NEWSブログ
「スペインFútbol 通信 vol.7」 後藤三知アドバイザー
「スペインFútbol 通信」Vol.7
Hola!!(オラ)Kaixo(カイショ:バスク語)
みなさん、こんにちは!
現在、リーグ戦は残り2試合で、チームは16チーム中8位につけており、7位のチームとは勝ち点3差、9位のチームとは勝ち点が並んでいます。
このような状況の中では、まず自分たち(自分自身)が、どのような姿勢で試合に臨むか?が問われているように思います。
先日の、ホームゲーム、SportingHuelva戦では、試合の立ち上がりに自分たちの良さが出て、決定的なチャンスを作りました。ただ、それらが決まらず、徐々に相手に球際で上回られるようになりました。映像を見返すと、相手のLateral (ラテラル=サイドバック)の背後に、時間の経過とともに大きなスペースが生まれていました。ただ、私たちは、相手の前でボールを受けようとするプレーが続き、相手にとって困難なプレーができていませんでした。具体的には、「マーカー(人)へのプレッシャーが強い」という相手のストロングの裏にあるリスク(ここでいうと両Lateral (サイドバック)が空けている背後のスペース)を見つけ、使うことができていませんでした。加えて、相手は狭いスペースでのプレー、空中戦の戦いを得意とするチームであったため、(Sporting Huelva戦のホームCampo(カンポ:試合を行うピッチ)は、幅、深さともに狭いCampoなので、狭いスペースでのプレーに慣れています。)それを踏まえて、ピッチの幅と深さを使い、こちらのペースへともっていくことができればよかったと思います。こちらも決定機をつくり、勝つ可能性があった試合でしたが、戦術的な攻略、セットプレー、即興性(個人のアイデアやコンビネーション)のどれでもゴールを決めることができず、相手を上回ることができませんでした。
その試合からの改善は、練習から行いました。どのようなゲームであっても、相手にとって使われたくないスペースでのプレーを狙い続けること。相手の位置や攻守の狙いによって生まれているスペースを見つけ、そのスペースを使いにいくタイミングや方法を工夫し続けること。それを続けることで、流れの中で自然に効果的なスペースを使うことができ、ゴールが生まれ、その日の紅白戦では3ゴールを決めることができました。
改善したことを具体的に挙げると…
・Línea defensa(リネアデェフェンサ=ディフェンスライン)の4人、もしくは5人を相手にし、なるべく相手の視野から消えるような位置をとり続けながら、(相手とボールを同一視しておきたい)守備者にとって、それが困難な位置にいること。
・相手の動き(状況への反応)によって生まれてくるスペースを見つけ、タイミングよく使いにいくこと。*この時にゴールまでの距離を把握しておきたい。
・そして、出てきたボールにプレーしながらも、同時に守備者との距離間がどのくらいかを把握し、それによりシュートか、パスか、運びや相手をかわすプレーかを選んでいくという狙いを持ちプレーすることです。
このように、試合や日々の練習の中での気づきや学びから改善を続け、ゴールができる可能性を高め、勝てる可能性を高めていきたいと思います。
そして、仲間とゴールや勝利の喜びを味わいたいです。
最後に…Sporting Huelva戦で生まれた印象的なプレーによって、嬉しいエピソードがあったので紹介させてもらいます。
Sporting Huelva 戦の前半14分ごろ、味方の選手からのCentral(セントラル=センタ-リング)を、私がバイシクルシュート(remata de chilena:レマタ・デ・チレナ)したプレーがありました。そのシュートは、バーに当たり地面に跳ね返りゴールとはならなかったのですが、サイドのタッチライン付近から、手前のポスト辺りに届いた長い距離のパスを、ダイレクトでシュートしにいったことで生まれたバイシクルシュート(remata de chilena:レマタ・デ・チレナ)だったため、印象的なプレーとなりました。映像があるので見てみてください。
【Liga Iberdrola】28
Una ocasión de gol(vídeo y periódico).
Buen pase de Claudia.
Siempre quería jugar de forma que los espectadores sentieran que merecía la pena venir a ver el partido.Y que sienten volver a ver. pic.twitter.com/X4JJZkrdK1— Michi Goto (@Goto_Michi727) April 30, 2018
このシュートは、その前の試合で、ヘディングであればダイレクトで打てたCentral(セントラル=センタ-リング)を胸トラップしにいったことで、シュートできなかったプレーがあったため、次は可能な限りダイレクトで打てるようにしたいと思っていたからこそ生まれたプレーだったと思います。加えて、以前に紹介した小関先生とのトレーニングを通して続けてきた“全身でプレーする”ことができたシュートでもありました。
その試合後に、友人と食事をしていたら、街のバルでサッカー好きのおじさんたちに「Michi!!チレナ見たぞ!!」「オレも見たぞ!!」「すごいチレナだったな!!」と声をかけられました。そうしたら、いつの間にか一人二人と…バルの近くでボールを蹴っていた子どもたちが集まってきて、サインすることになり、その後、一緒にボールが蹴りたいとのリクエストに応えて、広場にいた10人くらいの子どもたちと一緒にボールを蹴ることになりました。その子たちがいつもやっているのであろうルールで遊びました。ゴールが一ヶ所あり、Portero(ポルテ-ロ=ゴ-ルキ-パ-)が一人で、そのPorteroが上に高くボールを蹴ったところからゲームがスタートします。全員が敵で一人ひとりのゴールを決めた数を競うゲームでした。その広場では、他の遊びをしている子どもたちもいて、障害物もたくさんあります。その中で、自分がボールを持てないとゴールできないので、みんなが隙あらばボール奪取を狙っていて、自分がボールを持てたときや、こぼれ球を拾えたときに、いかに一人で打開してゴールを決められるか?を競います。子どもたちは、私がボールを奪いに行くと、持っているテクニックを使って、揺さぶってかわしてこようとします。隙あれば、股抜きを狙ってきます。対峙しながら、こういうのいいなぁと感じていました。
とても楽しい時間でした。
最後に、全員をかわしてゴールを決めておきました。(笑)
子どもたちは、私たちの最終戦を見に来てくれると言ってくれました(^^)
LigaIberdrola17-18シーズンも、残り2試合です。
シーズン開幕から7連敗で始まった今シーズン。3人の監督がチームを指揮しました。同じ20人の選手でも、監督によってピッチで生まれてくるサッカーが変わる面白さも知りました。そして、16チーム中最下位という位置から、8位まで順位が上がってきました。リーグ戦後のCopa de la reinaに出場することも困難に思えたところから、現実的に出場権を競うところまできました。私たちの目標は、明確です。
あとは、できる限りのことを尽くして、未知に飛び込む好奇心と、ニュートラルな姿勢で、結果を出す過程を仲間と楽しみたいと思います。
そして日本で、皆さんに会えることを楽しみにしています(^^)
では、また!!
Agur(アグ-ル:バスク語での別れ際の挨拶)