NEWSヴィアティン・マニア
生き様を見せた120分間、天皇杯1回戦・関西学院大に勝利!
もうちょっと言うと「生き様を見せてくれ」と言ったんです。
一対一の場面だけでなく、ボールの奪い合いでそれを見せてほしいと伝えました。私自身もそうやって働きながら頑張っている選手たちを負けさせたくなかったんです。少し熱くなってしまう場面もありましたが、勝つことが出来て良かったです。負けさせたくなかったんですよね。
試合後の会見で上野監督はそう言った。
天皇杯1回戦、延長で関西学院大に勝利!
気温32.6℃。真夏のような暑さの中、120分に及ぶ激闘を制したのは三重県代表・JFLのヴィアティン三重だった。
4分:山見大登⑰ 関西学院大
10分:坂井将吾⑥ ヴィアティン三重
23分:西村仁志㉓ ヴィアティン三重
64分:中村匡克⑪ 関西学院大
92分:塩谷仁⑱ ヴィアティン三重
ヴィアティン三重 2-2(延長1-0)関西学院大学
試合終了後・上野監督公式記者会見コメント
最初に失点はしましたが、まず1点目、いい形で点を取ることができました。続いて2点目も普段練習している形で点を取ることができて良かったです。しかし、その後同点に追いつかれましたし、(関西学院大の)個々の能力が優れている選手が何人かいて、体格もいい選手がいるので、1対1ではなく複数で対処していこうとしたのですが…この暑さもあって途中から脚をつってしまう選手が続出していました、その中でも勝ちきってくれたことが本当に良かったと思います。
39歳のベテラン、和波も今季公式戦初出場で、久しぶりの公式戦で試合勘も少し遠ざかっているなかで本当によくやってくれたと思います。そういったように、全体で闘うことができたのが勝利に繋がったのだと思っています。
PKまで一応準備していましたが、延長で勝ちきることができて良かったです。
記者:三重県選手権決勝に続いて、延長戦となりました。若い大学生選手を相手に最後まで走り切ることが出来た要因はどのあたりにありますか?
今日は「意地」を見せて欲しかったんですね。なぜかというと、関西学院大は選ばれた選手たちで、体格も恵まれている選手ばかりです。しかも学業とサッカーに専念できる環境にあります。一方我々は働きながらトレーニングをしている選手がほとんどです、トレーニングの疲労もあれば、仕事の疲労もあります。その中で、大学生を相手にボールの奪い合いで絶対に負けたくない、彼らに絶対負けたくない「意地を見せよう!」と。そこをメインにやってきました。脚をつりながらも、最後までファイトして意地を見せてくれたと思います。
もうちょっと言うと「生き様を見せてくれ」と言ったんです。
一対一の場面だけでなく、ボールの奪い合いでそれを見せてほしいと伝えました。私自身もそうやって働きながら頑張っている選手たちを負けさせたくなかったんです。少し熱くなってしまう場面もありましたが、勝つことが出来て良かったです。負けさせたくなかったんですよね。
記者:決勝点の場面、得点に絡んだ各選手の働きぶりについてコメントをください。
最後の場面は事前のスカウティングで、折返しだったり、マークを外すところがわかっていましたので、阪倉コーチを始めみんながいい準備をしてくれていて、準備していた通りの展開になりました。そこで藤牧が良い折返しをして、塩谷が飛び込んでくれました。みんなで取った1点だと思います。
記者:次はいよいよ念願のJチームとの対戦です。意気込みを聞かせてください。
みんな湘南ベルマーレさんとやりたがってまして「勝って湘南とやろう!」と楽しみにしていました。とはいえそれまでにまだリーグ戦もありますので、いい準備をして、闘いの中で実力を上げていって、湘南戦に臨みたいと思います。そして全員で一丸となって闘いたいです。当然実力は相手の方が上ですので、全員でまとまって助け合える距離で、サポートしあって全力で闘いたいと思います。今日はありがとうございました。
関西学院大・高橋ヘッドコーチ 公式記者会見コメント
前半早い段階で点が取れたのですが、そこから2失点してしまったのは意図しない展開で、前半は同点かリードのままで終わりたかったというのがありました。後半に点を取って同点に追いつくことができたのですが、延長の最後の最後のタフさ、粘り強さという部分で上回られてしまって、最終的にはそこが敗因になったと感じています。
記者:JFLのヴィアティン三重は事前の分析において、どのようなチームだという印象を持って戦われましたか?
全員がしっかりハードワークしてくるチームで、サッカーの特徴は守備のところで前線からすごくプレスをかけてくるチームだと言うことがスカウティングでわかっていました。
記者;昨年は同じ三重県の鈴鹿アンリミテッドFCと対戦し勝利しました。昨年の一戦と比べてどんな印象でしたか?
去年もタフな試合でしたし、1点差のゲームだった中で勝利できたのですが、今年はハードワークを全面に出してくる相手だったので、ひとことでいうと、ほんとうにキツかった、タフな試合だったと感じています。以上です、ありがとうございました。
前半早々に失点、そして追いつき、追加点!
開始4分、早々に失点してしまう。しかしスタートから積極的なプレーを見せていた⑥坂井。ハーフウェーライン手前、⑯寺尾からのパスを⑳森主がダイレクトで前線へ、DFラインを見ながら素早く飛び出した坂井、相手DFと対峙しながら積極的にシュート。ボールはDFの脚をかすめてファーサイドの隅に突き刺さった。最初の失点から6分後、ヴィアティンが追いついた。
天皇杯 第99回全日本サッカー選手権大会1回戦 vs関西学院大学 ハイライト
前半早々に失点してしまい、同点に追い付くべく迎えた前半10分🕐
森主からのロングフィードに走り込んだのは坂井⚽️🏃♂️💨
相手DFをかわし、ゴール左隅に同点弾を叩き込んだ❗️⚡️#ヴィアティン三重#天皇杯#坂井将吾 pic.twitter.com/VqijYaanRb— ヴィアティン三重 【公式】 (@Veertien_TSC) 2019年5月26日
続いて23分、相手陣内で細かなパスを小気味よく繋いでゴール前に迫るヴィアティン。相手にボールを触らせずにショートパスを9本繋ぎ、最後は坂井から中に入ってきた寺尾へ。ややマイナス気味になってボールは後ろにこぼれたがそこにキャプテン㉓西村仁志が詰めて混戦の中からゴール!追加点を奪った。チームメイトに囲まれ、はにかむ西村。
天皇杯 第99回全日本サッカー選手権大会1回戦 vs関西学院大学 ハイライト
同点に追い付き、徐々にリズムを取り戻した前半23分🕐
スローイングから早いパスで繋ぎ、坂井🔜寺尾と繋ぎ、最後はキャプテン西村が蹴り込んでGOOOAL🤩‼️ヴィアティンが追加点をあげた⚽️⚡️#ヴィアティン三重#天皇杯#西村仁志 pic.twitter.com/XdvKsXTUJZ— ヴィアティン三重 【公式】 (@Veertien_TSC) 2019年5月26日
徹底したサイド攻撃に苦しんだ後半
1点リードで迎えた後半。前半もサイドからの展開で何度かピンチを迎えていたヴィアティン。相手はそこに付け入ってきた。
ピッチを広く使い、ディフェンスラインから両サイドのスペースに正確なロングボールを供給。右サイドから作れなければ左へ大きくサイドチェンジ。かなりの距離にも関わらず、サイドの選手の足元に正確なボールを蹴る。受け手もピタッと足元でボールを止め、すかさず中へ蹴り込む。大胆ながらもシンプルで精度の高い攻撃で崩しにかかる。
⑰野垣内・④寺田を中心に必死に防いできたが64分に失点、試合は振り出しに。その後も相手の猛攻をしのいで試合は延長に突入。三重県選手権決勝、鈴鹿アンリミテッドFCとの一戦が蘇る。
延長開始早々、値千金・塩谷の決勝ヘッド!
30℃を超える暑さの中での死闘。若い大学生を相手にハードワークを続け、脚をつる選手も多く総力戦で延長に臨むヴィアティン。
開始早々の92分、セットプレーのチャンス。コーナーキックのこぼれ球を左から㉗蓮沼が中へ放り込む。ファーサイドへ高く上げたボールに回り込んだ藤牧、相手DF2人を振り切ってリターン、そこへ走り込んだ⑱塩谷、相手に身体を寄せられながらも見事なヘッドでゴールに突き刺した。先発して92分走り続けたルーキーはまだ最後の力を残していた。
天皇杯 第99回全日本サッカー選手権大会1回戦 vs関西学院大学 ハイライト
延長にもつれ込み、その前半2分🕐
コーナーキックからのこぼれ球を、蓮沼が再びクロスをあげると、ボールは藤牧へ⚽️🦶💨これをヘッドでつなぎ、最後はゴールデンルーキー塩谷‼️🦁⚡️✨#ヴィアティン三重#天皇杯#塩谷仁 pic.twitter.com/E97ig74vPd— ヴィアティン三重 【公式】 (@Veertien_TSC) 2019年5月26日
その後も必死に相手の猛攻を凌ぐヴィアティン、誰よりも走り、誰よりも闘志を燃やしていたチーム1のハードワーカー⑳森主も限界に近づく。一度はピッチの外に出されるも、再び戻って走り続けた。
そして120分、主審の笛が鳴り激闘に終止符が打たれ、選手とベンチ、そしてオレンジ色のサポーターたちは歓喜の渦に包まれたのだった。終わってみれば相手に22本ものシュートを打たれたが(ヴィアティン9本)120分間、全選手がそれぞれの生き様を見せて闘い抜き、勝利を掴んだ。
39歳・ミスターヴィアティン・ベテラン和波の生き様
この試合、もう一つ嬉しいことがあった。ミスターヴィアティン・背番号⑦和波智広がスタメンでピッチに帰ってきた。
2週間ほど前、練習場でトレーニングを終えた和波と少し言葉を交わした。「コンディションはどう?」
和波:コンディションはここ数年で一番良いですよ。いつでも準備はできてますから。
そう言ってあの笑顔を見せてくれた。
本人からすれば、久しぶりの公式戦とあって満足がいくパフォーマンスではなかったかもしれないが、「走るサッカー」に変貌したヴィアティンで、また和波の全力で走る姿を見ることが出来たのは多くのサポーターにとって、勝利とともに最高のプレゼントになった。
次は2回戦、J1・湘南ベルマーレとの対戦!
ついにこのチャンスを掴んだ。天皇杯の醍醐味、J1クラブ・湘南ベルマーレとの対戦だ。忘れもしない2014年7月12日。第94回天皇杯2回戦、キンチョウスタジアムでのセレッソ大阪との激闘。
三重県リーグ1部のヴィアティンが、山口蛍選手、南野拓実選手、扇原貴宏選手らを擁するセレッソ大阪と対戦し、2-2で延長までもつれ込み、最後は2点差をつけられて敗れた一戦。
当時三重県1部だったヴィアティンがJFLまでたどり着き、今の実力をもって湘南ベルマーレと闘うことができる。こんなに楽しみなことはない。上野監督も言っていたとおり、当然実力は相手のほうが上ということは間違いない。しかし何が起こるかわからないのがフットボールである。「ジャイアントキリング」言葉でいうほど簡単ではないが、今から楽しみでしかない。
アウエーShonan BMWスタジアムで、オレンジの魂を見せてやろう。
天皇杯・JFA第99回全日本サッカー選手権大会 2回戦
- 対戦相手:湘南ベルマーレ(J1)
- 日程:2019年7月3日
- 会場:Shonan BMW スタジアム平塚(神奈川県平塚市)
- 開始時間:19:00クックオフ
第21回 JFL・第9節
- 対戦相手:松江シティFC(16位)
- 日程:6月2日(日)
- 会場:松江総合運動公園
- 開始時間:13:00キックオフ