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真夏の夜のラピスタHG、終始マルヤスを圧倒するも痛恨のドロー

2023年07月23日 

 

夏休み最初の土曜日、ヴィアティン三重のホームゲーム史上初めてハーフタイムに花火を打ち上げる「花火フェスタ」開催ということもあり、試合開始前から多くの人で賑わうラピスタでのホームゲーム。夏の夜というだけでもお祭り気分が高まる上にスタグルでは夏らしいメニューが多く展開され、そこかしこでカラフルなドリンクなどを手にして嬉しそうな笑顔を見せる親子連れがたくさん。お祭り気分でスタジアムには楽しい雰囲気が広がっているが、チームはアウェー2連戦で連敗。下位チーム相手に連勝できれば一気に首位に迫れる状況だっただけに悔やまれる結果だった。結果以上に気になるのは試合内容とチーム状況。2試合ともに疲労の蓄積からか、精彩を欠き良いところがほとんどなかった。前節からの一週間を経てどうやって立て直しを図るのか。

前節ミネベアミツミ戦からスタメンを3人入れ替え、そしてスタートから3バックのシステム(3-4-2-1)で、中央にはおよそ1年ぶりのスタメンとなるベテラン⑰野垣内を、右には12節沖縄SV戦以来のスタメン④寺田を置き、ボランチには14節ソニー仙台戦以来、⑦森主を置く布陣で臨む。試合は3バックの守備が功を奏し、両サイドのWBから幾度もチャンスを作る。しかしあとわずかのところで精度を欠き得点を奪えない。そして76分に先制を許してしまうがその直後に大竹将吾のゴールで追いつく。そこからも怒涛の攻撃を続けるが追加点は奪えず、4位FCマルヤス岡崎を相手に勝点を分け合う結果となった。

 

 

第25回 JFL第17節・試合結果

ヴィアティン三重 1-1 FCマルヤス岡崎
(0-0/1-1)

  • 76分:㉝内田健太・FCマルヤス岡崎
  • 77分:⑨大竹将吾・ヴィアティン三重

 

前半・相手ゴールに迫る場面は多いが決定機は作れず

 

 

東からの風が弱く吹き気温も27.6℃と涼しさを感じる夜のラピスタ、ほとんど日が落ち4機の照明に照らされる中、FCマルヤス岡崎(以下マルヤス)ボールで19時キックオフ。スタートから普段以上に声を出し気合いみなぎるヴィアティン三重の選手たち。3バックとあって攻撃時には両サイドの㉔池田、㉕藤澤が高い位置を取り積極的に外からボールを運ぶ。右の池田からチャンスを作り、囲まれると戻して素早く左の藤澤にサイドチェンジ、良くボールが動くヴィアティン三重、好調な滑り出し。そして5分、右サイドに動いた㉒川中から⑦森主→⑬安西→⑤菅野を経由して左サイドの㉕藤澤へ。ドリブルで1人かわし、更に深く持ち込み2人目を抜き切らずにグラウンダーのクロスを入れる。中央にいた川中に合わせたが最初のシュートはふかしてしまい枠を逸れる。

 

 

10分、高い位置を保つ最終ライン野垣内から中盤を飛ばした縦への鋭いスルーパス、相手にカットされるが左サイド池田が拾って中央の⑬安西へ。軽やかなターンで相手を剥がし安西が前を向いた瞬間に走り出した⑩田村を見て絶妙のスルーパス。しかしここはわずかに相手GKの飛び出しが早く通らない。しかし立ち上がりから良い形を作るヴィアティン三重、期待が膨らむ。その直後、相手がワンタッチパスで中央から一気にヴィアティン三重ゴール前へ。ボックスの外正面からシュートを打たれるがここは枠を逸れる。やや危ない場面。

 

 

12分、相手のクロスをキャッチしたGK①モリケンから素早いスローイングで左の㉔池田へ。前方が広く空いており一気に運ぶ池田、中央には㉒川中、⑩田村があわせて走り池田からDFラインとGKの間を狙ったアーリークロス。しかしここはタイミングが合わずに流れてしまう。もう少し抑えたボールをくれ!と要求する田村。ここから互いにボールを保持し合う時間が続くがチャンスは作れない。21分、両サイドの前のスペースが空いているのを見てサイドチェンジを繰り返し左サイドの㉕藤澤へボールを出す。少し前に運んだ藤澤、相手の陣形が整う前にクロスを入れる。ニアに田村、ファーに川中、しかし川中わずかに届かず流れてしまう。ここももうひとつタイミングが合わない。その後のコーナーキック、こぼれ球を拾った⑤菅野がミドルシュートを放つがわずかに左に逸れゴールならず。ここで飲水タイム。

 

 

 

32分、最終ラインからのビルドアップ。右サイドで中盤に降りていた⑩田村がボールを受け㉒川中とパス交換、再び田村に預けたところで川中が右前方のスペースに走り出す。⑦森主とのワンツーから田村がスペースへ走る川中へ出す。クロスを入れようとしたが相手がブロック、こぼれ球を拾った⑬安西がミドルシュートを打つが枠を捉えられない。飲水タイムのあと前からのプレッシャーを強めるマルヤス、そのプレスをかいくぐり左サイドからテンポ良くパスを繋いで前線の川中へ。右サイドを完全にフリーで駆け上がる㉔池田、相手守備は3人、ヴィアティン三重は池田・川中・田村の3人、フリーで受けた池田、深い位置から中へ折り返そうとするが相手DFが間一髪ブロック、決定機手前で潰える。

 

 

44分、最終ラインから右サイドに展開、斜めのパスを上手く繋ぎフリーの池田に収め、川中が追い越す。そこへいてDFが引き付けられ空いたスペースへ田村が走る。それを見た池田から田村へパス。しかしやや脚元に入りすぎたのか上手く抑えられずチャンスに至らない。ここまで何度も何度もチャンスの手前まで作るものの僅かにタイミングが合わない場面、もう少し精度が足らないアーリークロスとチャンスが遠い。ここで前半終了。

 

 

後半・先制を許すがすぐに追いつく!怒涛の攻撃を展開するが追加点は奪えず

 

ハーフタイムの選手交代は無し、後半は風下に立つヴィアティン三重。50分、相手陣地の深いところで⑦森主が粘ってコーナーキック獲得。⑬安西のキックに中央で⑰野垣内が頭で合わせるがここは強く叩けず、相手GKがキャッチ。53分、ピッチ中央でボールを持ったマルヤス、推進力を持ったままボールを運びヴィアティン三重DFラインの裏へスルーパス。しかしここはオフサイド。その直後、左のスペースでボールを受けた田村、斜めにドリブルで運び一気にゴール前へ、そしてシュート。ここは少し強引だったか、相手のブロックに阻まれる。

 

 

56分、ワンタッチパスでかわしながらボールを運ぶヴィアティン三重、中央でフリーの⑦森主に出したところで奪われ相手の攻撃。こちらも縦パスをワンタッチで繋ぎゴールに迫り強烈なミドルシュート。しかし枠を捉えられない。スピードある攻撃でヴィアティン三重の守備を脅かす。その直後の57分、GKモリケンからのパスを素晴らしいパスワークで繋ぎ中央の⑤菅野から左サイドで完全にフリーの㉕藤澤へ。ボックスまで運んだところで藤澤から低いクロスが入る。ゴール前ニアに川中、ファーに田村、2列目には森主。素晴らしいクロスが入ったが相手GKが目一杯手を伸ばし防ぐ。決定的な場面に点を仰ぐ⑩田村。前の二人に声を飛ばす藤澤。わずかなタイミングのズレが悔やまれる。

 

 

再三にわたり左右サイドからの攻撃を試みるが中を固めるマルヤス、簡単にはやらせない。66分、㉒川中に代わって⑨大竹を投入。そして入って早々にチャンスを迎える。左サイドで⑲児玉が粘ってボールを奪う。㉕藤澤が受けてそのままドリブルで運ぶ。相手と競り合いつつ倒れ込みながら高速クロス。相手DFを背負ったまま中央を走る⑨大竹、相手DFともつれながらも脚を伸ばしてボールに触る。決まったかと思われたが惜しくもサイドネット。大竹が入ったことでサイド攻撃のターゲットが増え期待が高まる。ここで飲水タイム。

 

 

73分、⑦森主に代わって⑳金が入る。その直後、左サイドから展開し㉕藤澤にボールが入ったところで前線の⑨大竹が動き出す。それにあわせて藤澤が裏のスペースを狙って高いボールを放り込む。上手く身体を入れて相手DFを引きずりながら前を狙う大竹、あとわずかで収まるところだったが相手GKが出てキャッチ、大竹らしい動きを見せてチャンスを作る。

76分、ヴィアティン三重陣内左サイドでファール、相手のフリーキック。ゴールまではおよそ30メートル余り。距離があるため壁は作らずGKの前に入ってくるボールが予想される。そしてマルヤス㉝内田選手がキック。高く上がり大きく弧を描いたボールは少し風に乗って伸び、2〜3歩前に出たGKモリケンの頭上を越えてゴールに直接吸い込まれてしまった。悔しさをあらわにするヴィアティン三重の選手たち。しかし切り替えてすぐにボールを拾い上げる⑰野垣内。

 

 

センターサークルにボールを置く⑨大竹。切り替えてリスタート。ボランチの⑳金に出して④寺田に下げる。寺田から右サイド㉔池田に預け、受けた池田は相手を背負うがクルッとターンして簡単に剥がす。そして早いタイミングで中央の⑨大竹を狙ってボールを入れる。二人を背負う大竹、わずかにボールが収まらないがこぼれ球を素早く反応した⑩田村が右サイドの深いところから迷わずクロスを上げる。高く上がったクロス、大竹の前には相手DFが1人、相手DFと同時に跳んだ大竹だったが頭ひとつ半、高く跳び、相手よりも滞空時間の長いジャンプでしっかりと合わせたボールは相手GKの手を弾いてゴールネットを揺らした。失点からわずか1分足らず、リスタートからわずか20秒での同点劇。闘う男・タムショーと仕事人タケのコンビで試合を振り出しに戻した。

 

 

 

同点に追いつきボルテージが上がるゴール裏、終盤の逆転を期待するスタンドからは大きな声援が飛ぶ。その声に後押しされてさらに闘う姿勢を強めるヴィアティン三重の選手たち。そして同点弾の直後79分、前からプレッシャーをかけ相手陣地でボール奪取。左サイドの密集の中で細かくパスを繋いで相手を翻弄。⑬安西がゴール前に浮かせたボールを放り込む。一度奪われるがすぐに取り返し、再び安西がゴール前にふわっとボールを入れる。それに反応した⑨大竹、左サイド角度のないところから倒れ込みながら右脚アウトサイドでゴールに流し込む!相手GKが反応しかすかに手を触れボールはわずかにゴール右に逸れてしまう。最高潮に湧くゴール裏には子どもたちの大応援団、まさにお祭り状態。

 

 

 

 

のこり10分あまり、追加点が欲しいヴィアティン三重、前へ前へと進む選手たちをスタジアム全体が後押しする。終盤に差し掛かっても集中を切らさずほとんど相手には自由にボールを運ばせない。なんとしても勝ち越しゴールが欲しい。しかしマルヤスも中央をしっかり固めて簡単にはチャンスを作らせてくれない。87分にカウンターで右サイドから⑤菅野と⑨大竹がゴールに迫る場面を作るが相手DFも必死の守備で跳ね返す。ここで⑤菅野に代わってかつてFCマルヤス岡崎に在籍した㉟寺尾が入る。最後に憲祐のスピードとドリブルでマルヤスの守備を破りたいところ。

 

 

時計の針が90分を指す。自陣でボールを奪われマルヤスの攻撃。しかしこの時間になっても球際の強さを発揮するヴィアティン三重の選手たち、ハードなディフェンスで素早くボールを奪い返す。左サイドで奪ったところから㉕藤澤が前方のスペースとフリーになっている⑩田村を見て縦に出す。広大なスペースをドリブルで駆け上がるタムショー、トップスピードに乗って一気にゴール前へ。ボックスに入ったところで強烈なシュート!しかしコースが甘く相手GKが正面に入ってキャッチ。スタジアムに響き渡った歓声、そして悲鳴。夜の空に向かって叫ぶタムショー、悔しさを露わにする。

 

 

アディショナルタイムは4分、最後まで怒涛の攻撃を見せたヴィアティン三重だったが、最後は⑲児玉のクロスに⑨大竹が頭で合わせるも強く叩けず、相手GKがキャッチしたところで試合終了のホイッスル。死力を尽くした選手たちはピッチに倒れ込んだ。

 

 

4位の強豪・FCマルヤス岡崎を相手に終始ボールを握って圧倒し続けた。何度も何度もチャンスを作った。90分に渡って全員が闘う集団としてひとつになり、活き活きとプレーした。結果は1-1のドローに終わったが、スペクタクルなフットボールを展開し、ナイトゲーム、ハーフタイムの花火フェスの演出も手伝って試合を終えた選手たちを待っていたのはスタジアムに集まってくれた2,336人からの大きな拍手と労いの声、エールだった。

 

 

 

この街のフットボールクラブが10年をかけて作り出した夜のお祭り。そして必死にボールを追いかける選手たちの姿。その選手を超えるほどの熱量で後押しするオレンジ色のサポーターたち。大人から子どもまで、ゴール裏で熱狂する姿はコロナ前の光景を超える素晴らしいものだった。

ラピスタに居合わせた誰もが大きな満足感を得たことは間違いないが、その素晴らしい雰囲気の中にあっても選手たちはやはり悔しさを滲ませていた。それは当然のことで、誰もが試合に勝ってドラマティックな1日を完成させたかったはずだ。しかし、結果に対する悔しさはあるものの、チームは確実に手応えを掴んでいた。それは試合後の監督会見からもわかる、そしていつもヴィアティン三重のサッカーを観ている我々にも感じられた。

 

 

上手くいかなかったものが、ある日突然上手くいくようになるものではない。少しずつ変化・進化を積み重ねていくことでしか前には進めない。幸いなことに中断期間前にもう1試合ある、しかも相手はHonda FC。マルヤス戦で掴みかけた手応えをさらに確固たるものにするためにも、良い雰囲気のまま1週間を過ごして浜松に乗り込んで欲しい。次節はHonda都田サッカー場でのアウェーゲーム。桑名からは車で2時間足らず。真夏の夜のお祭りは都田で勝って締めくくろうじゃないか。

 

 

試合運営サポートは四日市大学サッカー部1年生のみなさん!

第17節の運営サポートは四日市大学サッカー部1年生の皆さんでした!前回のソニー仙台戦に続き、19時キックオフの遅い時間にもかかわらず、試合終了後の後片付けまで元気にこなしてくれました。ありがとうございました!

 

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フォトギャラリー②

 

公式記録