NEWSヴィアティン・マニア
上野展裕監督:V・ファーレン長崎戦直前インタビュー
「いや〜この暑さどうにかならないですかね、ホントに暑い!!でも人工芝のグラウンドより土のほうが暑さはまだマシなんですよね〜、でもフラフラですよ(笑)」トレーニングで使ったマーカーやコーンを片付けながらインタビュー前に笑顔で話しかけてくれた上野監督。
炎天下で走り回る選手たちがハードなのはもちろん、暑さの中ずっと指示を出し続ける上野監督や阪倉コーチの疲労度もハンパではないはず。「フラフラですよ〜」と言いながらも満面の笑み、きっと良い練習が出来た証だろう。
2019年8月10日(土)練習を終えたあと、天皇杯3回戦、V・ファーレン長崎戦に臨む上野監督に話を聞いた。
ターンオーバーでの選手起用と百戦錬磨の手倉森監督
VTM:J2のV・ファーレン長崎というチームをどんなチームだと見ていますか?
ポイントは大きく2点あります。
まず最初に、V・ファーレン長崎さんはリーグ戦とカップ戦の間でターンオーバーしてくると思われます。(※ターンオーバー:先発メンバーのほとんどを大幅に入れ替えること)従って、どの選手が出てくるのかが予測しづらいです。能力の高い日本人選手、外国人選手を多く集めているチームですので、間違いなく強いチームだと思います。
2点目は手倉森監督の手腕です。手倉森監督はうまく手綱を締めて、チームを良い方向に持って行ってると思います。今は少し調子を崩しているようですが(J2・27節を終えて11位)、崩していても必ず良い方向に持ってくるんですよね。経験豊富で百戦錬磨、リオ五輪代表チームやベガルタ仙台(2004〜2013年)も良いチームに仕上げていましたので、現時点でのベストの状態に仕上げてくると予想しています。
VTM:今現在のヴィアティンにとって、天皇杯という大会の意味をどのように捉えていますか?
とても大事な試合だと思っています。三重の方だけではなく、広く全国の皆さんに対して、チームの存在、実力を示す大事な試合だと思っています。先日の湘南戦が「たまたままぐれで勝ったんじゃないのか?出来すぎじゃないのか?」と思われないように、たまたまでJ1のクラブに勝てるほど甘くはないですし、偶然ではないということをしっかりと証明したいと思います。
VTM:今日は暑い中、ありがとうございました!
こちらこそありがとうございました、応援よろしくお願いします!
天皇杯という大会の意味。Jクラブと闘うことの価値。
いよいよ数日後に天皇杯3回戦、V・ファーレン長崎(J2)との一戦を迎える。
ヴィアティンと天皇杯と言えば、これまで2014年の第94回天皇杯2回戦・セレッソ大阪との試合が語り草になっていたが、先日の第99回天皇杯2回戦・湘南ベルマーレに勝利したことで、2014年の実績を超えただけでなく、J1クラブを失点ゼロに抑えた上に4-0で大勝、エース坂井のハットトリックという結果で、世間に強烈なインパクトを与えることができた。
まさにジャイアントキリング。天皇杯の醍醐味であり、JFLクラブであるヴィアティン三重が全国のサッカーファンにその名を轟かせるのに十分な結果を残した。
天皇杯を勝ち進んでもJ3に上がれるわけではないが、どんな広報活動やイベントでも敵わない、圧倒的な注目度・インパクトを与えられるチャンス、それが我々ヴィアティン三重にとっての天皇杯である。
そして選手たちにとっては、格上のチーム、格上の選手と対戦でき、自分たちの実力を全国に示す事ができる最高の舞台、それが天皇杯だ。
天皇杯の意味・藤牧祥吾選手コメント
天皇杯はヴィアティンが広く認知されるきっかけになった大会でもあります。僕自身も2014年の天皇杯2回戦、セレッソ大阪との試合を当時CS放送で見ていました。
あの試合がヴィアティンというチームがあるんだということを地域の皆さんに知ってもらうきっかけになったと思うので、それを踏まえて今回3回戦に進むというのは、あの時以上に多くの人に知ってもらうことができるチャンスになると捉えています。良い結果、良い試合に繋げたいと思います。
サクラのボールにかける想い。
ヴィアティンの練習を見学したことがある方はご存知だと思うが、ヴィアティン三重は天皇杯の試合前には練習でもモルテンの天皇杯公式球・サクラ模様のボールを使っている。
4月21日に行われた三重県選手権準決勝、四日市大学との試合の公式球もこのサクラ模様のボールが試合球として使われていた。この試合で、普段JFLで使用しているアンブロの試合球とは若干フィーリングが違うという選手からの声が上がり、次の鈴鹿アンリミテッドFCとの決勝に向けて練習用にこのボールを買い揃えた。
この試合球でのトレーニングがどれだけの効果を生んだのかは計り知れないが、ボール購入後の三重県選手権決勝や関西学院大との1回戦、湘南ベルマーレとの2回戦を勝ち抜いた結果を見ると、勝因の一つであると言えるのかもしれない。
ボールのフィーリングを我々が知ることは出来ないが、練習を取材する立場からしても「天皇杯に向けたトレーニング」というメンタル面でのモチベーションアップ、集中力向上の効果があるようにも感じた。
この日は土のグラウンドでの練習。土煙の先に転がるサクラ模様の天皇杯公式球。JFLのヴィアティン三重がJ2のV・ファーレン長崎を相手に下剋上、再びジャイアントキリングを起こすことができるのか?
準備は整った。あとはキックオフの笛を待つだけだ。90分闘い抜いたあとに、長崎で勝利のラインダンスを踊ろう。