NEWSヴィアティン・マニア
93分の劇的ゴール・三重県選手権準決勝レポート
93分、試合は後半のアディショナルタイムに動いた。
土煙舞う中、人差し指を突き上げてチームメイトに駆け寄る背番号18、ゴール前の混戦に身体を投げ出し、劇的な決勝ゴールを決めたのは大卒ルーキーの塩谷仁だった。
土煙舞う荒れたピッチ、プレー全体の精度・クオリティをスポイル
三重県サッカー選手権準決勝、対戦相手は四日市大学。相手がどこであろうと自分たちのサッカーを徹底する。勝って決勝に駒を進め、天皇杯本戦出場を目指すのみ。
三重交通Gスポーツの杜鈴鹿・第2グラウンドのコンディションは良くない。不揃いな芝、土の地面が露出し荒れたピッチ。アップの段階からボールコントロールにかなり影響が出ていた。
試合開始前の上野監督はこう言った。「このピッチだから思い通りにパス回しができないかもしれない。状況に合わせてロングボールも上手く使っていこう。細かくパスを繋ぐサッカーも、ロングボールを落として詰めるサッカーも、今のみんなはどちらもできる。よし、行こう!」
運動量豊富でテクニックもある四日市大学を攻めあぐねる
荒れたピッチとはいえ条件は相手も同じ。いつもどおりコンパクトな陣形を保ち、前線からプレスをかけ、全員でハードワークを見せるヴィアティン三重。今シーズン見せてきたサッカーは変わらない。
両サイドから攻め上がり、何度も良い形の攻撃を見せるもののわずかなところでの精度がやや低く、決定的な場面まで至らない。度々訪れるセットプレーのチャンス、藤牧⑬・野垣内⑰・寺田④と高さでは上回るものの四日市大学の捨て身のディフェンスの前にゴールを奪えない。大学生の若さとダイナミックなプレーに攻めあぐねる。
対する四日市大学は足元のテクニックがあり、運動量も豊富。JFLクラブが相手とあってモチベーションも高い。しかしスペースにロングボールを蹴り出し攻撃を試みるが寺田・野垣内がことごとく弾き返す。公式記録ではシュート1本、ゴール前に迫られた場面はほとんどなかった。
主導権はヴィアティンが握り続けていたがゴールが遠く時間だけが過ぎていく。
後半、交代選手が流れを変える
ミスが目立ったわけではないが、四日市大学の守備が良く、決定機が作れない。パスを繋ごうにも足元でイレギュラーし収まらない。後半もゴールを脅かすところまで迫れずストレスが溜まる。
後半ラスト10分足らず、徐々に焦りが見え始める。守備に攻撃にチーム1のハードワークを見せる森主⑳「くそーーーっ!!!」相手のラフプレーにファールをもらえず叫ぶ。「麗司!次だ次!切り替えろ!」ボランチでタッグを組むキャプテン西村㉓から声が飛ぶ。若いキャプテンがチームを落ち着かせる。
今大会は交代のカードを5枚使える。これまでに北野⑩・塩谷⑱・坂井⑥・平信㉚の4人が交代で入っていた。前線で走れる選手が1枚増え、さらに1枚増え、少しずつゴール前で相手ディフェンスを慌てさせる場面が増えつつあった。71分、藤牧⑬に代わって入った坂井、前方のスペースに走るがあと一歩及ばない。
再びディフェンスラインから前線へのロングボール、走る坂井。必死に戻る相手DFと交錯、チャンス実らず。
いよいよ時計は90分を過ぎアディショナルタイムに入り残り時間はわずか。固唾をのんで見守るベンチ、そしてサポーター。プレーは激しさを増す。
残り時間が少なくなり、研ぎ澄まされていく選手たちのプレーがピッチ条件の悪さやアグレッシブな大学生のプレーに攻めあぐねた時間を忘れさせていた。出場のチャンスを掴んだ平信、右サイドから攻め上がる。
そして後半93分、進藤㉒から北野にパスが出る。必死に食らいつく四日市大学DF。ゴールラインギリギリの深いところまで競り合い、フィジカルの強さで上回る北野が倒れ込みながらクロスを上げた。
そこに飛び込んだ関西大学卒・今季新加入の塩谷仁、諦めずに最後まで走り続けたルーキーが桜模様のボールをゴールに押し込んだ。
《天皇杯三重県予選準決勝 VS四日市大学 ハイライト》
スコアレスのまま迎えた後半AT⏱💦
北野が右サイドからクロス⚽️
🔜そこに詰めていたのは塩谷🤩‼️‼️今期加入した塩谷がチームを救う初ゴール🎉
苦しみながらもチーム一丸となり決勝に進みました㊗️✨#ヴィアティン三重 #天皇杯三重県予選 pic.twitter.com/GifiDq0MML— ヴィアティン三重 【公式】 (@Veertien_TSC) 2019年4月21日
ベテラン坂井の活躍・ベテランと若手の融合
しっかり守り、ハードワークを徹底して攻め続けるもチャンスは多くなかった90分、途中出場でピッチに立ったベテランと若手が何度も何度もチャンスに走り続けた結果、最後の最後でゴールをこじ開け、ギリギリのところで決勝への切符を掴んだ。チーム全員で最後まで集中を切らさなかった結果がこの勝利につながった。
先週行われたJFL第5節では途中出場でゴールを決めた坂井。ゴールこそならなかったが今日も終盤に何度も見せ場を作った。そんな坂井に試合後に声をかけた「この前の滋賀戦といい、今日も走りまくっていい仕事したね」
「必死にやるだけですよ、それだけです。」
新監督の就任や新加入選手の話題が多い新生ヴィアティン。古株選手の活躍はファンにとってもたまらないプレゼントだ。
三重県選手権決勝・天皇杯代表決定戦は5/12(日)
天皇杯三重県代表を決める三重県サッカー選手権決勝の相手は、東海1部のFC ISE-SHIMAを延長の末に破った鈴鹿アンリミテッドFCに決まった。語る事は山ほどあるこの対戦カード。負けたら終わりのトーナメント、結果が全てである。
奇しくも、5/12の決勝までにJFL第7節(5/5鈴鹿開催)で対戦する。どんな闘いになるのか…。
しかしその前の4/27(土)待望のJFLホームゲームが待っている!日本フットボールリーグは第5節を終えて現在7位!次の対戦はホーム東員にテゲバジャーロ宮崎を迎える。その先に待ち構える決戦もさることながら、まずは目の前の闘いに気持ちを向けよう!ホームゲームで会いましょう!
第21回 日本フットボールリーグ第6節
- 日程:2019年4月27日(土)
- 対戦相手:テゲバジャーロ宮崎(現在14位)
- 会場:東員町スポーツ公園陸上競技場
- 開始時間:13時
三重県サッカー選手権決勝・天皇杯代表決定戦
- 日程:2019年5月12日(日)
- 対戦相手:鈴鹿アンリミテッドFC
- 会場:三重交通Gスポーツの杜 鈴鹿・メイングラウンド
- 開始時間:13:05
- NHK津にて生中継