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【スペインFútbol 通信 vol.21】 後藤三知アドバイザー
Hola!! オラ
こんにちは(^^)
【目次】
・試合結果
・今回出てきたサッカー用語(スペイン語)
・給料の滞納だけに留まらない問題..
《試合結果》
JORNADA 3(第3節)
CD Pozoalbense 0-2 Córdoba CF
*ダービー戦に勝利
ダービー戦ということもあり、試合開始から相手は攻撃的にプレーしてきました。コルドバの最終ラインの背後にDiagonal(ディアゴナル:斜めの)パスを出され、何度か背後のスペースを使われそうになりましたが、相手に決定的なチャンスまでは与えませんでした。一方、コルドバは特に右サイドから相手コートに攻め込み、前半から多くのSaque de esquina (サケ デ エスキーナ:コーナーキック)の機会を得ました。
この試合、私はExtrema derecha(エクストレマ デレチャ:右サイドアタッカー)でプレーしていました。私は右サイドの深めの位置でボールを受け、その流れの中からペナルティエリア内に侵入し、Delantera(デランテーラ:FW)とPared(パレス:壁パス)を試みましたが、そのパスをDelantera(FW)がシュートし、相手に弾かれたボールがフリーになっていた味方の前に転がり…先制点が決まりました。
その後も、お互いに攻め合いながら時間が進み…コルドバは後半終了間際にフリーキックを獲得。そのフリーキックで放たれたボールが鋭い弾道でゴールに吸い込まれ追加点。
ダービー戦には2-0で勝利しました。
JORNADA 4(第4節)
Córdoba CF 2-1 UD Collerense
*ホーム2勝目
前半、相手のSaque de esquina (コーナーキック)から先制され難しい試合になりましたが、ラインの高い相手に対して、コルドバ はDiagonal(斜めの)パスや、ドリブル、Lateral(ラテラル:サイドバック)のDesdoblar(デスドブラール:オーバーラップ)を多用し、両サイドから攻撃を仕掛けました。前回と同じくExtrema derecha(右サイドアタッカー)でプレーした私は背後に抜け出しボールを受け、深くまでボールを運び、斜め後ろへパス。それを受けたDelantera(FW)がワンタッチでシュート。同点ゴールが決まり、1-1。その後もコルドバは攻撃の手を緩めず攻め続け、後半終了間際のSaque de esquina (コーナーキック)が直接決まり逆転。
劇的な逆転勝利でした。
リンク①
https://www.instagram.com/p/B3CP21qlmVD/?igshid=8v9gup51txb7
JORNADA 5(第5節)
Granada CF 3-0 Córdoba CF
*3勝1分で迎えたアウェー戦では初の敗退
前半の早い時間帯に私たちのディフェンスラインにできたギャップを相手に使われ、そのボールをフリーで受けた相手選手がゴールまで運び、角度のないところからシュート。先制点を与えてしまいました。さらに、逆サイドを突破され、速いグラウンダーのパスをゴール前に入れられ、コルドバのDefensa(デフェンサ:DF)がクリアしようとしてPropia meta (プロピア メタ:オウンゴール)により追加点を与えてしまいました。その後も相手のSaque de esquina (コーナーキック)から3点目。コルドバも流れの中から決定的なゴールチャンスを4度ほど迎えましたが、どちらも決まらず。最後の最後までコルドバは攻め続けましたが、ゴールを決めることができず、今シーズン初の敗戦となりました。
私はこの試合、Extrema derecha (右サイドアタッカー),Extrema izquierda (エクストレマ イズキエルダ:左サイドアタッカー),Delantera (FW)の3つのポジションでプレーしました。この試合は、チームとして前半に3点を失ったことで難しい試合になりました。最低でも前半を2失点に抑え、Descanso (デスカンソ:ハームタイム)を迎えてから逆転を目指してプレーしたかったです。チームとして良いプレーも多くできた試合だっただけに悔しい敗戦となりました。個人としては90分間攻守に渡り、自分の役割に集中してプレーすることができました。もちろん、もっとこうできれば良かったというプレーもありましたが、自分で自分に、たくさんの“よし!”を重ねながら、多くの良いプレーができました。
チーム全体や周り、ピッチ上で起きるほとんどのことは自分でコントロールできませんが、これからも試合開始から1秒でも1回でもワンプレーでも多く良いプレーができるように、自分にできることに集中して、“よし!”を重ねていきたいと思います。
そして、チームが苦しい時にもゴールが決められる選手でありたいので、よりゴールを狙ってプレーしていきたいと思います。
《今回出てきたサッカー用語(スペイン語)》
・Diagonal(ディアゴナル:斜めの)
・Saque de esquina (サケ デ エスキーナ:コーナーキック)
・Pared(パレス:壁パス)
・Desdoblar(デスドブラール:オーバーラップ)
・El gol en propia meta (エル ゴール エン プロピア メタ:オウンゴール)
・Descanso (デスカンソ:ハームタイム)
・Delantera(デランテーラ:FW)
・Extrema derecha(エクストレマ デレチャ:右サイドアタッカー)
・Extrema izquierda (エクストレマ イズキエルダ:左サイドアタッカー)
・Lateral(ラテラル:サイドバック)
・Defensa(デフェンサ:DF)
《給料の滞納だけに留まらない問題》
現在、クラブ内で女子選手、監督、コーチ、スタッフ陣に給料が支払われないという問題が起きています。
それだけでなく、8月から始まった今シーズンですが、未だに女子チームは練習着が昨年のメーカーの使用済みのもの。
移動着も防寒具も届いていません。
女子には練習場にロッカールームがなく、練習中の水はほとんどが水道水を汲んできたもの。
ホームの試合時にシャワーが使えたとしても水しか出ません。
ユニフォームも、ホーム第2節まで名前もスポンサーも付けられていないサブユニフォームを使用。
練習場が使えるのも一番遅い時間(21:15〜22:45)がほとんど。
一つ一つに“女子”と書いたのには理由があります。
このクラブの同じ施設で練習している男子の最年少(約9,10歳)のカテゴリーには、早々に新しいメーカーの新品の練習着が配られており、彼らにはロッカールームもあり、練習時間も優先して選べる権利があります。
同じカテゴリーの女の子たちは、もちろん新しい練習着もロッカールームもありません。
私たちの監督はクラブにこのような話をしました。
「想像してもらいたい。もし、僕に同じくらいの年齢の娘と息子がいたとして、このクラブでサッカーを始めたとします。ある日、クラブから配られて持ってきた練習着が、息子の方は新しいメーカーの新品で、娘は去年のメーカーの使用済みのものだったら、僕は子どもたちにどう説明すればいいですか?」と。
「あなたは女の子だから」?
「女の子に生まれてきてしまったらしょうがない」?
…本当に悲しいな、と思います。
ですが、こうしたことが現実に起きています。
これまでも、それらには違和感を感じてきましたが、給料の未払い問題が重なったことで、これまで皆が感じてきた違和感が大きな疑問と不満に変わっています。
ただ、私たちがここでそうした扱いや環境に屈してしまったら、未来の女子サッカー選手たちはどうなるのだろう…目の前で無邪気にサッカーを楽しんでいる子は?女子サッカー選手に憧れて頑張っている女の子たちは…?
先日も、私たちは9歳〜12歳の女の子たちと交流する機会があり、私たちが試合前に行うメニューやミニゲーム、PK戦を一緒に行いました。
皆、少し緊張気味でしたが、一つ一つに全力で目一杯取り組む姿が印象的でした。そして、ゴールや仲間のプレーへのリアクションが大きい。笑
いつの間にか、選手もスタッフも大人も一緒になって楽しい時間を過ごしました。
私たちは、決して男子と全く同じような環境にしてほしいと言っていません。
競技スポーツとして、男子のサッカーをリスペクトしていますし、まだ女子サッカーが発展途上なのもわかっています。安定的な集客力が男子に比べて少ないのも明らかです。
ですが、同じように地域を代表するサッカークラブのエンブレムをつけて、同じ時間練習して、週末には試合をして、よりよいプレーをするために生活しています。それでも、別に男子のような給料を私たちにも支払ってほしいと言っているわけでもありません。
このクラブの現状が少し極端ではありますが、
ただ、練習前後に着替える場所がほしい。
水ではなくお湯が出るシャワーを浴びたい。
水道水ではなく、ペットボトルの水が飲みたい。
今季の練習着で練習したい。
女の子たちにも練習着を支給してあげてほしい。
真剣にサッカーに取り組み、クラブの一員としてチームの勝利に貢献したい。
そのためにも、契約を交わした通り、生活できる金額を支払って欲しいと言っています。
もちろん、個人的な思いを言えば、できれば大切な家族と、もっと経済的にも豊かに暮らしたいし、子どもだって育てたいです。でも、現実的にはクラブ内の女子チームの優先順位が低かったり、海外で契約を交わしてもクラブから給料が数ヶ月間支払われなかったり、サッカー選手という仕事だけで生活していくのは難しい女子選手が多くいるのが、女子サッカー界の現実でもあります。
今、私たちの置かれている状況は決して気持ちのいいものではありませんが、私たちだけでなく、まだ幼い女の子たちがサッカーを気持ちよく続けていくためにも…今、私たちにできることをやって、必ずよりよくなる未来にしたいと強く思います。
実際に、全員の給料滞納問題をきっかけに、選手、スタッフで話し合い、先週も昨日もクラブに現状の改善を訴えました。
一度では何も改善されませんでしたが、再度みんなで直接足を運んで現状を訴えたことで、ようやくクラブの上層部に生の声が伝わったようで…
・練習時の水
・練習時のロッカールーム
・シャワーのお湯
・練習時間…
は改善されると、クラブから口頭では話がありました。
少し改善の兆しは見えてきました。
給料も今週中には振り込まれると言われています。すでに15日間以上遅れていますが。
多くの選手が、家の家賃を大家さんに支払えていない状況なので、一先ず家賃を払いたい。
食事をするためのお金が必要。
車で仲間を乗せて練習場に来ている選手は、ガソリン代が必要です。
まずは、今週中に給料が全員に振り込まれることを願って、環境に関しても少しずつでも改善されていくことを願っています。
そして…こうした問題があっても、それでサッカーの勝敗は決まりません。
試合はいつも0-0から。(冨樫さん*がよく使われていた言葉です。)
ピッチの上では、チームが勝つために何ができるか?だということに変わりはありません。
どんな状況の中にもできることはあると思うので、よりよくなる方へ向かって、今、私に、私たちにできることを重ねていきたいと思います。
前回、「パフォーマンスを発揮するために意識していること」として書きましたが、こうした状況であっても「コツコツと、自分にできることをやって、自分に“よし!”を重ねていく。」自分で自分を褒めて、周り(仲間)を称えたり励ましながら、私はやっていきたいと思います。それはいくら給料が払われていなくても、扱いがよくなくても、私の自由だと思うので。
*冨樫剛一さん=元サッカー選手で、東京ヴェルディの監督をされた後、スペインのReal Sociedad(レアル・ソシエダ)に研修に来られていたタイミングで、私もレアル・ソシエダの選手としてプレーしていたので、当時、冨樫さんとはサッカーの話をたくさんさせてもらいました。貴重な時間でした。
冨樫さんのレアル・ソシエダでの経験をテーマにした記事を紹介させてもらいます。
リンク②
https://sportiva.shueisha.co.jp/clm/football/jleague_other/2018/06/08/post_21/index.php
最後に…
前回紹介したEmiさんのブログのリンクをまた載せておきます!Emiさんのブログには、たくさんの素敵な情報が載っているので、ぜひ楽しみながら「Córdoba CF」のホームタウンであるコルドバの街やアンダルシア地方がどんなところかを知ってもらえたら嬉しいです(*^^*)
〈Andalucía✿アンダルシア街歩き from スペイン | スペイン・アンダルシアから、たくさんの不思議や素敵な風をお届けします•*¨*•.¸¸♪〉
✔︎次回は、Reto Iberdrola(レト イベルドローラ:リーグ名)第9節を終えた11月14日ごろに更新したいと思います。
それまで…
Hasta luego(アスタ ルエゴ:またね!)
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