NEWSヴィアティン・マニア / トップチーム
第10節・高知ユナイテッドSC戦 試合後コメント
第25回 JFL第10節・試合結果
ヴィアティン三重 3-2 高知ユナイテッドSC
(2-0/1-2)
- 20分:⑳金 成純・ヴィアティン三重
- 28分:⑩田村翔太・ヴィアティン三重
- 80分:㉖小林 心・高知ユナイテッドSC
- 84分:⑨田口光樹・高知ユナイテッドSC
- 90+1分:⑨大竹将吾・ヴィアティン三重
ヴィアティン三重・樋口監督 試合後コメント
樋口監督・試合総括:まず勝点3を獲り、リーグ戦での連敗をストップできたという結果は非常に喜ばしいことです。ただ、試合を終えてロッカールームに戻った選手たちに対し、僕は申し訳ない気持ちでした。それは最後の選手交代を含めて、もっと早くシステムを3バックにして、最後は守り切るという選択をするべきだった…、という思いがあって、自分の判断が遅かったことで選手たちにゲームを難しくさせてしまったと感じています。これは僕の中で迷いがあって、2失点目の前に中盤を少し厚くしたいと考え、4-1-4-1に近いシステムしようと。ただ最終的には3バックだなと考えていた矢先の失点でした。それは僕自身の判断の迷い、タイミングの悪さ…それを反省しなければいけないと感じていたのでそれを選手たちに話をしました。
ただあのような苦しい状況の中でも、ワンチャンスを決めきったことはチームとしての力だと思いますし、これはプラスに考えています。僕自身も反省しますし、システム云々は関係なく、あの時間帯にあのような失点をしてしまうところはチームとして見直さなければならないと思っています。結果は喜ばしいですが、自分自身も含めて課題が多く残った試合だったといえます。
前節の新宿戦は相手を受ける形になってそれを90分で修正できずに負けてしまった。今日もなかなか自分たちがボールを握る時間がなかったですが、我慢するところを我慢し、ある程度ボールを失ってもしっかりと切り替えて、上手く行かない中でもゲームのコントロールはできていたと思います。最後のところで僕がコントロールを間違っただけで、それ以外のところでは選手同士で共有してやってくれたと感じています。そういう部分は新宿戦に比べて改善できたところだと思います。
インタビュアー:今日でリーグ戦の3分の1が終わりました。今の結果をどのように捉えていますか?
樋口監督:想定より勝点を落としていると思っています。ただ今シーズンは昨年以上に混戦になっていますので、ひとつひとつ積み上げていくことで十分チャンスはあると思っています。
VTM:高知の吉本監督が言われていましたが、ヴィアティン三重が思ったより前からのプレッシャーに来なかった、思ったよりハイラインを敷いて来なかったと。それは相手のシステムを考えて対策したということでしょうか?
樋口監督:中盤をコンパクトにしようというのが一番です。そして高知のGKのキック力、ゴールキックが他のGKに比べて10メートルは遠く飛ばせる力がある。その影響で全体は少し下がった状態になる、そのぶん中盤をコンパクトにしてセカンドボールを拾うというのがもうひとつ。ある程度前からプレッシャーをかけるとだいたいGKが蹴ってくる、そのときにラインは上げておきたいが蹴られたあとのプレースバック、ラインコントロールでどこまで中盤をコンパクトにできるかというのがポイントでした。前から連続して追うより、少し相手に持たせてでも中盤を狭くしたいという狙いでした。
VTM:試合会場に入ってきた選手たちの表情・雰囲気を見た時、普段より少し暗いというか元気がないような印象を受けたのですが、前節の新宿戦の敗戦を経てこの一週間は難しい一週間でしたか?
樋口監督:いえ、この一週間もトレーニングはとても良い雰囲気で取り組めました。さっき僕が自分が間違えたという部分も含めて、今週は4-2-3-1だろうが4-4-2だろうが4-1-4-1だろうが3-4-3だろうが、試合中にシステムを変えてゲームをコントロールするというトレーニングをかなりやりました。その中で選手たちは一生懸命それに応えてくれて良いトレーニングができました。暗かったというよりはこの試合の重要さを真剣に受け止めていたのだと思います。試合に入る前のミーティングで僕が悲壮感を保つ必要はないぞ、と言わなければいけないぐらいここが「踏ん張りどころなんだ」という思いが強かったからそういう雰囲気に感じられたのだと思います。俺たちは決してネガティブな状況じゃないぞ、この前の試合はコントロールできなかったが、それを改善すれば良いじゃないかと。そこに悲壮感は必要なくて、むしろポジティブに主体的にやることができれば結果はついてくる。そういう想いで選手らを送り出したのですが、やはり選手たちは少し硬かったと思います。
VTM:今日の試合はチームの中心選手である㉒川中選手、⑯橋本選手がスタメンから外れて(㉟寺尾選手は累積警告で出場停止)いましたが、選手起用についてはあくまでもこの一週間の仕上がりやコンディションを見て決められたのでしょうか?
樋口監督:先発メンバーを何人か替えたのはまずはトレーニングを見ていて状態が良い選手は誰なのか、その選手たちが僕がチャレンジするに相応しいプレーを見せているか、これで判断して決めました。⑧澤、⑮梁、⑳金、彼らは前節の新宿戦で途中から入って、良い動きをしていましたし少し流れを引き戻す働きをしてくれました。それも含めて総合的に考えて選んだメンバーを自信を持って送り出しました。
記者:リーグは混戦かつ難しい試合が続きますが、そこに天皇杯が入りスケジュール的にも難しいと思います。それも含めてヴィアティン三重にとっての天皇杯の意味・位置づけをあらためて聞かせて下さい。
樋口監督:天皇杯は重要な大会だと捉えています。トーナメントの一発勝負、言い方は変かもしれませんがJFLよりも世間の注目度が高い試合です。ましてや相手は名古屋グランパスです。これはヴィアティン三重の存在感を示す絶好の機会だと捉えています。存在感を示すためには結果を出すこと、相手に一泡吹かせなきゃならない、そういう想いを持っていますし、チームの目標がJリーグへの昇格すること、もうひとつは天皇杯でJリーグクラブを倒すこと。1回戦ではJ3のガイナーレ鳥取を倒すことができましたが、J1クラブを倒すことができればそれ以上に存在感を示すことができると思っています。中2日でコンディション的にはとてもキツいですが、しっかりと準備をして勝ちに行きます。
インタビュアー:最後にファン・サポーターのみなさんにメッセージをお願いします。
樋口監督:今日もファン・サポーターの皆さんには本当にアツい声援を送って頂きました、それは間違いなく選手たちの最後のところ、もう一度突き放せたところは皆さんの後押しがあったからです。この連戦で選手たちの疲労の中でどれだけ脚を動かすことができるかというのはみなさんの声で大きく変わってくると思っています。ぜひ我々と一緒に闘ってください。よろしくお願いします。
キャプテン・谷奥健四郎選手 試合後コメント
VTM:今日の試合に臨むにあたって、先週の試合を踏まえてチームの雰囲気はどうでしたか?
谷奥健四郎選手:ただの1試合ではなかったですね。新宿戦を踏まえてみんなが共通の意識を持っていて、修正しなければいけないというか「何かを変えなければいけない」という意識がありました。もちろん監督が提示してくれたことがあっての今日のゲームではあるのですが、それ以上に選手たちは自分たちでやろうとした、ピッチに立つ選手がやるんだというところにフォーカスしたことで最後の最後にサッカーの神様が味方してくれて…。なんとか勝点3を獲ることができましたがディフェンスとしては反省点だらけの試合だったと思っています。
VTM:とくに2失点目、樋口監督もあそこの采配についてすごく悔やんでいました。ちなみに新宿戦を終えて選手同士で改善すべき点はどんなところを共有して挙げていたのですか?
谷奥選手:ざっくり言えば、選手それぞれの想い(やりたいこと)があるけど、全員がひとつの方向を向くことができなかった…という感じですね。もちろんみんな経験がある選手が多くて、これまでのサッカー人生を歩んできているので、自分の中に解決策は持っているものの、それぞれの「オレはこうしたい」がひとつにならなかった。それが新宿の雰囲気に飲まれてしまったのかな、そんな感じです。
VTM:そういう部分はこの一週間のトレーニングの中で、選手同士でじっくり話したりしたのですか?
谷奥選手:そうですね。話をする時間を作りました。
VTM:今日も試合が終わったあと、勝ったにも関わらず選手同士で言葉をぶつけあっていましたよね。
谷奥選手:今までそれが足りなかった気がしています。ひとつめの失点、ふたつめの失点シーンについていろいろ言い合いました。今季は監督が「競争・共闘」というテーマを掲げていますが、試合の90分では「共闘」すべきだし、そのためには全員がひとつの方向を向かなければいけない…けど、試合が終わったり練習の中ではもっと求め合わなければいけないんじゃないかというのを選手ミーティングで僕も話しました。だからみんなのあの気持ち(試合が終わった直後に意見をぶつけ合う気持ち)はわかります。
前(攻撃陣)は2点獲ってるのに後ろ(守備陣)は2点獲られて何やってんだよ!と言うのは当然だと思いますし、今日はギリギリのところでタケ(⑨大竹選手)が獲ってくれたから勝てましたけど、いつもこんなゲームをしていたら昇格なんて…。自分がそうやって言った以上はそういう言葉を受け入れて反省しなきゃいけないと思っています。
いつもこんなゲームじゃ駄目ですけど、勝って痛みがあるというのは良いと思っています。今日だって正直なところ勝って喜んでる選手は一人もいませんでした。もちろん勝ったことは喜んではいましたし、僕も試合が終わったときは喜びましたけど、それは勝点3獲れたことが嬉しかっただけで「全然ダメだった」という方が大きかったです。
VTM:失点の場面だけじゃなく、試合全体を見ても決して主導権を握って進められていたわけではないので、追いつかれた展開も含めてこういう試合を勝ちきることができたのは成長だと言えますよね。勝点1とは大きく違うわけですし。最後の⑪上田選手の超ロングアーリークロス、そして⑨大竹選手らしいゴール、素晴らしいの一言。
谷奥選手:その通りですね。スタートから出た⑧澤も⑮梁も良かったし、⑳スン(金成純)もあそこで点獲ってくれましたし。やっぱりスタメンの11人だけでワンシーズン闘うのは無理だと思いますし、チームとして誰が出ても良いゲームができなきゃいけないし、そうでないとこういうゲームを拾うことはできなかったと感じます。
VTM:今日は観客目線で観ると劇的勝利でバンザーイ!だったものの、試合後の選手らの様子、雰囲気を見ると決してそうじゃなくて。日程のことも考えて試合後のケアも優先してほしいし、今日はキャプテンだけに話を聞こうと思って呼び止めました。2失点あったので話しにくいところはあったかもしれないですが、そこはもうズバっと行こうと。
谷奥選手:今日の2失点に関しては、僕と慎太郎(⑲児玉選手)とモリケン(GK①森選手)が受け入れなきゃいけないですね。1失点目も2失点目も誰のとこからどう崩されて誰かのミスなのかもしれないけど、そこは僕ら3人が負うべきものだと思っています。
VTM:失点するまでは相手にボールを握られていてもほとんどボックス内に入られることもなかっただけに、立て続けに失点してしまったのは本当に悔やまれますね。ピッチサイドで見ながら、これは攻められても決めらずに終わらせられるゲームかなと期待していました。
谷奥選手:外からはそう見えていたかもしれませんが、プレーしながら嫌な雰囲気を感じていました。ゆるかったわけではないのですが、後半は少しずつ受けに回っていく感じがあって。前半は自分たちがボールを奪いに行く感じだったのが、後半に入ってゴールを守るという思考になってきていたような。リードしていただけに人に強く行けなかったり。最近あまりリードする展開がなかったので、すこしふわっとしてしまったのかもしれないです。
VTM:さて、中2日。楽しみな天皇杯ですね。
谷奥選手:そうですね。それを考えると今日の勝ちは大きいですよね。負けたり、ドローだったら精神的にすごく疲れますからね。天皇杯は面白いですよね、サポーターのみなさんもそうだと思いますが、選手たちもみんな楽しみにしてます。良い準備をして臨みます!
高知ユナイテッドSC・吉本監督 試合後コメント
吉本監督・試合総括:悔しいのひとことです。0-2でビハインドのところからとても難しい試合運びになってしまいました。前半の途中から相手のやりたいことを消しながら自分たちの良さを出せたかなと思いますが、単純にヴィアティン三重さんの方が一枚うわてだったというところが最終的に敗戦に繋がったと思っています。ただ、選手たちは私の難しいオーダーに対して応えてくれましたし、ひたむきにチームを勝利に導こうとした姿勢は次に繋げられる良いゲームだったと思います。
インタビュアー:特に後半は高知ユナイテッドSCさんがボールを握って攻撃的に試合を進められていましたが、ハーフタイムにはどんな指示をされましたか?
吉本監督:もう少しヴィアティン三重さんが前から来ると思っていたので、スペースが少ない中でボールを持てる選手が相手の3列目の間をどうやって突いていくかと。後半は相手もボールを動かされて疲労感が見られていたので、その中で得点に繋がったのだと思います。それと前半は選手たちが相手を走らせるプレーをしてくれたのでそれがあの2点に繋がったのだと思います。