NEWSブログ
「スペインFútbol 通信 vol.5」 後藤三知アドバイザー
「スペインFútbol 通信」Vol.5
Hola!! オラ (Kaixo‼ カイショ :バスク語)
みなさん、こんにちは(^^)
2月28日、San Sebastian(Donostia ドノスティア :バスク語)に、数十年ぶりに大雪が降りました(^^)
雨の日が多い地域ですが、雪が降ることは珍しいです。
そんな、この街に大雪が降る前に…
日本から小関勲さん(多種目の選手やオリンピック選手、あらゆる分野の方を指導されているバランストレーナー:http://www.kablabo.com/cat7/)が、スペインに来てくださり、こちらでトレーニングを行う機会に恵まれました。
小関さんとは、私が19歳の頃に、当時日本代表選手として活躍されていた山郷のぞみ選手からのお誘いでトレーニングに参加したのがキッカケでお会いしました。その後、小関さんとのトレーニングを通じて、それまでのパフォーマンスから変化を積み重ね、浦和レッズレディース時代のリーグ優勝、アジアカップ優勝を経験しました。
小関さんとの時間は、トレーニングといっても、ピッチ上でのパフォーマンスや、あらゆるトレーニングの前提となる動きの違いに気づいていく時間です。その気づき、体験を通じて…選手として、見てみたかった世界が見えるようになってきたので、今回この場で皆さんにもご紹介できたらと思います。
今回は、このような内容のトレーニングに取り組みました!
*キック
*パス
*一対一
この中でのポイントは、大きく分けて5つです。
私なりの言葉で表現したものと、*印の後には、小関さんからの解説を載せました。
①姿勢(カラダを立てる)
・姿勢が前傾していると、視点が手前になり、入ってくる情報や見える範囲が少なくなりやすい。
そのため、カラダを立てるだけで入ってくる周りの情報に変化がある。
*カラダを立てることで360°の情報が入ってくるだけではなく、360°の動ける可能性(自由度)を持つことができる。
・また自分の質量がボールや相手に自然に乗せることができる。
②ボールの手前ではなく、ボールの奥側を蹴りにいく
・「ボールの奥側を蹴りにいく」という表現は伝わりますでしょうか?
実際に、自分の足がボールに触れているところはボールの手前側ですが、ボールを蹴るときにボールの手前ではなく、奥の面を蹴りにいくようにすると、キックの質が変わります。これは、とても面白いです。
ぜひ、体感してみてください。
*インパクトとはカラダとボールのタイミングが合ったことを言うが、そのタイミングを意識し過ぎるとむしろズレてしまう。リズムをとり過ぎるとタイミングが外れてしまうことがあるのは誰しも経験しているはず。
ボールの外側に意識をズラすことによって自ずとインパクトが生まれてくる。
・また蹴ったあとの動きにも繋がってくる。
③相手の背後を見る、背後へ向かう
・これだけで、自然に入ってくる(周りの)情報に大きな変化があります。
*相手やボールに焦点を当て過ぎることで、自らの動きの可能性を閉ざすことになる。相手を入れつつも視野を広げておくことで様々な展開の可能性を持ちながらプレーできる。
④手というセンサーを使う
・手は、センサーとしての役割を担う。力を入れたり抜いたりせず、触れにいく感じで使えると、自然に機能する。
*相手を押したり抑えたりする道具として使われがちだが、これをする程、自分のバランスが崩れしまう。
・特にカラダが小さい選手や力に自信がない選手は研究してみると良い。
このような視点を持ち、スペインリーグで活躍する男子選手、なでしこジャパンの選手や、他国代表の女子選手、育成年代の選手のプレーを観るようになってから、パフォーマンスの高いプレーや選手には共通する動きの質の高さを随所に発見するようになりました。
今回の内容が、皆さんのパフォーマンス発揮にも繋がれば嬉しいです!
スペイン女子リーグ【Liga Iberdrola】の次節(23節)は、Espanyolとホームで対戦します。
今シーズンの目標である…Copa de la reinaに出場し優勝するためには、リーグ戦での勝ち点*が必要です。
*Copa de la reina (シーズン末に行われる女王杯)には、リーグ戦で上位8チームが出場できます。
大会は、トーナメント形式で行われ、3試合勝利したチームが優勝です。
パフォーマンスの発揮がなければ、勝利、ゴールという結果が訪れることはないので、何より自分自身のパフォーマンス発揮、向上を積み重ねていきたいと思います!
皆さんと、今回のトレーニングや、スペインで経験しているトレーニングを共有できる時間を楽しみにしています(^^)
では、また次回!
Agur‼︎ アグ-ル (バスク語:別れ際の挨拶)