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「スペインFútbol 通信 vol.10」 後藤三知アドバイザー
「スペインFútbol 通信」Vol.10
Hola!! オラ (Kaixo‼ カイショ :バスク語)
みなさん、こんにちは(^^)
今回は、スペイン(SDEibar)では、プレシーズン(準備期間)をどのように過ごし、リーグ戦の戦いに入っていったかを書きたいと思います!
2018-2019のプレシーズン(公式戦が始まる前の準備期間)は8月から始まりました!
開幕戦まで、6週間(そのうちオフを除く約30日間)トレーニング、練習試合、遠征などを通して準備をしていきました。
●1週目
主に2つのことが重視されたトレーニングでした。
1つは、コンディションを上げていくこと。もう1つは、新監督の考え方、チームとして取り組むサッカーについての理解、実践です。
第1週目の週末は、年に一度のスペシャルアクティビティを行いました。ダンス講師の指導の下、全員でダンスを約2時間行い、その後、海でボートに乗り、昼食を食べるという時間を過ごしました。
今シーズンのエイバルには、新しく9人の選手と監督、スタッフが加わりました。
当然、まだ全員が打ち解けていない中で、こうした時間を共有することに意味があったと思います。ダンスを通じて、心と体を解放し、海での協力や助け合いを楽しみました(^^)
※その日の映像をよかったら見てください!
●2週目
引き続き、トレーニングの前半にはフィジカルをメインにしたメニューを行い、後半はチームとして取り組むサッカーを浸透させていき、その強度の高さを重要視してトレーニングを行いました。その週末には、開幕戦が行われるCampo(カンポ=ピッチ)で練習試合を行いました。
●3週目
前半はフィジカルをメインにしたトレーニング、後半はチームのサッカーの理解、実践、そして2週目の練習試合で出てきた課題に取り組みました。この週は、木曜日と土曜日に練習試合を行いました。
●4週目
バルセロナへ遠征し、Español(Bチーム)と、FC Barcelona(Bチーム)と対戦しました。
●5週目
その遠征で出た課題に取り組みました。
そして週末には、開幕前最後の練習試合を行いました。
※5週間で6試合の練習試合を行いました。
●6週目
開幕戦の対戦相手の戦い方を踏まえてトレーニングを行いました。
こうした6週間の準備を経て、開幕戦を迎えました。
スペインでサッカーをするようになり、当たり前になってきている習慣として、「この状況には、こう対応すればいい。」「こうした状況には、こうしたプレーを選択すべきだ。なぜなら…」ということを(その現象が起こる度に)繰り返し言葉にすることです。監督の考えや、チームとして取り組むサッカーについても、繰り返し、繰り返し伝えられます。時に「もうわかってるよ。」と思うくらいですが、その習慣によって「その状況には、こう」と、すぐに判断できることにつながっていると思います。日常生活でもそうですが、こちらでは「察する」、「気をつかう」ということは、基本的にしないため「言わなくてもわかるだろう。」という感覚はなく、ピッチでその現象が起こる度に言葉にされています。“できていない”ということは、“わかっていない”のと同じ。とてもシンプルですが、そのように幼いころから「こういう状況では、こうすべきだ。サッカーでは、こうなるとこういうことが起こる。」ということが、繰り返し、繰り返し伝えられているのだと思います。
こちらで、育成の指導を勉強している方にお聞きした話では、あるクラブチームの育成では、週の前半には、ボールポゼッションを主体とした、ピッチの幅を使って前進していくサッカーをトレーニングし、週の後半にはピッチの深さを意識した、縦に速いサッカーをトレーニングしているそうです。その意図は、目の前の選手たちが、将来トップチームでプレーするときのためです。トップチームでは、結果次第で監督が交代するのは当たり前です。その監督にどのようなサッカーを求められるかわからないからです。どのサッカーも知っている、経験している選手を育成するためだそうです。
※少し話がそれてしまいましたが、スペインでプレーするようになって、身をもってそうした積み重ねの違いを知ることになったので、ここで紹介させてもらいました。
今回は、ここまで!
次回は、リーグ戦での戦いの様子を書いていきたいと思います!
Agur‼(=アグール:バスク語での別れのあいさつ)