NEWS

アーカイブ

NEWSヴィアティン・マニア

今季三度目の百年構想クラブ対決、奈良クラブに惜敗

2020年10月03日 

全15試合で行われる今季のJFL。ちょうど折返しとなる8試合目は今季三度目の百年構想クラブ対決。勝点8で並び、ともにJ3昇格を目指す奈良クラブとの対戦でアウェーならでんフィールドに乗り込んだ。今節からアウェーサポーターも観戦できることとなり、三重から駆けつけた熱いサポーターの後押しを受けて闘ったが、ゴールは遠く1-0で敗れた。

奈良クラブ 1-0 ヴィアティン三重
(前半0-0・後半1-0)

  • 68分:奈良クラブ・菅野哲也⑦

試合終了後・上野監督コメント

司会:試合全体を振り返ってください。

上野監督:今日はアウェー奈良での試合でしたが、三重からたくさんのサポーターが来て頂いて本当にありがとうございました。みなさんの期待に応えることができず負けてしまい、申し訳ありません。

試合内容に関してはまず前半、もっとコンパクトに闘いたかったのですが、奈良クラブさんのロングボールに対してセカンドボールを拾うことが出来ず、後手後手になってしまい苦しみました。後半からはセンターバックに入っていた⑰野垣内俊を左サイドバックに置き、㉝奥村泰地を入れました。しかしながら自滅と言いますか、自分たちが蹴ったボールが味方同士で当たって相手選手の前にこぼれ、それを蹴り込まれて決められてしまいました。何度かピンチもありましたがチャンスもありました。前半終了間際には⑱佐藤洸一が右からの一対一、後半にも終了間際に㉞原口拓人がチャンスを作りました…最低でも引き分けに持ち込んで終わりたかったのですが、それを決めきることが出来ませんでした。

ここで二週間ブレイクがありますので、もう一度みんなで練習をやり直して二週間後の再開に向けて準備したいと思います。

VTM:ここ2試合、得点を奪えず難しい試合が続いていますが、百年構想クラブ同士の対戦であったり、J3クラブライセンスを得て選手たちが昇格をこれまで以上に意識している、気負っているような雰囲気があるのでしょうか?

上野監督:気負いというよりも、悔しさが混じったやる気を強く感じています。「自分たちはもっとやれたのに」という悔しさといいますか、Honda FC戦で引き分けて、FC大阪戦に勝ち、いい試合をしてきたのに滋賀、松江と負けて先週の大分に負けて今日の奈良クラブ戦にも負けてしまった。

悔しさの混じったやる気、強い気持ちを持ってやってはいるのですが、今日の試合に関しては奈良クラブさんの個々の選手の寄せるスピードやフィジカルの能力に勝つことができなかった。じゃあ我々は何で相手に勝ることができるのかというと、チームワークや連携だと思います。立ち上がりから途中まではいい部分もありましたが、徐々にペースを握られて自分たちの強みを発揮できなくなってしまった。キワのところで個々のチカラの差を浮き彫りにされて負けてしまった。

しかしもう一度自分たちがやるべきこと、何をコンセプトにしてやってきたのか、上にあがるためにどうすればよいのか、というところは変わりませんので、もう一度全員でやり直していきたいと思います。今日はありがとうございました。

試合終了後・奈良クラブ 林監督コメント

林監督:ヴィアティン三重さんと対戦して、本当に強いチームだと感じました。上野監督も素晴らしい監督さんでとても尊敬しています。サッカーの結果はどうしても水ものですので勝つときもあれば、負けるときもあります。今日の試合で言えば、最後に押し込まれた場面(㉞原口拓人がゴールに迫ったシーン)では私にできることは何もなかったです。でも選手たちが踏ん張って跳ね返してくれました。我々の方に運があったのだと思います。

シーズンが始まる前から選手たちにずっと言っていたのは、今シーズンHondaFCと戦える、対抗できるチームはヴィアティン三重だと。ここに来て左サイドバックの井上選手の離脱はチームにとって大きな痛手だったと思います。左利きの左サイドバックは貴重な存在ですし、セットプレーでもものすごいボールを蹴る選手ですので。僕らもエースの水谷選手を怪我で欠いているのでそこはイーブンかもしれませんが。

でも今日戦ってみてヴィアティン三重さんは本当に良いチームだと思いました。本当にキツかったです。その分だけ嬉しさも大きいです。これだけの強いチームと良い試合ができたので、どこに勝った時よりも嬉しいと言えるかもしれません。

いつもヴィアティンさんのハイライト動画を見ています。ホームゲームの盛り上がりやゴールシーンのリプレイや、もうこれはDAZNじゃん!すごい!と思って見ています(笑)対戦相手としてではなく、一人のサッカーファンとしてヴィアティン三重の試合を楽しみに見させてもらっています。上野監督は尊敬する監督の一人ですし、ヴィアティンのサッカーは学べる事が多いのでいつも見てます。次の対戦相手でもないのに見ているぐらいです。奈良の皆さんすみません!三重の話で5分も使っちゃいました(笑)

記者:今日の勝敗を分けたポイントはどこにありましたか?

林監督:正直に言うと、今日の試合の勝敗を分けた一番のポイントは、前の試合で僕らが勝ったことです。

天皇杯を戦って、中2日でテゲバジャーロ宮崎さんと対戦しました。天皇杯の試合を夜やって、翌日オフ、その翌日に宮崎へ移動、リカバリーも練習も何もできない状況の中でアウェーで未だ無敗のテゲバジャーロ宮崎さんを相手に先制されて逆転勝ちすることができました。(14日間で5試合を戦った)

あの勝ち方、あの頑張り、みんなの戦い方…、サッカーって報われないことばかりなんです。どんなに頑張っても負けてしまったり、すごく良いサッカーをしていてもたったひとつのプレーで世界が変わってしまったり。努力に見合った結果が出ることはとても珍しいことだと思います。でもあそこで努力に見合った結果が出たので大きな自信が生まれたのだと思います。

その瞬間がヴィアティン三重戦の直前に来たというのがとても大きかったと感じています。そして今日の試合で最後まで気持ちを見せて泥臭く戦って勝ち切ることができた。

僕はこのチームに対してずっと言っていることがあります。JFLで一番強いチームになる必要はない、一番上手いチームになる必要もない、一番戦術的に面白いチームになる必要もない。でもこのチームはJFLで一番戦えるチームになるんだと。一番ハードワークして、一番戦えるチームになるんだ。それを宣言しています。それをこの2試合で達成できました。

今日も最後まで身体を投げ出したし、最後まで走ったし、これが奈良クラブの文化になると思っています。これだけ戦えるチームを作れているということを誇りに思っています。勝てなかったり、努力が報われない期間に、試合に出ている選手も出ていない選手も誰一人諦めること無く僕のことやチームの事を信じてやってきてくれたからこそこうやって報われたのだと思います。

考えなくても対応できるぐらい徹底した(林監督談)

前半・後半を通して終始苦しんだことは上野監督のコメントからもわかる。しかし決定的な場面も数回訪れた。今回はそれを振り返る前に、試合後の会見で奈良クラブ・林監督が言われていたことを振り返る。上記のコメントには掲載しなかったが、最後に記者の戦術的な質問に対してこう答えていた。

林監督:ヴィアティン三重さんの4-4-2でのパターン攻撃に奇策で対抗するのではなく、真っ向勝負で挑むということを選手たちに伝えました。ヴィアティン三重さんの攻撃の精度が上回るのか?僕たちの対策の浸透度が上回るのか?その勝負だったんです。その対策プラスアルファのところで選手たちが最後まで身体を投げ出して戦ってくれました。やることはシンプルだったので考えなくても対応できるぐらいまでやりました。

会見ではかなり具体的なところまで語られていたがここでは割愛する。しかし終わってみると随所にその場面が見られた。攻撃が展開していく手前のところで潰されてしまい、ボールを受けても前を向ける場面がほとんどなかった。更にはあと一歩のところの気迫、球際の強さがほんの少しのところで相手が上回った。

J3昇格を目指すチーム同士の闘い。勝点は同じで少しでも上に行きたい気持ちは同じ。しかし林監督が語っていた通り、前節の宮崎戦の勝利で絶大な自信を手にした相手は強かった。

チャンスは多くなかったが、確実に相手ゴールを脅かす場面はあった、しかし決められなかった。そこだけが勝利の鍵を握るポイントと言えるかもしれない。決定的な場面をハイライト動画で一気に振り返る。

38分・⑦塩谷シュートシーン

前半AT・⑱佐藤洸一シュートシーン

47分・⑰野垣内シュートシーン

49分・㉕望月シュートシーン

65分・㉑加藤大喜のファインセーブ

88分・⑱佐藤洸一シュートシーン

後半AT・㉞原口拓人シュートシーン

残り7試合、ひとつの勝利が次への可能性を繋げる

全15試合中8試合を終えて勝点8の13位。簡単な状況ではないものの現在3位のテゲバジャーロ宮崎との勝点差は「6」。試合数に若干の差はあるが諦める差では全くない。J3昇格権を持つ6チームが勝点6差の中でしのぎを削る。8試合でこの差が付いたのであれば残りの7試合でひっくり返すことも不可能ではないはずだ。

そのためにはまずひとつ勝つこと。

目の前の一戦に勝たない限り可能性は繋がらない。ヴィアティン三重のサッカーが、上野監督のもとで1年半培ってきたサッカーの精度が、紙一重のところで相手より勝るのことができるか?それを紙一重で上に行かせるのはトレーニングなのか、気持ちなのか?最後にゴールを決めるために足りていないのは何なのか?今こそ上野監督が言う「やるべきことをやる」に徹して次に向かおう。

いつまでも下を向いてはいられない。

フォトギャラリー

公式記録

NEXT MATCH 10/18 SUN vs 東京武蔵野シティFC