NEWSヴィアティン・マニア
5度目のホーム戦、今季初勝利ならず。JFL第13節・ホンダロックSCに敗れる。
試合前、激しく雨が降る東員町陸上競技場。ピッチには大きな水たまりができており、芝の状態もあまり良くない。冬芝から夏芝への生え変わりの時期ということで、夏芝がまだ生え揃っていない状況とのこと。ピッチの排水作業が行われる中、徐々に雨足が弱まり晴れ間が差してきた。
3週間開いて待ちに待ったホームゲーム。いまだホームで勝ちがないヴィアティン三重。相手は現在5位につけている強豪ホンダロックSC。なんとしても欲しいホームでの勝点3。
結果は1-2で敗戦。今季ホーム初勝利はまたお預けとなった。
ヴィアティン三重 1ー2 ホンダロックSC
(前半1-1・後半0-1)
- 13分:ホンダロックSC・佐々木 翼㉓
- 26分:ヴィアティン三重・塩谷 仁⑱
- 72分:ホンダロックSC・米良 知記⑨(PK)
試合終了後・上野監督公式記者会見コメント
すみません。勝つことが出来ず、本当に申し訳なかったです。
まずホンダロックさんについてですが、本当に良いチームなんです。やろうとするサッカーも明確ですし、攻撃力もあります。今節は4人ほど違うメンバーを使っていましたが、前節はセットプレーでの失点がゼロのFC今治さんに対してセットプレーで得点していて、セットプレーの完成度も高い。とても良いチームだと思います。
その良いチームを相手になんとかして勝ちたい、という思いで練習を積み重ねてきました。選手はよくやっているのですが、勝利するところまで到達できず…。手順を踏んでこうやっていこう、守備はこうやっていこうと準備していても出来ないことが多い。たとえば守備に関して5つの約束事を準備していたが3つ出来ず、攻撃に関しても5つ準備していたところひとつ出来ず…そういったところ、やりきるべきところをやれない、それが果たせないと勝つことはできません。守備のところでも、結局穴を開けてしまって失点し負けてしまう。
試合後に選手たちと話した事は、サポーターの皆さん、メディアの方々や準備の方々、ホーム初勝利を願ってたくさんの人たちが応援してくれていた中で、今日の試合結果に関しては申し訳ないですとしか言えない。いま我々にできることは来週水曜日の天皇杯に向けて練習すること。そこからまた次のリーグ戦に向けて練習すること。それを積み上げていくことしかない。
今季チームの目標は4位に掲げています。現時点では(4位以内に入っても)J3に昇格するためのライセンスはないですが、4位という結果を残すことでクラブを取り巻くいろんな事が大きく動いて行くと思っています。その中で現場が、我々チームができることはベストを尽くして4位に入っていく、今年の目標を達成しようと。今日のような試合をしていたら4位は達成できない。みんなでもう一度見つめ直して、日頃の練習から取り組んで欲しいと選手たちには伝えました。
VTM:試合を通してヴィアティンの持ち味であるハイプレスやコンパクトなサッカーが見られませんでした。前半からそのように感じましたが、ハーフタイムにはどのような指摘・アドバイスをされたのでしょうか?
おっしゃるように、前半からコンパクトにできず、プレスにも行けない。理由は、フォワードから前からのプレッシングに行けなかった点が上げられます。そして間延びし、セカンドボールの出足でも遅れ相手に奪われ、自分たちのペースに持っていくことが出来なかった。途中からもっとコンパクトにするように伝え、坂井と北野には疲れてもいいからどんどん前からプレスに行くよう指示しました。
前半の点をとった直後あたりは良い時間帯が少しありました。でも多くの時間、相手の方が良かった。我々がプレスをかけようとすると背後に入れられてしまったり、キープ力も技術も高い選手が多く、振り向かれ、突破されという状況が多かったです。結果的にこちらが意図したことができませんでした。
記者:強い相手に対して準備していたこと、出来なかったことはどういったことでしょうか?
ここでお話できる部分としてあげるとすれば、前半に右サイドから抜けてクロスを上げた場面がありました。抜けた選手と相手選手、1対1の状況だったと思います。あのクロスを上げる場所はあそこではないんです。あの場合にどこにクロスをあげるのか?という約束事があります。サイドから切り込んだ時にはどうする、誰がどこに入って、誰に対してクロスを上げるといった具合に。その手順を約束事どおりに、普段の練習通りにやれないから点が取れない。
技術やフィジカルで我々を上回る格上のチームがほとんどですので、そういったチームに勝っていくためにはやるべきことを削ぎ落として、それを徹底していく。それしかない。守備でも同様に、クロスに対してマークを外してしまうから失点する。2点目も同じ様に対応してPKを与えてしまった。
記者:それは練習でやっていることをやれなかったのか?やらせてもらえなかったのか?どちらでしょうか?
そこは表現が難しいのですが、先ほど上げた具体的なチャンスの例で言うと、そのクロスを上げた選手個人だけのせいという話ではないんです。日頃から練習でやっていても出来ないというのは「出来るまでやる」以外に方法はありません。そういった想定どおりにできない場面がいくつもいくつもあります。そうするとやはり勝つことはできません。
格上の相手に対して決定機を作ろうとしても多くは作れません。それをものにするために我々がやるべきことは削ぎ落として、削ぎ落として徹底してやる。守備でも攻撃でも徹底する。そこに活路を見出すしかない。そう思っています。
時間はかかるかもしれませんが、少しずつ少しずつ良くなっているんです…。「少ないチャンスをものにする。」それを練習で徹底してやっていますので、繰り返しやるしかない。今日はありがとうございました。
13分・早々に失点、苦しい流れのなか塩谷が決めて追いつく
最初の失点はあっけなかった。13分・相手左サイドが深いところまで切り込んでグラウンダーのクロスを中に放り込む。右サイドから中に入ってきたホンダロックSC㉓佐々木選手をフリーにしてしまい決められる。先日のFC今治戦に続き、早々に先制され追いかける展開。
前半からあまりボールを保持できないヴィアティン。いつもの強烈なプレスがかからずボールを奪えない。プレスに行くと引きつけられてかわされたり、早めにスペースに出されたり、動きながら良い場所でパスを受けるホンダロックの選手たち。
26分、フリーキックを得たヴィアティン。キッカーはキャプテンの西村仁志㉓。ふわっと高く蹴ったボールはファーサイドの塩谷⑱へ。詰めてきた寺田④を意識して動けない相手GK、ゴール右隅を狙った塩谷が決め、同点に追いつく。
2019JFL 第13節 vsホンダロックSC ハイライト📹✨
1点ビハインドで迎えた、前半26分🕐
相手ゴール付近でフリーキックのチャンス🎯‼️
キッカー西村(仁)のフワリと浮かせたボールに、塩谷がうまく合わせてゴール⚽️‼️ゴールデンルーキーの同点ゴールで試合を振り出しに戻す🤩#ヴィアティン三重#塩谷仁 pic.twitter.com/CmPVNIUwEW— ヴィアティン三重 【公式】 (@Veertien_TSC) 2019年6月29日
ゴールを奪ってやや息を吹き返したヴィアティン。セカンドボールを拾った坂井が攻め上がる。高めのディフェンスラインを見て裏を狙う北野⑩。一旦真ん中でフリーになっていた寺尾⑯にはたき、そこから裏を取った北野へ。ディフェンスを振り切って深いところまで持ち込んだ北野がクロスを上げるが中で待っていた塩谷のところで相手DFに寄せられて惜しくもチャンスが潰える。
2019JFL 第13節 vsホンダロックSC ハイライト📹✨
同点に追いつき、逆転を狙う前半43分🕐
相手ゴールキックからのボールを奪ったヴィアティン‼️
坂井が駆け上がり寺尾へ⚽️そして、スルーパスに抜け出した北野がクロスを上げるが、惜しくもファーサイドの塩谷に合わず💦#ヴィアティン三重#北野純也 pic.twitter.com/0rMMZQZk3L— ヴィアティン三重 【公式】 (@Veertien_TSC) 2019年6月29日
後半も相手ペースが続く苦しい展開、PKを献上し勝ち越しを許す
濡れたピッチ、やや荒れた芝にも関わらず後半に入ってもテンポの良いプレーを展開するホンダロックSC。何度も押し込まれる場面を必死で守り抜くヴィアティンの選手たち。
思うようにパスを繋ぐことが出来ない中、何度かカウンターのチャンスを迎え坂井、北野、塩谷が走る。しかしゴール前に迫るものの決定機は作れずゴールの匂いがしない。
プレスがかからない、ボールが奪えない、コンパクトな陣形が作れず奪った後にパスが繋がらない。これまでヴィアティンが築いてきたスタイルが影を潜めていた。そしていつも以上に声を上げる上野監督。語気を荒げる様子からうまく行っていない状況が伺える。
そして72分、何度も何度もゴール前ギリギリのところで跳ね返してきたが、一歩遅れた野垣内⑰がエリア内でファール、PKを与えてしまう。そして決められて勝ち越しを許す。うまくいかない。
その後は北野に代えて藤牧⑬、坂井に代えて原口㉞、寺尾に代えて平信㉚を投入。何度かシュートチャンスまで至るがゴールを奪う事は出来なかった。
アディショナルタイム3分が過ぎ、タイムアップ。ホームでの今季初勝利はまたもお預けとなった。勝てばホンダロックSCと順位が入れ替わり5位あたりに浮上できたはずだったが、持ち味を発揮することが出来ず敗戦となった。
「出来そうで出来ていないこと」がまだまだある。
「出来そうで出来ていないこと」がまだまだある。先日、東京武蔵野シティFC戦前のインタビューで坂井が言っていた言葉だ。
今日は出来ない部分が多かった。相手が強くなれば強くなるほど「出来ること」のクオリティと、より高い精度が求められる。出あしの一歩やコンマ数秒の判断で相手の方が上回り、思うようにプレーできなかった。会見で監督が言っていたように「削ぎ落としたプレーを出来るまでやる。」解決するにはそれしかない。
上野監督は口癖のように「またこれから練習していきます。」と言う。少ないチャンスをものにする、どんな状況でも出来るようにする。それを身につけるには練習する以外にないということだろう。
その言葉には「もっと練習すれば出来る。もっと練習すれば勝てる。」というメッセージが込められている。そう強く感じた。
天皇杯・JFA第99回全日本サッカー選手権大会 2回戦
- 対戦相手:湘南ベルマーレ(J1)
- 日程:2019年7月3日
- 会場:Shonan BMW スタジアム平塚(神奈川県平塚市)
- 開始時間:19:00クックオフ
そして次はいよいよ…!!!天皇杯2回戦!湘南ベルマーレとの対戦です!!!湘南ベルマーレを相手にヴィアティン三重がどんな闘いを見せるのか?上野監督はどんな戦略で臨むのか?ジャイアントキリングは簡単に起こらないからこそジャイアントキリング。
とにかくこの一戦を全員の力で闘い、全力で楽しもう!FOOTBALL PLEASURE!!