厳しさ・強さ、闘う気持ち、最後まで切らさない集中力、どれも相手に劣ってはいなかった。しかし試合には負けた。失点の場面を振り返ってみても、最後は全力で止めに行ったボールが②谷奥の顔面に跳ね返り、それがゴールマウスに飛んでしまった。そこに技術の差も気迫の優劣もない。試合後にGK①森建太は交錯する前の場面でシュートを打たせてしまったところを悔いたが(コメント参照)、失点シーンの一連の流れを振り返ると、不運な場面だったと言える。あれを「さすがHonda FCだ」と言ってしまっては、少々酷な気もする。
それよりもピッチサイドで見ていて印象に残ったのは後半終了間際、Honda FCの選手が自陣ゴール前で負傷して倒れていた場面。試合が止まり、現場にトレーナーが到着したあとだった。Honda FCの選手たちは負傷者をトレーナーに任せ、自分たちの細かな立ち位置の修正やマークの確認を全選手で言い合っていた。声を掛け合うのは当然の作業だとしても、その声のトーンは至って冷静で、いわゆる「ここは気持ちだぞ!」といった類のものではなかったのだ(もちろん強い気持ちは入っていたはずだが)。試合の最後の最後に押し込まれるピンチの場面でも、それぞれの役割を明確にし、自分たちがやるべきことを主体的に且つ冷静に共有・確認する姿に「勝者のメンタリティ」を見たのだった。
試合後のコメントで⑰野垣内が言ったように「勝つチームの勝ち方」というものが試合全体の細部にまで存在していた。さすがはHonda FC、やはりヴィアティン三重がJ3に昇格するために絶対に超えなければならない相手だと思い知らされたのだった。
悔しい結果に終わってしまったが、大雨にも関わらずゴール裏を中心に90分通してずっとヴィアティン三重を後押しする声が飛んでいた。コロナ禍を経て第8節から応援のルールが変更になり、久しぶりに本来の熱気が戻ってきた。最後まで声を枯らして後押ししたサポーターたち、オレンジのポンチョを着て雨のなか笑顔ではしゃぐちびっこサポーターたち。その光景を見て、大雨でもスタジアムで観るフットボールは最高だとあらためて感じた(次は晴れて欲しい…)。
次こそ晴れの日の勝点3を期待して、天皇杯1回戦・ガイナーレ鳥取戦に臨もう。
試合運営サポートは四中工サッカー部 2/3年生のみなさん!
第8節の運営サポートは四日市中央工業高校サッカー部、2・3年生のみなさん24名でした!荒天にも関わらず、最後まで円滑な試合運営のお手伝いをありがとうございました!
試合前には藤牧CCから、そして試合後には四中工出身の谷奥健四郎選手から後輩たちへのお礼とメッセージが贈られました。
「このような天候のなか、スムーズに試合ができたのは皆さんのおかげです、本当にありがとう。そして皆さんの試合もこういった準備をしてくれている人がたくさんいて、その人たちのおかげでサッカーができていることに感謝して、これからも頑張って欲しいです。今日はありがとうございました!」
四中工サッカー部の皆さん、ありがとうございました!
フォトギャラリー①
フォトギャラリー②
公式記録
NEXT MATCH 第103回天皇杯 1回戦 vs ガイナーレ鳥取
- 天皇杯JFA 第103回 全日本サッカー選手権大会
- 試合日程:2023年5月21日(日)
- 対戦相手:ガイナーレ鳥取・J3
- 試合会場:三交鈴鹿
- 開始時間:13:00キックオフ