NEWSヴィアティン・マニア
記者会見・質疑応答全文:東員町陸上競技場をJ3基準に改修決定②
先日お届けした記事(「2021年J3昇格を目指して、東員町陸上競技場をJ3基準に改修決定!」https://www.veertien.jp/fc/news_all/v-mania/25253)の続編として、記者会見でのその他の質問事項に対する水谷町長、後藤社長の回答を全てお伝えする。
質疑応答全文
質問1:三重県にはスタジアム推進会議というものがあります、官民一体となってスタジアム建設に向けての議論が行われている中で、今回東員町陸上競技場を改修するという決断に至った経緯をお聞かせ下さい。
後藤社長:県民会議(発足前の検討委員会含む)が2年ほど前に発足され、J1規模の大規模なスタジアムを作ろうということで色々な企業の方々や有識者がメンバーに入って打合せを重ねている中で、もちろん弊社としても県民会議のみなさまとコミュニケーションを取り、今回の件も相談しながら話を進めてまいりました。数日前に開催された県民会議の中で、ヴィアティン三重が独自に東員町陸上競技場を改修してJ3基準に整備することについて支援すべきかどうかの議論がありました。県民会議としては、オール三重という県民クラブ創設のお考えを表明されていますが、今の時点でまだ何も合併等の進展が無いなかで、今回のヴィアティン三重が独自に改修する件について支援をすべきかどうか、という意味合いになります。「自助努力により勝ち取ったチャンス。意欲あるクラブの取り組みであり、まずは支援をすべき」「県民会議での(県民クラブの)議論は非常に時間を要するので、機運を高めるためにもまずはJ3チームが実現することが大切」「全力で頑張っている若い選手たちの夢を奪うようなことがあってはならない。」とのご意見が多かったようで、参加されたメンバーの方からは賛成多数で支援しましょう、ということになりましたよとお聞きをしました。
皆さまがおっしゃる通り、複数チームが存在しているなかで県民クラブは簡単に進むものでは無いですし、県民クラブを創設してからJ1規模のスタジアムが完成するのを待つのは、選手たちやスポンサー様などあらゆるステークホルダーの皆さまのことを考えますと、時間の掛かりすぎるプロジェクトです。それならば自分たちで何とかしよう、と考えた訳です。まず5,000人収容のコンパクトなJ3規模のスタジアムはクラブの努力によって実現するものなのかなと感じています。全国の流れを見てもそうなってきています。ただ、J1規模の大規模なものを自前で作れるのかというと、当然簡単ではないですから、まず今回のようなJ3規模をクラブで実現させ、そしてJ3昇格をまず実現する。昇格後もクラブは収入を増やしたり組織作りだったりもっともっと成長しなくてはいけない。チームも強くしなければいけない訳ですから、(J2を狙うためには)とても時間が掛かると思います。そのような活動をしていく中で、県民会議が目指すJ1規模の議論がもっと深まってくるのでしょうし、そのときに我々がJ3チームとしてサッカーの機運をもっと高めることが出来ていれば「J1規模のスタジアム建設の後押し」になるのではないかと思っております。
県内の他チームさんと話をすることも多いのですが、普段はライバル関係にあっても鈴鹿アンリミさんや伊勢志摩さんとも携帯で連絡を取り合う仲ですし「まずはお互いそれぞれに頑張ってJ3チームを誕生させよう!」なんて話はしています。そういったことも踏まえて、今回のことが県内全体での機運上昇に繋がることを期待しています。
質問2:一年でも早くJ3へ!と先ほども言われてましたが、後藤社長のお考えとしては実際にはどういったスケジュールでの昇格を目指していらっしゃるのでしょうか?
後藤社長:今日の午後、ヴィアティン三重公式サイトで「百年構想クラブの申請をしました」といった趣旨のお知らせを掲載します (※「2019/11/29掲載:Jリーグ百年構想クラブ申請書類の提出について」https://www.veertien.jp/fc/news_all/club/25250)11月末に提出をし、12月と1月〜2月にかけてJリーグの方がヒアリングに来られます。そして2月下旬ごろにJリーグ百年構想クラブとして承認いただけるか否かが発表されます。これが最初のステップです。※以下、箇条書きにて記載
- 2019年11月末:百年構想クラブ申請
- 2019年12月・2020年1〜2月:Jリーグのヒアリング
- 2020年2月末:百年構想クラブ 承認の可否発表
- 2020年6月:J3クラブライセンス申請
- 2020年9月:J3クラブライセンス 承認の可否発表
- 2020年11月末〜12月頭:JFL終了 昇格条件をすべてクリア
・最終順位4位以内
・百年構想クラブ上位2位以内
・ホームゲーム平均観客数2,000人以上 - 2020年12月:J3昇格 承認の可否発表
- 2021年3月:J3開幕
最短で2021年にJ3昇格となります。水谷町長から先程頂いた(最短でJ3昇格を目指して欲しい!という)力強いお言葉は、その考えをお持ちいただいているからだと思います。
クラブとしても長年在籍している選手、クラブスタッフにとってもJ3昇格は悲願です。スポンサー様やサポーターの皆さんからの期待もあって、今回の改修工事については千載一遇のチャンスでもあり大きな出来事ですので、J3昇格はとてもハードルは高いとは思っていますが、クラブ一丸となりチャレンジし実現したいと考えています。上位の成績を収めるためには、この年末年始でチームを強くするための強化・補強が必要だと思っています。そして来年3月の開幕に向けて準備をして、並み居る強豪を相手に闘って結果を残したいと思っております。
大切なことは、我々は地域のため子ども達のために存在しているクラブです。昇格ありきで何かを疎かにしてはいけないですし、Jリーグ昇格自体がコンテンツになってはいけない。理念を実現することがクラブの目的であり一番大切なこと。そして、高い“目標”として2021年昇格を目指して全員で取り組んでまいります。
質問3:指定管理の期間を10年間とされたのはどのようなお考えによるものでしょうか?
水谷町長:10年間というのは、指定管理をして頂くにあたってJ3規格に見合った改修をしてもらいます。その投資が小さな額ではなく数億円かかります。それだけの投資をして頂いて短期間の契約というのはありえないと私は考えております。もうひとつはこの東員町で育ってJ3に昇格して欲しい、そのためにみんなで応援していこうということですので、じっくりとチームを作って頂けるような期間が必要ではないか、と思いました。そういった考えのもと10年が妥当ではないかと判断しました。
質問4:今回J3規格のスタジアムに改修するにあたって、資金調達、改修スケジュールについて教えて下さい。
後藤社長:改修工事は2019年12月9日からスタートします。JFLは毎年3月上旬〜中旬に開幕しますので、それまでに殆どの工事を終わらせます。多少は工事箇所が残るとは思いますが、試合運営に影響が出ない範囲の工事が残るとお考えいただければと思います。
Jリーグのスタジアム担当の方に何度も足をお運び頂き、基準に照らし合わせながら工事が必要な箇所を洗い出しました。圧倒的に不足しているのは「部屋」なんです。どこの施設もそうなんですが、選手のロッカールームを始め、審判用控室、シャワー室など、Jリーグの色々な基準がありますので、それをひとつずつ確認して頂いた上で最終的に工事内容を確認・最終承認を頂きました。それをもとに見積もりを出し工事スタートといった流れです。
工事費用に関しては、弊社は大きいクラブではありませんので、時期は調整中ですがクラウドファンディングも予定しております。そして現在約300社のスポンサー企業様がいらっしゃいますので、スポンサー企業様にもご協賛なのか、寄付なのかは企業によって考え方は異なると思います。いくつかのスポンサー企業様に対しては内々に今回の件をお伝えさせて頂いておりまして、そのお話のなかでご支援頂ける感触はある程度掴めております。
つまり、中心はスポンサー企業様のご支援、そして、先ほど話しましたクラウドファンディングも活用して資金調達をします。
クラウドファンディングを行うにしても時間は十分にあります。例えば個人の方向けであれば、記念になるネームプレートのようなものをスタジアムの壁に貼ることでご支援をいただいたり、ファン・サポーターの方にも記念に残る、愛着を持って頂けるような方法を色々と考えているところです。
質問5:ネーミングライツについてはどのようにしたいとお考えでしょうか?
後藤社長:ネーミングライツについては、先ほどお話した現在ある300社のスポンサー企業様から手を挙げて頂けるのか?それとも今回の報道を見た新規のスポンサー企業様が「ネーミングライツであれば興味がある」と感じて手を挙げて頂けるのか?どなたからのご紹介になるのかはわかりませんが、今日の時点では決まっておりませんのでこれから決まることになります。
質問6:ホームタウンに関しては複数の市町村と結ぶことが多いと思いますが、東員町をホームタウンとされるお考えをお聞かせ下さい。
後藤社長:Jリーグ百年構想クラブ申請とも直結する部分なんですが、口頭でホームタウンだよと言うだけでなく「ホームタウン支援書」を頂く必要があります。先ほど町長からいなべサッカー協会のお話もありましたが、ここ東員町はいなべサッカー協会様の管轄エリアになります。協会のあるいなべ市もホームタウンとして支援書を頂きました。クラブ事務所のある桑名市からの支援書も頂いております。以下、順に列挙すると…
- 東員町
- 桑名市
- いなべ市
- 木曽岬町
- 川越町
- 朝日町
- 菰野町
以上がホームタウン支援書を頂いた自治体になります。
四日市市が入っていない?と思われたかもしれませんが、四日市市からも支援書は頂戴しております。ただし「ホームタウンという文言は掲載なしでお願いします」とご連絡を頂きました。理由は明確でして、ヴィアティン三重は四日市サッカー協会に登録しているチームでは無いためです(桑名サッカー協会登録)。これは各自治体や各地域協会の皆さまにより考え方は色々ありますので致し方無いと思います。ホームタウンで無くとも、広報面などを中心に四日市市としてもご支援頂ける訳ですのでとてもありがたいです。四日市にも桑名や東員町いなべ市と同じくたくさんのスポンサー企業様がいらっしゃいますし、後援会会長は現在四日市のトランスシティ様です。四日市の応援頂いている皆さまの期待にお応え出来るように活動していきたいと思います。
もう1つは、三重県からも支援書を頂いております。三重県全域をホームタウンとするという意味ではなく「三重県としてもヴィアティン三重のJリーグ入りに向けた活動を支援します」と言う意味の支援書になります。
記者:公式なホームタウンというのは先ほどリストアップされた市町村になるわけですね。
後藤社長:はい、そうなります。Jリーグが規定する「ホームタウン」というのは先ほど列挙した市町村になります。よくJリーグクラブでもホームタウンとは別に「活動エリア」を挙げていることがあるのですが、そこに四日市市が入ってきます。
百年構想クラブ申請とヴィアティン三重公式サイトの記載事項が連動している必要がありましたので、すでにクラブ概要のページは修正済みとなっています。※ヴィアティン三重公式サイト・クラブ概要ページ → https://www.veertien.jp/fc/club
もう1つ参考としまして、弊社は総合型スポーツクラブとして複数の種目が活動をしています。そのなかでバレーボールは四日市市や津市ともホームタウン協定を締結しています。ハンドボールの主たる地域は四日市市です。今後色々な場面において総合型クラブとしての相乗効果も出てくるのかなと考えております。
質問7:指定管理者となったことで、クラブにとってのメリットと東員町民にとってのメリットはどのような事がありますか?
後藤社長:弊社のメリットとしては、今回のJ3基準の工事も指定管理者になったからこそできるわけですので、まずそれが大きなメリットと感じています。また、指定管理者であるからこそサッカー以外の競技のことを考慮した陸上競技場運営・管理が必要だと思っています。もちろんJFLのホームゲーム15試合の開催日程確保は大切ですが、他競技をないがしろにしてスケジュールを組むようなことがあってはなりませんし、そういった点も踏まえて地域の皆さんに喜んで頂ける指定管理者を目指すという方針を発表しておりますので、競技場を利用する様々な競技関係者のみなさんとお話をした上でバランスをとって運営をしていきたいと思います。
あとは、今までこの陸上競技場では開催されていなかったようなイベントも、指定管理者として企画して開催していけます。東員町様や地元企業の皆様とコラボしたイベントも出来ますし今からとても楽しみにしております。総合型クラブとしての強みを生かしながらイベントを企画・誘致していきたいと思います。
東員町様としてのメリットというのは、いまお話したようなイベント開催もそうですし、先日の三重ダービーの時のように4000人を超える観客が集まる賑わいがあったり、サッカーに興味が無くてもスタジアムグルメや子どもたちのサッカー教室であったり、様々なイベントを含めて地域のみなさんの憩いの場ができるのではないか、三世代が集える場所が作れるのではないかと思っています。
そしてその他のスポーツ、イベント、文化的な活動を含めて、東員町のまちづくり、活性化に繋がることを計画していきたいと思っていますので、そこをメリットと感じて頂けると嬉しく思います。